マンションのタイルが落下 実際に対応した記録 管理組合の対応のヒント

相談者

「うちの住んでいるマンションの外壁のタイルが剥がれて落ちた。どうしたらよいの?」

相談者

「なぜタイルが剥がれるの?」

相談者

「落ちたタイルでけが人や車を傷つけたら責任はだれが負うの?」

目次

タイルの落下事故は他人事ではない

多くの方が

自分のマンションの外壁のタイルは

ずっと大丈夫だと思っています。

タイルは

10年20年経過しても

見た目が変わらないですからね。

参考に1年前に名古屋市中区の築20年の顧問先マンションであったタイル落下のときのことを書きます

名古屋市中区にある

顧問先のマンションで

タイルの剥落を経験しました。

初期対応から応急処置までの

一連の流れを経験し

タイルの剥落対応は

スピードと

根本的な解決のため

綿密な調査が重要だと

あらためて認識した経験でした。

タイル剥落の発生からの緊急対応の概要

時期は1年前の
まだ寒さの厳しい3月

夜の9時に
管理会社から1通のメール

「本日、管理人より敷地内駐車場に外壁タイルと思われる破片が数個散らばっていた。

上階のタイルが剥がれて落ちたかもしれません」

という最初の報告がありました。

最優先はけが人や車への被害がないことを確認

夜中でしたが
理事長と
居住者の中で最も建築に詳しい
修繕委員長にメールで対応を協議。

1.調査を実施するか
2.調査する場合に方法

発生の翌々日に
まずは居住者へ
注意喚起および各戸のバルコニー状況の確認願いの書面を配布完了

なお協議は
理事長、修繕委員長、管理会社フロントを交えて連日継続。

現実的に早期対応できる複数プランを
こちらから提示

最終的には
作業員が各部屋のバルコニーに入って
目視と打診で調査することとし

日数と調査費用を取得して検討の材料に。

緊急のため
理事会を待たずに
全戸の外壁調査を承認することを理事長が決定

発生から16日目
調査の立ち入りのための全戸へ在宅アンケート

発生から27日

3日間に分けて
外壁の打診調査実施

安全と効率を考え
剥がれかけているタイルを発見したら
その場で
叩き落とし作業も実施。

調査と応急対応まで
発生から1ヶ月間のスピード対応。

運良く
けが人も被害もなく乗り越えることができました。

タイルが剥がれた原因

コンクリート躯体内部の
鉄筋の錆びによる爆裂

かぶり厚といわれる
コンクリートが薄いのも原因の一つ

ただ、全体の状況を調査するには

足場を組む必要があるため

調査には限界がありました。

調査と応急処置

打診調査は手の届く範囲に制限があります。

打診の結果、すぐに落下しそうな箇所は
養生をして
ハンマーで叩き落とし作業。

タイル落下の緊急対応
タイル落下の緊急対応

下に落ちないように
シートで養生して叩き落とす

経験して分かりましたが
1箇所・2箇所なら問題ないですが

広範囲に及ぶ場合は
今後はこの方法はとらないです。

作業員の安全と負担を考慮すると
足場を組むことを提案します。

(高所作業車でもできるかもしれません)

タイル落下でけが人や車を傷つけたら責任はだれが負うのか

タイル落下は想像以上に危険な状況です。

硬い塊が、高層階から歩行者の頭上めがけて落ちてくることを想像して下さい。

実際に死亡事故の例もあります。

この場合の責任は所有者となり

分譲マンションでは区分所有者全員となります。

分譲会社または施工会社の責任は

築2年までアフターサービス保証の範囲のため
責任を追わせることが可能です

住宅の品質確保の促進等に関する法律で10年保証で責任追及は?

実は外壁タイルの剥落は品確法の対象ではありません

民法724条の不法行為の適用は

20年以内であれば、民法の不法行為を用いて裁判で戦う方法があります。
ただ、そのためには施工上に過失があったことを立証する必要があります。

民法724条
不法行為による損害賠償の請求権は、被害者
またはその法定代理人が損害及び加害者を知っ
た時から三年間行使しないときは、時効によって
消滅する。不法行為の時から二十年を経過したと
きも、同様とする」

応急処置後(剥がれそうなタイルを落としたあと)

次回の大規模修繕工事の実施予定が

約1年後だったため

大規模修繕工事実施を数ヶ月でも早め

その際に補修する方針となりました。

とはいえ

大規模修繕工事の実施内容の協議

工事業者選定

組合員の合意形成など

予定よりも1~2ヶ月早まった感じでした。

まとめ

タイル剥落は
スピードが大事

事故が起きた場合は
管理組合が責任を負う

緊急時なので
時間関係なく対応の協議が必要

管理会社任せにしない

外壁タイルの落下は

対象部分だけ応急処置しても

将来の不安は払拭できません。

原因が劣化なのか

施工不良なのか

そもそも設計上の問題なのか

特定しないと

将来、同様のタイル剥落を招きます。

大半のマンション居住者は建物管理の素人となることから

保険の一つとして

マンション管理士の活用も

普段から考えておくのも

備えです。

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