【相続専門家が語る】不動産の枠にとらわれない相続の成功と失敗を分ける”総合的視点”

こんにちは、稲沢あんしん不動産の佐藤です。
不動産業界で28年以上の経験を持ち、相続対策専門士・相続診断士としても活動しています。

今日は「相続の成功と失敗を分ける決定的な違い」についてお話しします。

相続でお悩みの方なら、こんな思いをお持ちではないでしょうか?

  • 「相続で家族が揉めるのは避けたい」
  • 「税金をできるだけ抑えたいけど、どうすればいいの?」
  • 「専門家に相談すべきだけど、誰に相談したらいいの?」

実は、相続がうまくいくかどうかは、「どこに相談するか」で大きく変わってきます。
これから、私の実体験をもとに、相続で失敗しないための大切なポイントをお伝えします。

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専門家選びで決まる相続の成否

士業バッジをスーツの襟につけて働く男性のイラストです。
いろんな専門家があります

相続の専門家には2つのアプローチがある

皆さんは相続のプロに相談するとき、どんな専門家を思い浮かべますか?

  • 税理士
  • 弁護士
  • 司法書士
  • 行政書士
  • 保険営業担当者
  • 不動産業者

確かにこれらはすべて相続に関わる専門家です。

でも、実は大きく分けて2つのアプローチがあることをご存知ですか?

それが「専門分野特化型」と「総合的視点型」です。

この違いを理解していないと、思わぬトラブルに巻き込まれる可能性があります。

「専門分野特化型」の専門家とは

専門分野特化型の専門家とは、特定の分野に深い知識とスキルを持ち、その分野での理想的な解決策を提供する方々です。

例えば:

  • 税理士なら→税金面での理想的な提案
  • 司法書士なら→登記に関する理想的な提案
  • 弁護士なら→法的問題の理想的な提案
  • 保険営業担当者なら→生命保険を活用した理想的な提案
  • 不動産業者なら→不動産活用の理想的な提案

どの専門家も自分の専門分野では頼りになる存在です。しかし、相続のような複雑な問題では、一つの視点だけでは不十分なことが多いのです。

相続失敗の実例から学ぶ

封筒に入った遺言書のイラストです
相続の相談の一例

実際にあった相談事例をご紹介します。
名前や細部は変えていますが、本質は実際の出来事です。

ある50代女性の相談から見えた問題点

約1年前、50代の女性が当社に相談に来られました。
内容は稲沢市にある母親所有の実家の相続対策についてでした。

状況はこうです:

  • 実家の建物は母親と、5年前に亡くなった弟さんを相続したお嫁さんの共有名義
  • 半年前にそのお嫁さんは家を出て行ってしまった
  • 母親には軽い認知症の兆候がある
  • 1ヶ月前に弁護士に相談して、母親の持分を全て相談者に相続させる公正証書遺言を作成済み

この相談者は「弟のお嫁さんの持分も含めて、家全体の相続対策をどうすればよいか」という相談でした。

ここで私が気になったのは、遺言書作成時の状況です。

「公正証書遺言を作成する際に弟さんのお嫁さんやそのお子さんと話し合いはしましたか?」と質問。

相談者は「何もしていません。弁護士の先生からは「遺留分についての公正証書遺言は作ったことがない。遺留分は亡くなった弟さんのお子さんは請求をしてくるのでその時でいい」と説明を受けたからそれでいいのかなと思いました。」と答えられました。

これを聞いて私が思ったのは、「そもそもこの段階で公正証書遺言を作る必要があったのだろうか?」ということです。

家族間の話し合いが先ではなかったのか?

黙って一方的に母親の財産を
公正証書遺言で相談者の方に全部わたる内容に作ったら
これは出ていったお嫁さんは子どものことを考えると相当怒るだろうなと。

一度こじれると元に戻すのは至難の業ですから。

覆水盆に返らず


これは弁護士が悪いわけではなく、専門家に相談すると、その専門家の得意分野での解決策が提示されるということなのです。

相続に必要な「総合的視点」

家族が楽しそうに集まっているイラストです。
家族の合意を大切に

専門家によって解決策が違う理由

各専門家は自分の専門分野での理想的な方法を提案します:

  • 税理士 → 税金を最も安くする方法
  • 司法書士 → 登記の観点からの解決策
  • 弁護士 → 法的リスクを回避する方法
  • 保険営業担当者 → 生命保険を活用した対策
  • 不動産業者 → 不動産活用の提案

どれも間違いではありません。しかし、相続は複雑なパズルのようなもの。
一つの側面だけを見ていては、全体のバランスを崩してしまうことがあります。

相続で本当に大切なのは「家族の合意形成」

相続で最も重要なのは、実は「家族全員が納得できる解決策」です。

税金が最も安くなる方法でも、家族間の感情を無視したものであれば、後々大きなトラブルになりかねません。

例えば:

  • 税金対策は完璧でも兄弟間で感情的対立が生じるケース
  • 法的には問題なくても、親族が疎遠になってしまうケース
  • 資産は守れても、家族の絆が壊れるケース

こういった事態を避けるためには、「総合的視点」を持つ専門家の存在が欠かせません。

「総合的視点」を持つ専門家の役割

おもりを測るための天秤のイラストです。
バランスをとる

全体像を見渡し、バランスを取る

「総合的視点」を持つ専門家とは、相続の全体像を俯瞰し、様々な要素のバランスを取りながら理想的な解決策を導く存在です。

私は不動産の専門家でありながら、相続対策専門士・相続診断士としての立場から、相談者一人ひとりに合った解決策を提案しています。

私の相続対策に対する姿勢

私のスタンスはこうです:

  1. 不動産の専門家の枠にとらわれない総合的なアドバイス
  2. 家族全員の利益と感情を考慮した提案(相続は相続関係者全員の合意が必須)
  3. 場合によっては、不動産に触れずに別の解決策を提案する

大切なのは、その家族にとって最も円満な解決策を見つけること。
これが私の考える「総合的視点」の姿勢です。

相続対策は早めの準備が大切

腕を組んで困った顔をしている女性のイラストです。
早めに対策して困りごとを予防しましょう

なぜ今、相続対策が必要なのか

「うちはまだ大丈夫」と思っていても、突然の事態は予測できません。
相続対策は「保険」のようなもの。
必要になってからでは遅いのです。

特に以下のような方は、早めの対策をお勧めします:

  • 複数の不動産を所有している
  • 家族関係が複雑(再婚や養子など)
  • 認知症の心配がある家族がいる
  • 事業を営んでいる(個人事業主を含む)
  • 相続人に障がいを持つ方がいる

早めの対策で得られるメリット

  1. 選択肢が広がる
  2. 家族で十分に話し合う時間がある
  3. 計画的な対策で税負担を軽減できる
  4. 将来の争いを未然に防げる
  5. 安心して今を生きられる

まとめ:相続で失敗しないための3つのポイント

胸をどんと叩く、自信満々の男性会社員のイラストです。
任せてください
  1. 早めに行動する:相続の問題は早めの準備が肝心です
  2. バランスの取れた視点を持つ:一つの側面だけでなく、相続全体を見渡した対策を
  3. 適切な専門家に相談する:専門知識と総合的視点、両方を持つ専門家との連携が重要

相続は人生で何度も経験することではありません。だからこそ、経験豊富な専門家のサポートが必要なのです。

稲沢あんしん不動産では、不動産の専門知識だけでなく、相続対策専門士・相続診断士としての視点から、お客様一人ひとりに寄り添った相続対策をご提案しています。

「今のままではまずい」「何か対策をしたい」とお考えの方は、ぜひ一度ご相談ください。一緒に理想的な解決策を考えていきましょう

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