土地購入資金の贈与、税金はいくら?「一般贈与」と「特例贈与」の違いと、相続時精算課税制度【2026年最新版】

「子供が良い土地を見つけたから、購入資金の2,000万円を援助してあげたい」

「でも、家を建てる時期はまだ未定。とりあえず土地だけ」

親御さんからの温かい援助。

しかし、ここで気をつけなければならないのが「贈与税」です。

実は、贈与税には「誰からもらうか」によって税率が変わる2つのコースがあることをご存知でしょうか?

今回は、2,000万円を贈与する場合の税金シミュレーションと、「すぐに家を建てる場合」と「建てない場合」で変わる使える制度について解説します。

住宅資金の贈与の特例について知りたい方はこちらの記事「親の援助で中古マンション購入!知らないと48万円損する贈与税の特例とは?」でで解説しています。

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そもそも「特例贈与」と「一般贈与」って何?

贈与税の計算をする時、まず最初に確認しなければならないのが、この2つの区別です。

① 特例贈与(とくれいぞうよ)

  • 対象: 祖父母や父・母から、18歳以上の子・孫への贈与
  • 特徴: 一般税率に比べて、税率が少し安く優遇されています
  • 今回のケース: お父様から成人の娘さんへの援助なので、これに当てはまります

② 一般贈与(いっぱんぞうよ)

  • 対象: 「特例」以外すべて
  • 兄弟間の贈与
  • 夫婦間の贈与
  • 親から未成年の子への贈与
  • 他人からの贈与
  • 特徴: 特例に比べて税率が高くなります

【保存版】贈与税・比較一覧表(特例 vs 一般)

「110万円の基礎控除」を引いた後の金額に対して、以下の税金がかかります。

金額が上がるほど、「特例(親子)」「一般(他人・兄弟)」の税額の差が開いていくのがわかります。

▼贈与税額 速算表(控除後の実質税額)

贈与額(年額)① 特例贈与
(親→18歳以上の子)
② 一般贈与
(兄弟・未成年・他人)
差額
200万円9万円9万円0円
300万円19万円19万円0円
400万円33.5万円48.5万円15万円
500万円48.5万円53万円4.5万円
600万円68万円82万円14万円
1,000万円177万円231万円54万円
1,500万円366万円450.5万円84.5万円
2,000万円585.5万円695.5万円110万円
3,000万円1,035.5万円1,195.5万円160万円

(参考:国税庁 No.4408 贈与税の計算と税率)

今回のケース(2,000万円)の衝撃

表を見ていただくと分かる通り、今回のお父様から娘さんへの2,000万円の贈与は「特例贈与」になりますが、それでも税金はこうなります。

何も対策しない場合の税金: 約585万円

2,000万円を渡しても、約600万円近くが税金で消え、手元には1,400万円しか残りません。

「特例」で安くなっているといっても、これではあまりに高額です。

もし「すぐに家を建てる」なら?(住宅取得等資金の特例)

ここで一つ、重要な分岐点があります。

もし、土地購入後すぐに家を建てる予定であれば、「住宅取得等資金の贈与の特例」という王道の制度が使えます。

制度の概要

  • 内容: 家を買うための資金なら、最大1,000万円(または500万円)まで非課税にするという制度です
  • 省エネ等住宅の場合:1,000万円まで非課税
  • 一般住宅の場合:500万円まで非課税
  • 条件: 贈与を受けた翌年の3月15日までに家が建っている(または棟上げまで進んでいる)こと

この制度について詳しくは、以前の記事「親の援助で中古マンション購入!知らないと48万円損する贈与税の特例とは?」で中古マンション購入のケースを解説しています。

マンション購入を検討されている方は、ぜひそちらもご覧ください。

今回のケースでは?

今回は「とりあえず土地だけ。家を建てる時期は未定」というご相談でした。

この場合、残念ながらこの特例は使えません。

無理に使おうとすると、期限に間に合わず後から課税されるリスクがあります。

では、どうすればいいのでしょうか?

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解決策:これで税金ゼロ!「相続時精算課税制度」

家をすぐに建てない場合でも使える最強の切り札が、「相続時精算課税制度(そうぞくじせいさんかぜいせいど)」です。

制度の仕組みをおさらい

  • 内容: 親から子へ、累計2,500万円までなら贈与税がかからない
  • 条件: 贈与を受けた翌年に税務署へ申告すること
  • 注意点: 将来、お父様が亡くなった時に、この2,000万円を「遺産」に戻して相続税を計算する(税金の先送り)

今回の計算

  • 贈与額: 2,000万円
  • 非課税枠: 2,500万円
  • 判定: 枠内に収まるため、今の贈与税は「0円」

比較まとめ

方法手続き今払う税金
A. そのまま渡す
(暦年課税)
申告のみ約585万円
B. 制度を使う
(相続時精算課税)
届出+申告0円

答えは明白で、B(相続時精算課税制度)を選択し、期限内に申告することで、今の負担をゼロにすることができます。

よくある質問「黙っていたら税務署にバレますか?」

お客様からよく、こんなご質問をいただきます。

「親子なんだし、申告しなくても税務署にはバレないんじゃないですか?」

これに対しては、正直なところ「100%バレます」とも「絶対にバレません」とも言い切ることはできません。

私たちにも税務署の内情すべては分からないからです。

ただ、一つだけ確実にお伝えできることがあります。

「不動産を購入した場合、バレる(税務署から問い合わせが来る)可能性は非常に高い」ということです。

なぜ可能性が高いのか?

土地を買うと、法務局で「名義変更(登記)」を行います。

法務局の登記データは、税務署も確認できる仕組みになっています。

税務署側から見れば、
「お、娘さんが2,000万円の土地を買ったな。この資金はどうしたんだろう? 自分のお金かな? 親からの援助かな?」
と疑問を持つのは自然な流れです。

その結果、後日「お尋ね(おたずね)」という文書が届き、資金の出所を聞かれるケースが多々あります。

その時に「父からもらいました」と答えれば、無申告として扱われてしまいます。

結論:堂々と制度を使おう

「バレるかな、どうかな…」とビクビクして過ごすよりも、国が認めている「相続時精算課税制度」を使って、堂々と「税金0円」で申告するのが一番の解決策です。

隠す必要はありません。正しい手続きで、賢く資産を引き継ぎましょう。

関連する記事もご覧ください

贈与や相続に関連するテーマは、他の記事でも詳しく解説しています。

まとめ

  • 2,000万円をそのまま渡すと、特例を使っても約585万円もの税金がかかる
  • すぐに家を建てるなら「住宅資金贈与の特例」があるが、建てるのが先なら使えない
  • 家を建てない場合は、「相続時精算課税制度」を利用する
  • この制度を使えば、2,500万円の枠内に収まるため、今の税金は0円になる
  • 不動産購入は大きなお金が動くため、税務署に把握される可能性が高い。「制度を使って堂々と0円にする」のが正解

贈与を受けた翌年の2月1日〜3月15日の申告期間を、絶対に忘れないようにしましょう!

(免責事項:本記事は2025年時点の税制に基づいた一般的な解説です。具体的な申告にあたっては、税理士または最寄りの税務署へご相談ください)

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