ナフサショック・ホルムズ海峡:愛知県不動産市況の令和8年4月速報を読み解く

愛知県不動産市況2026年4月速報のアイキャッチ画像。速報バナー型デザインに棒グラフ・愛知県地図・矢印・家アイコンを配置

稲沢あんしん不動産の佐藤です。

2026年4月13日のホルムズ海峡封鎖から、「不動産への影響は出てるの?」という声をよく聞くようになりました。ナフサショックで建材が上がる、金利も上がる。そんな不安のなかで、愛知県の不動産市場が4月に実際どう動いたのか、気になっている方も多いと思います。

この記事では、中部レインズの令和8年4月速報をもとに、「件数・価格・在庫」の3つから今の市場の温度感を整理します。

📘 レインズ(REINS)とは?

不動産屋同士で売り物件の情報を共有するための取引データベースです。一般の方は閲覧できず、宅建免許を持つ不動産業者だけがログインできます。「中部レインズ」はそのうち中部地方版で、愛知県の取引データもここに集約されます。

※レインズの詳しい仕組みと読み方は、別記事で改めて解説する予定です。

そろそろ不動産の売却を考えている方、空き家のまま持っている土地や建物がある方、相続した実家をどうしようか迷っている方に、率直にお伝えします。

結論から言うと、稲沢市・一宮市で売却を検討中なら、動くタイミングは今です。ただし「県平均で強気の値付け」はしないこと。この2点が、4月の速報データから見えてきた答えです。

ちなみに「ナフサ」というのは聞き慣れない言葉かもしれません。石油から作られる工業材料で、住宅の配管・塗料・ユニットバスや給湯器などに使われています。これが値上がりすると新築の建築コストが直撃する。ホルムズ海峡の封鎖は、不動産市場にそういう角度から影響してくる話です。

愛知県の中古不動産(マンション・戸建・土地)の月次推移サマリーグラフ2026年4月時点

まず動画でサクッと確認したい方はこちら👇

この記事を書いた人

佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)

相続・空き家の相談対応が専門/不動産業界28年/査定実績5,000件超
公認 不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・宅地建物取引士・マンション管理士

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不動産屋風の40代男性がオフィスで月次の成約件数の棒グラフを見ているイラスト
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件数|4月に売れた数、前年比で見ると流れが変わっている

愛知県の不動産成約件数月次推移グラフ。マンション・戸建・土地。2025年4月〜2026年4月

4月の愛知県全体の成約件数は、マンション401件・戸建291件・土地204件でした。

愛知県の2026年4月成約件数グラフ。マンション401件・戸建291件・土地204件

3月と比べると全部20〜30%以上落ちています。「急に売れなくなった!」と見えますが、これは毎年の季節要因です。3月は引越し・転勤シーズンで取引が集中する月。4月はその反動で必ず落ちます。グラフを左から見ると、去年の3月→4月も同じパターンで落ちているのがわかります。

本当の市場温度を見るには、前年同月比(1年前の同じ月と比べた数字)で見るのが正確です。

60代女性が前年同月比のグラフを見て「あ、前年比で見るんだ」と気付く挿絵

マンションは前年比▼6.7%。戸建は+15%とまだ堅調。土地はほぼ横ばい(+0.5%)です。

ただ、気になるのはマンションの流れです。2025年は毎月前年比で二桁プラスが続いていました。ピークでは+34.7%の月もあった。それが2026年に入ってから変わってきています。

1月▼0.6%、2月+9.9%(ここで一度踏みとどまった)、3月▼0.9%、4月▼6.7%。マイナス幅が広がる方向に動いています。

「流れが変わってきた」というのが、件数データを見た私の率直な感想です。

なお、ホルムズ海峡の封鎖は4月13日です。4月速報はその前後を含む1ヶ月全体の数字なので、「封鎖の影響が完全に織り込まれた」データではありません。実際の影響が数字に出るのは、5月・6月以降になる可能性が高いです。

マンション・戸建・土地の3物件アイコンとそれぞれの価格表示。マンションだけ高いコントラストのイラスト

価格|マンションだけが強く、戸建・土地は弱含み

愛知県の不動産平均成約価格月次推移グラフ。マンション・戸建・土地。2025年4月〜2026年4月

件数は落ちているのに、マンションの価格は上がっています。

4月のマンション平均成約価格は2,753万円。過去14ヶ月で最高値で、前年比では+15.6%です。

60代女性が「え!?マンションだけ?」と驚く挿絵

なぜ件数が減るのに価格が上がるのか。実は、普通に住宅ローンを組む実需層が手を出しにくくなっていて、資金的に余裕のある層だけが動いているためです。「買える人だけが、高い物件を買っている」という状況です。

戸建と土地は逆です。戸建の平均は2,664万円で前年比▼5.1%。土地は2,264万円で前年比▼11.8%。建築費が上がりすぎて「土地+建物の合計額」で住宅ローンを組める人が減っていることが、数字に出ています。

マンションの価格だけ見ると市場は強く見えます。ただし、稲沢駅前のような郊外駅前マンションが、名古屋市内と同じだけ値上がりしているかというと、そうではありません。県全体の数字には名古屋市内の上昇が大きく混じっています。この点は、稲沢・一宮の話として次の章で踏み込んで触れます。

なお、昨年11月時点のマンション相場については【2025年11月最新】愛知県マンション相場|価格回復の裏に潜む危険信号とは?で詳しく解説しています。今回の4月データと見比べると、この半年の変化が分かりやすいです。

不動産屋風の40代男性が家・土地アイコンが積み上がった在庫を困った表情で見ているイラスト

在庫|戸建・土地が過去3年で最高水準、これが一番怖い

愛知県の不動産在庫件数四半期推移グラフ。戸建・土地・マンション。2023年〜2026年第1四半期

件数と価格より、私がいちばん気にしているのが在庫です。

愛知県の在庫件数を3年分の四半期で見ると、戸建5,456件・土地3,993件。どちらも過去3年で最も高い水準です。戸建はグラフの左端からずっと右肩上がりで増え続けています。

市場に、売り物件が溢れているんです。

60代女性が「そんなに余ってるの…」と心配そうにする挿絵

問題は、物が増えているのに「買い手」は増えていないことです。金利は上がる方向、建材コストも上がる方向。住宅ローンを組める人の数は、どちらかというと減っていく。物が余っているのに買い手が減る。売り手にとって有利な方向ではないですよね。

ちなみにマンションの在庫は、2025年第3四半期のピークからやや減ってきています。新築の供給が絞られて中古に動きが出ているためで、戸建・土地とは少し事情が違います。

ただ、マンションを売ろうと考えている方も油断はできません。在庫が減っていて価格が上がっているのは「名古屋市内」の話で、稲沢駅前のような郊外駅前マンションは、その流れに乗りきれていないのが実態です。詳しくは次の章で整理します。

在庫が増えるということは、売り主の選択肢として「他の物件と比べられる機会が増える」ということでもあります。値付けと見せ方が1歩ズレると、買い手はすぐ別の物件に流れていきます。

2025年秋の中部圏DI調査(売り時感の推移)については【2025年10月発表】不動産の売り時は今?最新DI調査から読み解く中部圏の市場動向で整理しています。在庫増加とDIの動きをあわせて読むと、今の市場の全体像が見えます。

60代の夫婦が不動産屋の男性に売却タイミングを相談している前向きな場面のイラスト

稲沢市・一宮市の売主が今すべき3つの判断

ここからが、稲沢市・一宮市で売却を考えている方に一番お伝えしたいところです。

ここまでのデータはすべて愛知県全体の数字です。でもこの数字には、名古屋市内の影響が大きく混じっています。

例えば、名古屋市の中古マンション平均成約価格は2026年第1四半期で3,075万円。愛知県全体の4月平均が2,753万円なので、名古屋市の強さが県平均を322万円押し上げている計算です。稲沢・一宮は、この差のぶんだけ県平均よりも下のゾーンにあります。

「愛知県全体でマンション価格が前年比+15%上がっているから、うちの物件も強気で出そう」という判断を稲沢・一宮でやると、ちょっと危険です。

①「待てば上がる」という発想を手放す

建築コストはこれから上がる可能性が高い。金利も上昇基調。買い手の数は減る方向です。在庫はすでに過去最高水準。「今より状況が好転する」という根拠が、データからは見えません。

「もう少し待てば価格が上がるかも」という判断は、少なくとも今のデータからは支持されていません。

②県平均で強気の値付けはしない

稲沢・一宮で県平均感覚の値段を付けると、他の物件と比べられた時に選ばれなくなります。売り出してから2〜3週間、反響がないまま時間が経つと「売れ残り感」が出てきます。これが一番避けたいパターンです。最初の動き出しが、売却の成否を大きく左右します。

③稲沢市内の競合・成約事例と比べて値付けする

判断材料は県平均ではなく、「稲沢市内で似た条件の物件が今いくらで売り出されているか」「最近いくらで成約したか」です。

これが見えると、買い手に選ばれる値付けができます。稲沢・一宮の郊外物件は、駐車スペースの数・土地の広さ・道路付け・名古屋方面へのアクセスといった「稲沢で買う理由」を整理して見せることも、大事な見せ方のひとつです。

私の結論は、「動くタイミングは今。ただし稲沢の実態に合わせた値付けと見せ方で動く」ということです。

60代女性が「やっぱり今動こう」と決意した穏やかな笑顔のイラスト
この記事を書いた人

佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)

相続・空き家の相談対応が専門/不動産業界28年/査定実績5,000件超
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過去の市況レポート

定点観測として、過去の愛知県市況・相場レポートもあわせてご参考ください。

よくある質問

Q: 4月の件数が減ったのはホルムズ海峡の影響ですか?

A: 全体としては「影響も一因」というのが正直なところです。ただ4月の件数減少には毎年の季節要因も大きく含まれます。前年比で見ると、マンションを中心に流れが変わってきているのは確かです。

Q: マンション価格が上がっているなら、稲沢の一戸建ても値段が上がっている?

A: そうではありません。マンション価格の上昇は名古屋市内の都心部に集中しています。愛知県の戸建て平均は前年比マイナスで、稲沢・一宮もその傾向に近いエリアです。エリアを分けて考える必要があります。

Q: 在庫が多いと、それだけ売りにくくなる?

A: 在庫が多ければ、買い手が比べられる物件の数が増えます。値付けと見せ方が適切でないと選ばれにくくなる、というのは確かです。ただ、競合より一歩先んじた売り出しができれば、まだチャンスはあります。

Q: 今売り出しをスタートするなら、まず何から始めればいい?

A: まず稲沢市内の競合物件と最近の成約事例を確認することです。そのうえで適切な価格帯を決めて、売り出しのタイミングと見せ方を整える。ご希望があれば下のフォームから無料でご相談いただけます。

稲沢市・一宮市の売却相談はこちら

「自分の物件は、今いくらで出せば売れるのか」「県平均は強気だけど、稲沢で本当にその値段で動くのか不安」。そんな方は、お気軽にご相談ください。

3つだけ最初にお伝えしておきます。

ひとつめ、ご相談は無料です。
ふたつめ、無理に売却を勧めることはしません。「もう少し様子を見たい」となっても構いません。
みっつめ、「うちの物件は実際いくらで売れそうか」という個別査定もお受けできます。稲沢市内の競合状況と成約事例も合わせてご説明します。

ここまで読んで「うちの場合はどうなんだろう」と感じた方は、
状況の整理からご相談ください。

稲沢市の不動産売却は弊社代表の佐藤が直接対応します|稲沢あんしん不動産

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