【相続問題解決】築40年の実家相続で発覚!8つの問題と解決までの道のり!数次相続・建物越境・解体・境界問題

- 物件種別:一戸建て(木造2階建て)
- 築年数:40年
- 所在地:愛知県名古屋市
- 居住者:空き家
- 売却理由:相続
【8つの問題点】
- 今回 亡くなられたのは お父様ですが 、実は10年前に亡くなったお母様の相続登記が未処理のままで放置されていた
- 相続人である兄弟の妹さんとは仲が悪く、口も聞かない状態
- 不動産をどうすればよいかわからない(売却か、解体か)
- 室内に40年分の生活用品がそのまま残っている
- 土地の間口が4.2メートルと狭い(建て替えには制約になる可能性)
- 建物の床が腐食してふわふわになっている(構造的な問題の可能性)
- 境界標が一箇所紛失している(境界確定が困難)
- 北側の建物が敷地内に越境している(法的問題)

父が亡くなったんだけど、10年前に亡くなった母の相続登記もしていなくて…
「妹とは仲が悪くて全然連絡が取れないんです」
「実家をどうすればいいのか全然わからなくて…」
こんにちは、稲沢あんしん不動産の佐藤です。
今日は、私が実際に担当した「名古屋市内での相続の問題解決事例」をご紹介します。
この事例では、8つの複雑な問題を解決し、
「もう無理かも」と思われた状況から、
相談者様に「佐藤さんに相談して本当に良かった」
と言っていただけるまでの道のりをお伝えします。
相続でお悩みの方、将来相続に直面する可能性のある方は、ぜひ最後までお読みください。この事例から学べることが必ずあるはずです。
1. 最初の相談:4つの問題に悩まれていた
「何から手をつければいいのか分からない」


相談者のよし子さん(仮)からの最初のご相談は、お父様が亡くなられたことによる実家の相続についてでした。
お話を伺うと、次の4つの問題点に悩まれていることがわかりました。
- 1.10年前に亡くなったお母様の相続登記が未処理のまま
- 相続人である妹さんとは仲が悪く、口も聞かない状態
- 不動産をどうすればよいかわからない(売却か、解体か)
- 室内に40年分の生活用品がそのまま残っている
よし子さんは「自分一人じゃどうしようもない。こういうの分かる人もいないし」と率直におっしゃいました。
これだけでも大変な状況ですが、実は本当の問題はこれだけではありませんでした。
2. 現地調査で発覚!隠れていた4つの問題点
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実際に現地を確認したところ、さらに4つの深刻な問題が見つかりました:
- 土地の間口が4.2メートルと狭い(建て替えには制約になる可能性)
- 建物の床が腐食してふわふわになっている(構造的な問題の可能性)
- 境界標が一箇所紛失している(境界確定が困難)
- 北側の建物が敷地内に越境している(法的問題)
よし子さんは「こんな問題があるなら、もう売れないんじゃないか」と不安を抱えていました。
確かに、これだけの問題が重なると、通常の売却は難しくなります。
しかし、諦めるのはまだ早いのです。
まずは不動産会社の「買取」という選択肢を検討しました。
私は買取業者6社から見積もりを取得。
一覧表にまとめてよし子さんに提出しました。
しかし、どの業者も間口の狭さや床の状態を懸念し、更地渡しを希望するという結果でした。
「普通に売るなら問題解決のお手伝いもできますよ。一度検討してみてください」とお伝えし、九州にお住まいの妹さんとも話し合いが必要だとアドバイスして、一旦相談は終了しました。
3. 問題解決への道:同時並行の4つの対策


その後、半年ほど時間が経過しました。
「その後どうですか?進んでいますか?」
と確認したところ、
よし子さんから
「申し訳ない、何も進んでいないんです。忙しくて…」
「佐藤さんに全部任せるので、力を貸してください」
というお言葉をいただきました。
そこで私は今回の解決方針を明確に決めることにしました:
- 土地での売却を目指す:建物は床が腐食しているため、解体して土地として売却する方針
- 相続登記を早急に実行:10年前のお母様の分も含めて一括処理
- 建物解体の見積もり取得:複数業者から適正価格を確保
- 越境問題は現状のまま覚書を交わす:将来の建て替え時に解消する約束で
これらを同時並行で進めていくことをよし子さんと合意し、動き始めました。
相続登記については、「換価分割」の方法を採用。
これは不動産をいったん売却して現金で分割する方法です。妹さんとの関係を考慮した最適な選択でした。
換価分割換価分割とは、
相続財産や共有不動産を売却して現金化し、そのお金を相続人や共有者で分配する方法です。代金分割とも呼ばれます。
【換価分割のメリット】
現物のままだと分けられない財産でも公平に分割できる
【換価分割のデメリット】
売却益に対して所得税や住民税がかかる
【換価分割が適しているケース】
相続人が不動産の共有相続を望まない場合
換金前提であれば均等に相続したい場合
また、専門家チームを編成しました:
- 司法書士(相続登記担当)
- 建物解体業者
- 室内残置物処分業者
- 測量士(境界確認用)
まずは、よし子さんと私と司法書士とともに区役所へ行き、
お母様とお父様の戸籍謄本を一気に収集。
令和6年3月1日に施行された戸籍法の一部改正により、広域交付が可能になり、効率的に書類を集めることができました。
同時に建物解体の見積もりも4社から取得しました。プロだからこそ可能な徹底比較で、適正価格を確認できました:
【解体費用の比較】
業者 | 見積金額 |
---|---|
業者A | 193万円 |
業者B | 198.2万円 |
業者C | 201.5万円 |
業者D | 209万円 |
プロならではの比較検討で、適正価格を見極めることができました。一般の方が単独で依頼すると、数十万円単位で割高になることもあります。
4. 意外な展開!ご近所からの購入申し出


建物解体の見積もりを進める過程で、挨拶回りをしていたところ、
すぐご近所の方から
「その土地建物、私が買いたい」という申し出がありました。
これは本当に幸運でした。
ご近所の方が買い手になるというのは、不動産取引ではよくあることです。
近接地だからこそ価値を見出す場合が多いのです。
5. 越境問題の解決に奔走


次に越境問題にも取り組む必要がありました。
北側の建物がよし子さんの敷地内に入り込んでいる状態でした。
問題は、その建物が空き家で倉庫代わりに使われている状態で所有者の連絡先が不明だったこと。
近隣住民に聞き込みを行い、ようやく所有者の連絡先を入手。
その後、よし子さんと一緒に訪問を試みましたが、初回は不在でした。
諦めずに再度訪問したところ、偶然にも所有者の方に出会うことができました。
状況を説明し、「現状のままでも仕方ないが、将来建て替える際には敷地内に収めてほしい」という内容の覚書を交わすことで合意を得ました。
ところが、さらに複雑な問題が浮上。
その建物の登記名義人はすでに亡くなっており、相続人も複数いることが判明したのです。
相続問題の連鎖に直面することになりました。
6. プロの交渉術:価格だけでなく「条件」の駆け引き


ご近所から購入希望者が見つかりましたが
購入する金額について
値引きの要望が入りました。
ここからがさらに今回の問題解決の
プロとしての経験と知識の見せどころです。
通常の場合と異なる条件での交渉のスタートでした。
よし子さんと相談の上、以下の「条件付き」で価格交渉に応じる戦略を取りました:
- 境界標がない状態での売買を承諾してもらう
- 越境については覚書のみで対応(全員からの印鑑をもらわない)
- 床の腐食についても現状渡しで了承
この交渉は大変繊細なものでした。どの部分を交渉に入れるか、どんな相手だったらこういう条件を提示できるか、将来的な問題が発生しないかなど、経験が物を言う場面でした。
すべての問題を完璧に解決するのではなく、どこまでは必ず解決しておくべきか、どこなら現状で合意できるか、そのバランスを見極めることが重要だったのです。
測量をするにしても、覚書にしても、第三者が関わるので予測できない事態が起こる可能性があるので、まとまらない可能性も織り込まないといけません。
いつ話が壊れてもおかしくない状況となるので、この辺りのさじ加減は経験がないと分からないものです。
結果として、相談者のよし子さんにとって納得のいく価格で、しかも建物をそのままの最も負担の少ない状態で売却することができました
7. 全ての問題が解決へ:8つの落とし穴の克服
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こうして、当初は「解決不可能」と思われた8つの問題が全て解決の道筋に乗りました:
- 未処理だった母親の相続登記 → 数次相続として一括処理
- 妹との関係悪化 → 換価分割(売却して現金分割)で解決
- 不動産処分の方法 → 建物付きのまま売却が決定
- 残置物の問題 → 専門業者による処分を手配
- 間口の狭さ → ご近所の方が購入したことで問題解消
- 床の腐食 → 現状渡しで合意
- 境界標の紛失 → 買主の理解を得て解決
- 建物の越境 → 現状のまま覚書を交わす合意
数次相続とは
数次相続とは、ある人の遺産分割協議が完了する前に、相続人の1人が亡くなり、次の相続が発生する状況のこと
8. 相談者の声:「もっと早く対策していれば…」


よし子さんからは「佐藤さんに相談して本当に良かった。これで心置きなく次に進める」というお言葉をいただきました。
同時に、「もっと早くに対策しておけば良かった」という後悔の声も聞かれました:
- 「父が元気なうちに荷物を整理しておけばよかった」
- 「母の相続登記はその時にやっておけばよかった」
- 「境界と越境の問題も早めに解決しておけばよかった」
- 「遺言書を書いてもらっておけば妹との問題も減ったかも」
この「後悔の言葉」こそ、私たちが日々の業務で最も重く受け止めているものです。
9. 相続問題はなぜ放置されるのか?


よし子さんのケースから見えてくる、相続問題が放置される主な理由:
- 何から手をつければいいか分からない
- 誰に相談すればいいか分からない
- 後で何とかなると思ってしまう
- 家族間の人間関係で話し合いができない
- 専門家に相談するのにためらいがある
こうした理由で相続問題を先送りにすればするほど、解決は難しくなります。特に不動産の相続では、時間経過とともに価値が下がるだけでなく、様々な問題が複雑化していきます。
10. 稲沢あんしん不動産が提供する伴走型相続サポート


私たち稲沢あんしん不動産の相続サポートは、以下の特徴があります:
- 初回相談から解決までの一貫したサポート
- 相続対策専門士の資格を持つ代表が直接対応
- 不動産のプロならではの的確な査定と販売戦略
- 各専門家(司法書士・税理士など)との連携
- 相談者様のペースに合わせた「伴走型」支援
よし子さんのケースでも、「力を貸してください」というご要望に応えて、伴走型の相続サポートを一歩一歩進めていきました。
11. 今日からできる相続対策3つのステップ
相続問題でお悩みの方、または将来に備えたい方へ、今日からできる3つのステップをご紹介します:
ステップ1:財産の棚卸しと整理


まずは、ご自身やご家族の財産を把握することから始めましょう。
不動産、預貯金、有価証券、保険など、全ての財産を書き出してみてください。
また、日頃から不要な物の処分も心がけましょう。
ステップ2:家族間での話し合い


可能であれば、相続について家族で話し合う機会を持ちましょう。特に、不動産の処分方法や分割方法については、事前に意向を確認しておくことで、将来のトラブルを防げます。
ステップ3:専門家への相談


相続は複雑な問題が絡み合います。早い段階で専門家に相談することで、多くの問題を未然に防ぐことができます。特に不動産の相続については、不動産相続の専門家でないと解決できません。
まとめ:後悔しない相続のために


よし子さんの事例からも分かるように、相続問題は放置すればするほど複雑になります。
「そのうち何とかなる」という思いは、結果的に大きな後悔を生む可能性があります。
かといって「もう手遅れかも」と思う状況でも、専門家のサポートがあれば解決できることが多いのも事実です。
不動産相続でお悩みの方は、ぜひ一度稲沢あんしん不動産にご相談ください。26年の経験と相続の専門資格を持つ代表が、あなたの相続問題の解決に向けて伴走いたします。
【相談のご案内】 電話:0587-33-5620 営業時間:午前9時~午後7時 定休日:毎週水曜日 所在地:〒492-8137 愛知県稲沢市国府宮1丁目6-27-205 アクセス:名古屋鉄道本線「国府宮」駅 東口出口から徒歩5分
公認不動産コンサルティングマスター・相続対策専門士 稲沢あんしん不動産 代表 佐藤高樹