【初めての不動産相続】兄弟同士話せなくても実家処分できた事例|換価分割

相談者Dさん

うちのお父さんが亡くなって、実家を相続することになったんだけど、弟とは昔から仲が悪くて…相続の話なんてどうやって切り出せばいいのか分からないのよ。しかも実家には荷物がそのまま残ってるし、何から手をつけていいか本当に困ってる

相談者Bさん

分かる分かる!私も兄と全然話せなくて、もう何年も連絡取ってないの。でも相続の手続きって期限があるんでしょ?このまま放っておいたら大変なことになりそうで夜も眠れないのよ…

こんにちは。稲沢あんしん不動産の佐藤です。

今回のテーマは、初めての不動産相続で兄弟の仲が悪い場合はどうすればいいのかという相談事例をお話しします。

今回の相続相談のポイント

こんなお悩みありませんか?

  • お父さんが亡くなって実家を相続することになったけど、何から始めればいいのか分からない
  • 兄弟とは昔から仲が悪くて、相続の話なんてとてもできない
  • 相続するのは実家の土地と建物だけで、お金は全然ない
  • 実家にはお父さんの荷物がそのまま残っていて、どうしていいか困っている

今回の相続相談のポイントは3つです。

  1. 初めての相続で分からない
  2. 兄弟の仲が悪くて連絡が取れない
  3. 相続するのは現金じゃなくて不動産のみ

こういう場合、どうやって解決したらいいのか、実際の事例を中学生でも分かるように詳しく解説します。

こういった兄弟だから、身内だからという難しいケース、意外とあるんですよね。でも正しい手順で進めれば、必ず解決できます。

この記事では、私が28年の不動産の経験で得た知識とノウハウで、不動産の相続や売却、購入の情報を発信しています。

この記事を書いた人
愛知県稲沢市の不動産会社稲沢あんしん不動産の代表 佐藤高樹の顔写真

佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
詳しいプロフィールはこちら

不動産業界28年の経験で、初めて不動産を売る方伴走型サポートでお手伝いしているため、しっかりと結果が出ています。普通の不動産屋さんは売買で終わりですが、難しい権利関係や複雑な相続・家族関係の案件も相談に乗っています。

宅地建物取引士、不動産コンサルティングマスター、マンション管理士
稲沢市・一宮市・清須市・あま市での豊富な実績
不動産査定件数5,000件以上
相続・空き家問題解決の専門家として地域密着

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「佐藤さんに相談すれば必ず解決してくれる」と言われる存在を目指しています。不動産の売却、実家の相続、空き家活用、住み替え相談など、まずは無料相談からお気軽にどうぞ。

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相続の分割方法を理解しよう

相続では、実家などの不動産をどうやって分けるかで3つの方法があります。まずはこれを理解しましょう。

相続分割方法の比較表:

分割方法内容メリットデメリット
現物分割土地を実際に分筆して、それぞれが単独で所有・各自が単独所有者になる・将来のトラブルが少ない・土地の形や道路付けで価値が変わる・測量費用がかかる
代償分割1人が不動産を相続し、他の人にお金を払う・単独所有でトラブルなし・公平に分けられる・代償金を用意するのが大変・不動産の評価で揉める可能性
換価分割不動産を売ってお金にして分ける・現金なので公平に分けやすい・管理の手間がない・思い出の家を手放すことになる・売却に時間がかかる場合も
共有分割兄弟みんなで一緒に所有する・手続きが簡単・とりあえず平等将来必ずトラブルになる・売却時に全員の同意が必要

換価分割とは?

換価分割を分かりやすく例えると、こんな感じ。

兄弟3人で3,000万円の実家を相続したとします。

共有分割の場合:「みんなでこの家を3分の1ずつ持とう」 → でも、誰が住む?誰が管理する?売りたい時はどうする?

換価分割の場合:「この家を売って、3,000万円を3人で1,000万円ずつ分けよう」 → みんな平等で、お金なので使い道も自由!

つまり換価分割は、「みんなで売ってお金を分ける方法」なんです。

相談内容

相談者の状況

今回ご相談いただいたのは、一宮市にお住まいの60代の男性長男さんでした。

状況:

  • 名古屋に住む一人暮らしのお父様がお亡くなりになった
  • 残っている財産は、お父様の名義の土地と建物のみ
  • 相続人は長男さんと関東に住んでいる弟さん
  • 兄弟の関係は昔から仲が悪くて、何十年も口をきいていない
  • お父様が亡くなってから2ヶ月経っているとき、まだ49日も経っていない時期にどうしたらいいか全くわからない

長男さんの心配事

ご相談をいただいて、まず最初に実際の現地に行って不動産の状況を確認しました。

長男さんが最初に心配されていたのは:

  • 建物はもう40年も経っていて、直そうと思ったら相当お金もかかるし、解体した方がいいのかどうか
  • 1階も2階もお父さんが直前まで生活していた荷物がそのまま残っていて、どうしたらいいんだろう
  • 弟と分けないといけないけど、話すと喧嘩になるし、どうしたものか

解決方針の決定

不動産の取り扱い方針

現地を確認してお話を聞きながら相談して決めた結果は:

  1. 建物は使える状態なので、そのまま売却する方向で
  2. 荷物は専門業者に頼んで搬出をしてもらう実際に2日間かかりました)
  3. 共有のまま登記をするのは将来トラブルの元になるので避ける
  4. 現状で土地建物を売却する方針を決定

実際は土地の境界や越境の問題などいくつかありましたが、今回は省きます。

相続手続きの方針

不動産の取り扱いが決まったので、それに合わせて相続手続きをどうするか相談しました。

なぜ共有登記は絶対にダメなのか?

私からのアドバイス: 不動産をとりあえず共有、弟さんと共有で登記をするというのは絶対にやってはいけません。将来必ずトラブルになります。

共有登記の具体的なトラブル事例

将来必ず起こる問題:

  1. 売却時に全員の同意が必要
    • 1人でも反対すれば売れない
    • 連絡が取れない共有者がいると手続きストップ
  2. 相続のたびに共有者が増えていく
    • 兄弟の子ども→孫→ひ孫と増え続ける
    • 最終的に10人以上の共有者になることも
  3. 管理費用の負担で揉める
    • 固定資産税は誰が払う?
    • 修繕費は誰が負担する?
  4. 使用権で揉める
    • 1人が実家に住み続けたら?
    • 他の人は使えないのに費用だけ負担?

さらに深刻な問題:相続登記ができずに近隣に迷惑をかけるケース

共有登記の問題はこれだけではありません。相続登記ができないまま放置されると、このような深刻な事態になることもあります

この動画のように、相続登記が放置されると:

  • 建物が老朽化して倒壊の危険
  • 近隣住民に迷惑をかける
  • 行政から特定空家に指定される可能性
  • 最終的に強制執行や代執行の対象になることも

だからこそ、共有登記は避けて、早期に適切な手続きを進めることが重要なんです。

これが、私が「共有登記は絶対ダメ」と言う理由です。

決定した方針
売却をするのなら、相談者の長男さんがメインで動くことになりますので、換価分割ですすめること。

換価分割の遺産分割協議書を作って、代表の長男さんの名前に相続登記を行う。

そして最終的に残ったお金を弟さんと分けるというやり方で進めることに決定。

相続手続きの実行

必要書類の取得

この相続手続きには、亡くなられたお父様の出生から死亡までの全戸籍謄本が必要になります。

今は広域交付制度というのができて、ほぼ一つの市役所で取れるので便利になったんですが、それでも初めてだとどうやっていいか不安だと思います。

広域交付制度とは、2024年3月1日から始まった、本籍地以外の市区町村の窓口でも戸籍証明書や住民票の写しを取得できる制度です。これにより、本籍地が遠方にある場合でも、最寄りの市区町村の窓口でこれらの証明書をまとめて請求できるようになりました

なので私も一緒に市役所に行って必要な書類の取得のサポートをしました。

弊社の場合はご要望により相続の書類にも市役所に同行してお手伝いしています。普通は不動産会社が市役所に付き添うことはないんですけど、そういうことも全然問題なくやらせていただいています。

初めての方には心強いと言っていただけますし、喜んでいただけますので、これで正確な相続人が確定しました。

仲が悪い弟さんとの連絡

次に、相談者の長男さんが心配している仲が悪い弟さんとの連絡でした。

兄弟と話せない場合の対処法:

実は、これは非常にデリケートな問題です。家族の問題は本当に難しく、「こうすれば必ずうまくいく」という正解はありません。

今回はこのような方法でうまくいきました:

  • 最初だけ長男さんから「手続きで司法書士から連絡が入るから、説明を聞いてくださいね」ということだけ伝えてもらう
  • その後は司法書士から事務的な連絡のみ
  • 長男さんが直接お話しするとトラブルになる可能性があるので、第三者(専門家)が間に入ることで感情的にならずに済む

結果: 換価分割を理解していただき、協力いただけることとなりました。

重要なポイント: ただし、すべての家族でこの方法がうまくいくとは限りません。
家族関係や状況によって対応方法は変わります。第三者が入ることで感情的にならないというメリットはありますが、それでも難しいケースもあるのが現実です。

遺産分割協議書の作成

換価分割で進めるためのポイント

遺産分割協議書の作成のポイントです:

  1. 換価分割であることを明記
  2. 長男さんが代表して相続登記を行う
  3. 売却後の代金は兄弟で分けることを明記

この遺産分割協議書を郵送で弟さんに送って、ご署名捺印をしてもらいました。

売却の実行

売却期間

実は売却準備にはこれ7ヶ月かかっています。

でも、売却開始から購入者が見つかるまでは1週間もかかりませんでした。

売買契約は長男さんがお一人の名前で、売主として契約で通常通りお引渡しを1ヶ月のうちに完了という流れでした。

代金の分配

代金の分配は、売却代金から売却にかかった経費を差し引いた残ったお金を兄弟で按分することになります。

税金について

相続税

今回の案件では基礎控除の範囲だったので、相続税がかからない金額だったので、ここについては問題ありませんでした。

譲渡所得税(要注意)

ただ、相続税がかからなくても、譲渡所得がかかりました。

相続して取得した不動産を売却した得た利益に対して税金が発生。

譲渡所得税の計算方法:

基本計算式:

譲渡所得 = 売却価格 – 取得費 – 売却費用

取得費について:

  • 実際の取得費が分かる場合: 購入価格 + 購入時の諸費用 + 改良費
  • 取得費が不明な場合: 売却価格の5%(概算取得費)

売却費用の例: 仲介手数料、印紙税、測量費、建物解体費、登記費用等

税率比較表:

所有期間区分所得税率住民税率合計税率
5年以下短期譲渡所得30%9%39%
5年超長期譲渡所得15%5%20%

※復興特別所得税(所得税額の2.1%)が別途かかります

具体的な計算例:

  • 売却価格:2000万円
  • 取得費(分からない場合):100万円(売却価格の5%)
  • 売却経費:150万円
  • 利益:1750万円
  • 税金(長期):約350万円(20%)

このように、利益に対して税金がかかりますが、今回の場合、相続で亡くなられたお父様の所有期間を引き継げるので長期扱いで税率が低い方で大丈夫でした。

相続の場合: 相続により取得した不動産は、被相続人(お父様)の取得時期を引き継ぐため、通算して5年超であれば相続直後に売却しても長期譲渡所得(20%)の適用が可能です。

相続の場合、今回の場合は登記名義を変えてすぐ売ってるんですけど、
相続が理由なので、お父さんの取得期間も引き継げます。

今回は長期譲渡所得の2割の方で計算できます。

ご兄弟がそれぞれ確定申告を行って、それぞれが税金を納めるという形となります。

まとめ:成功事例から学ぶポイント

この案件の結果をお伝えすると、兄弟が何十年も話していなかったにも関わらず、最終的に円満解決できました

売却準備には7ヶ月かかりましたが、いざ売却を開始してからはわずか1週間で購入者が決定

長男さんからは「佐藤さんに相談して本当に良かった」とお喜びの声をいただきました。

今回の成功の3つのポイント

初めての不動産相続で関係が複雑な兄弟状況というケースでも解決できたという事例でした。

1. とりあえずの共有登記を避けて、換価分割で売却

将来のトラブルを防止

2. 仲が悪い相続人とは、第三者を通じて連絡

感情的にならずに事務的に進めるのがポイント

3. 各専門家を集めて最後まで実行できる人に相談ができたこと

関わった専門家チーム

今回の取引には複数の専門業者が関わりました:

  • 不動産会社(私): 売却の手続きと全体のコントロール
  • 司法書士: 相続の手続き、遺産分割協議書の作成
  • 土地家屋調査士: 測量
  • 残置物処理業者: 家に残っている荷物の搬出処分

これを弊社でチームを作って全部調整して進めていきました。

こういった専門家を集めてコントロールできる人に相談するのがスムーズに行くポイントです。一人では相続は完結できないので、各専門家を集めて進めていくのが最も良いですね。

重要なメッセージ

このように当事者となってどこから手を付けて良いか分からない複雑に見える相続でも、正しい手順を進めれば必ず解決できます。

時間をかけずに進めることの重要性

この案件では売却準備に7ヶ月かかりましたが、途中で3ヶ月くらい時間が空いたんですね。

それは、こちらから売却の選択肢をいくつか提案して、相談者の長男さんに考えてもらう時間があったんです。

3ヶ月ぐらい経って音沙汰がなかったので、こちらからどうですか?ってお尋ねしたら、「やっぱり佐藤さんのお尻を叩いてくれないと進まないわ」って言われて、そこから一気に前に進んだんです。

やっぱり一人では荷物を片付けるだけでも全く進まないと思います。

お仕事も忙しいですし、ついつい先延ばしになってしまうんです。

相続登記義務化で3年の猶予がありますが、早く動くほどメリットが大きいのも事実です。

物価上昇の今、売却経費も年々高くなっていますし、早期に動けば選択肢も多く、より良い条件で売却できる可能性が高まります

専門家への早期相談の重要性

大切なのは、一人で悩まずに相続の専門家に早めに相談することです。

特に不動産の相続は不動産相続の専門家でないと不動産のことは分からないです。

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  • Google 口コミ で高評価多数
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