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空き家査定でここを見ます|建物が使えるか判断する5つのポイント

「親から相続した空き家、まだ使えるのかな」 「古いから、解体しないと売れないんだろうか」
空き家の売却を考え始めたとき、こんなところで足が止まる方は多いです。
私は稲沢あんしん不動産の佐藤です。査定でこれまで5,000件以上の物件を見てきましたが、空き家の現地に伺うと、いきなり金額を計算しているわけではないんですよ。
まず見ているのは、この建物が「そのまま使えるのか」「直せば使えるのか」「土地として考えた方が現実的なのか」というところ。今回は、私が現地で実際にどこを見て、建物が使えるかを判断しているのか、5つに分けてお話しします。
なぜ査定で「建物の状態」をここまで見るのか
空き家の査定は、築年数や広さだけで価格が決まるものではありません。
買う側は、購入価格そのものよりも「買ったあと、いくらかかるか」を気にします。屋根、外壁、水回り、床下。直すところが多そうだと感じれば、その分だけ価格を下げて考えますし、場合によっては手を引いてしまいます。
だから私は、傷んでいる場所を探しているのではなくて、こう見ています。現状のままで売れる状態なのか。それとも傷みが大きすぎて、買主が修理費用を理由に離れてしまうレベルなのか。
ここを先に押さえておくと、無駄な修理にお金をかけずに済んだり、逆に少し手を入れるだけで売りやすくなったり、判断の精度が上がります。空き家がそもそもなぜ売れにくいのか、という全体像は空き家が売れない理由を整理した記事でも触れています。
現地で見ている5つのポイント
ここからが本題です。私が空き家の査定で必ず確認している5つを、順番にお話しします。
1. 雨漏りの跡
1つ目は雨漏りの跡です。天井のシミ、押し入れの湿気、サッシまわりの傷み。このあたりを中心に見ます。
正直、雨漏りは原因の特定がとても難しいんですよ。屋根なのか、外壁なのか、サッシまわりなのか。跡だけ見ても、どこから入っているのかは分からないことが多いです。
空き家は人が住んでいない分、発見も遅れます。最初は小さなシミでも、放っておくと天井から柱、床まで傷みが広がることがあります。
雨漏りの跡があるから売れない、ということではありません。ただ、買う側は修理費用と再発のリスクを考えますから、価格や売り方を決める材料になります。
2. 建物の傾きや建具の開け閉め
2つ目は、建物の傾きです。
歩いてみて、なんとなく違和感がある。長くいると少し気分が悪くなる。傾きがひどいと、体感で分かることもあります。
ただ、見た目では分かりにくいので、私は建具の開け閉めも見ています。玄関の引き戸がスムーズに閉まらない。室内のドアが途中で引っかかる。窓やサッシが動きにくい。こういう症状が複数の場所で出ていると、ちょっとアンテナが立ちますね。
もちろん、単に建具が古いだけのこともあります。でも、傾きの修理は費用が高くなりやすいので、建物を残せるか土地で考えるかの判断に大きく影響します。
3. 床の沈みや床下の傷み
3つ目は床です。歩いたときに、ふわふわする感じがないか。
特に出やすいのは水回りの近くです。洗面所、浴室の入口、キッチンまわり。このあたりで床がたわむようなら、床下の腐食や湿気、場合によってはシロアリの可能性も考えます。
過去に床下まで水が入ったことのある建物だと、床組みが傷んでいることもあります。少しの沈みなら部分補修で済むこともありますが、広い範囲だと修理費用がふくらむことがあります。
4. シロアリや柱・土台の腐食
4つ目はシロアリと腐食です。
正直に言うと、床下までは現地査定では見ません。本当に確認するには専門の業者に床下を調査してもらう必要があります。
ただ、査定の段階でも気をつけて見るところはあります。柱の下のほうがボソボソに食べられていないか。木部を触って柔らかくなっていないか。昔ながらの在来浴室がある家だと、浴室まわりの土台が傷んでいることもよくあります。
シロアリの跡があると、まず調査して、それから直し方を決める流れになるので、費用がかかります。ここが見つかると、建物を残すのか、土地として売る方向で考えるのか、判断が変わってきます。
5. 水回り・におい・室内の管理状態
5つ目は、水回りと、においや室内の管理状態です。
キッチン、浴室、トイレ、洗面台。長く使っていないと、設備や配管に不具合が出ていることがあります。特に給湯器ですね。何年も使っていないとなると、そのまま使えるのか交換が必要なのか、これは気になります。
においも見ます。長く水を流していないと、排水トラップの水がなくなって下水のにおいが上がることがあって、これは水を流せば直ることも多いです。ただ、配管の不具合やカビが原因のこともあるので、「空き家だから仕方ない」と決めつけずに原因を確かめます。
ちなみに、よくいただく質問でこんなものがあります。「家具や荷物が残っていても査定できますか」。査定の段階なら、荷物が残っていても大丈夫ですよ。家具も布団も仏壇も、残っていることはよくあります。最後の引き渡しのときは片付いた状態にしていただきますが、まず見てもらうだけなら気にされなくて大丈夫です。
直してから売る、が正解とは限らない
ここまで5つのポイントをお話ししましたが、大事なことを一つ。
私は、空き家や中古住宅は基本的に「現状のままで売れるかどうか」をまず見ます。クリーニングや軽い補修で売りやすくなるならご提案することもありますが、大きくお金をかけて直してから売るのは、基本的にはおすすめしていません。
直しても、それ以上の価格で売れなければ、出ていくお金が増えるだけになってしまうからです。
築年数だけは、どうやっても戻せません。10年以内に屋根や外壁を補修しているお家なら、建物を残して売る方向で考えやすい。逆に長く大きな補修をしていないお家だと、買主が「直すところが多そうだ」と感じて、価格が下がったり買い手がつきにくくなったりします。
傷みが大きすぎる場合は、たとえば30坪前後のお家なら、大きな修繕費をかけて残すより、解体して更地にした方が現実的なケースもあります。古いからすぐ解体、という話ではありません。建物の状態、土地の場所、修理費用、解体費用を総合的に見て判断します。
選択肢を整理すると、現状のまま売る、軽い手入れで売る、古家付き土地として売る、解体して更地で売る。この4つを比べておくと、結果的にどれが手取りとして多く残るのかが見えてきます。地域の市場の動きも、愛知県西部では中古戸建てより土地の方が動きやすい傾向があり、ここも合わせて方針を決めています。
よくある質問
Q. 荷物が残ったままでも査定してもらえますか? 査定の段階なら問題ありません。家具や仏壇、物置の荷物が残っているのはよくあることです。ただ、買主への引き渡し時には片付いた状態が原則で、残置物が多い場合は処分費用が売却条件に影響することがあります。
Q. 雨漏りやシロアリの跡があると、もう売れませんか? 跡があるから売れない、ということではありません。買主が修理費用を見込んで価格を考える、というのが実際のところです。状態に応じて、現状のまま売るのか、古家付き土地として売るのかを一緒に検討します。
Q. 古い空き家は、解体してから売った方がいいですか? 一概には言えません。解体費用をかけても更地の方が売りやすい立地もあれば、古家付き土地のまま売れるケースもあります。建物の状態と土地の場所、両方を見て比べるのがおすすめです。
Q. 査定では建物だけを見るのですか? 建物の状態を見たうえで、道路との関係、再建築できるか、土地の形、境界、周辺の売却事例なども確認します。建物が使えるかを起点に、土地の価値や地域の需要まで合わせて判断する流れです。
まとめ
空き家の査定では、建物が古いかどうかだけを見ているわけではありません。雨漏りの跡、傾きや建具、床の沈み、シロアリや腐食、水回りや管理状態。この5つから、建物が使えるかを見極めています。
そのうえで、建物を残して売るのか、古家付き土地として売るのか、解体を検討するのか。比べてみることで、どれが手取りとして多く残るのかが見えてきます。
稲沢市周辺で空き家の売却を考えていて、まず状態を見てほしいという方は、相続・空き家の相談窓口からでもお気軽にご相談ください。現地を確認したうえで、それぞれのケースで手取りがどう変わるのかも含めて、売却方針をご提案します。


