愛知県の土地売却は今が追い風?売り出しと成約の差58万円が示す市況

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佐藤高樹

執筆者:佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/業界28年・査定実績5,000件超
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「相続した土地、いつ売ればいいんだろう」「今は高く売れる時期なのか、それとももう遅いのか」。愛知県西部でこういうご相談を受ける機会が、このところ増えています。

実は今、愛知県の不動産は種類によって動きがバラバラなんですよ。マンションも中古戸建ても勢いを失ってきている一方で、土地だけは別の空気が流れています。

この記事では、実際に売れた価格の公的データをもとに、愛知県の土地市況が今どうなっているのか、そして売る側・買う側がどう動けばいいのかを正直にお伝えします。数字はすべて中部レインズの2025年10〜12月期のものです。

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愛知県の土地は今、価格も件数も上がっている

愛知県の土地市況(在庫と取引価格の傾向)を示す図解

結論から言いますね。マンション・戸建て・土地の3つの中で、価格も成約件数も上がっているのは土地だけです。

成約価格は前年比でプラス3.5%。成約件数はプラス30.3%で、12期連続の増加でした。期というのは3か月ごとの区切りなので、12期だと丸3年。3年間ずっと売れ続けている計算になります。

下がる話が続いていた不動産の中で、土地だけは空気が違うんですよ。

ただ、手放しで喜べる話ばかりではありません。現場で仕事をしていると、少し気になるデータも出てきています。その兆しまで含めて、後半でお話しします。

そもそも、この数字はどこから来ているのか

今回使っているのは中部レインズの数字です。正式名称は公益社団法人 中部圏不動産流通機構で、国土交通大臣から指定を受けた不動産情報のネットワークなんですよ。

ここが大事なところで、SUUMOやアットホームに載っている価格は、売り手が「この金額で売りたい」とつけた希望価格です。一方でレインズに集まるのは、実際にいくらで売買が成立したかという事実の取引データ。

希望価格と成約価格は、別物として見たほうがいいんですね。この記事では事実のデータのほうで話を進めます。

売り出し価格と成約価格の差が、たった58万円

土地の追い風ぶりが一番わかりやすく出ているのが、売り出し価格と成約価格の差です。

愛知県の土地の売り出し価格は2,333万円で、前年比プラス2.5%。2期連続で上がっていて、売り手が強気の値付けをできるようになってきました。

そして実際に成約した価格は2,275万円。前年比プラス3.5%で、2期ぶりの上昇です。

注目してほしいのは、この2つの差。売り出し2,333万円に対して成約2,275万円なので、差はたった58万円なんですよ。値引き交渉がほとんど起きずに、ほぼ希望どおりの金額で売れているということです。

他の種類と比べると、土地の有利さが際立つ

この58万円という差、他と並べてみると土地の状況がよくわかります。

| 種類 | 売り出しと成約の差 | 成約価格(前年比) | |—|—|—| | マンション | 86万円 | -0.4% | | 中古戸建て | 607万円 | -8.2% | | 土地 | 58万円 | +3.5% |

中古戸建ては差が607万円も開いていて、売り出した価格からかなり値引きしないと成約に至っていません。マンションも価格が上がる力をほぼ失っています。

土地だけが、強気の値付けでもそのまま売れている。売り手にとってかなり有利な状態が続いているんですね。

「在庫」と「件数」も土地に追い風

価格だけでなく、もう2つ、土地の強さを裏づけるデータがあります。

ひとつは在庫価格です。在庫というのは、今市場に出ているけれどまだ買い手がついていない売れ残りの物件のこと。その平均価格が2,210万円で、前年比プラス2.8%でした。

マンションや中古戸建てでは在庫価格が下がっているのに、土地は売れ残りの値段まで上がっている。成約価格・売り出し価格・在庫価格の3つがそろって上がっているのは、土地だけの特徴です。

もうひとつ、今回いちばん大きいと感じたのが在庫件数です。現在1万1,756件で、前年比マイナス0.2%。わずかですが、在庫が減りました。

これが14期ぶりの減少なんですよ。14期は3年半。3年半ずっと積み上がっていた土地の在庫が、初めて減りに転じたんです。

マンションの在庫は16期連続で増加中、中古戸建ても15期連続で増加中という中で、土地だけが在庫を減らした。しかも新しく売りに出される件数も前年比マイナス1.7%。売りに出る土地が減って、買い手は増えている。需給が締まってきた、教科書どおりの売り手市場の形です。

ただ、手放しでは喜べない「兆し」もある

ここまで好調なデータばかり並べてきましたが、長くこの業界にいる人間として、正直に気になっていることも2つお伝えします。

ひとつめは、直近の売り出し価格の動きです。前年比ではプラス2.5%なのに、直前の3か月と比べた前期比で見るとマイナス4.7%。長い目では上がっているのに、足元では少し価格を抑えて市場に出す動きが出てきました。売り手の側にも、慎重さがにじみ始めた兆しかもしれません。

ふたつめは金利です。住宅ローンの金利が上がってきていて、金利が上がると買い手が借りられる金額は減ります。土地を買って家を建てる方にとっては、土地代だけでなく建物・外構・諸費用を含めた総額の負担が重くなる。

今は需要が強い。でも買い手の体力には限界があります。この追い風がいつまでも続くとは限らない、というのが現場での実感です。金利と住宅ローンの行方については日銀の利上げが住宅ローンに与える影響をまとめた解説もあわせてご覧ください。

今、売る人・買う人はどう動けばいいか

データを踏まえて、立場ごとに整理しておきますね。

土地を売ろうと考えている方は、今がまさに追い風です。価格は上がり、在庫は減り、買い手の需要はまだ強い。売り出し価格と成約価格の差が58万円という、ほぼ希望どおりに売れる状況はそう長く続くとは限りません。風向きが変わる前に動くことを考えてよい時期だと思っています。

土地を買って家を建てたい方は、積極的に探して大丈夫です。ただし「土地が安いから」で予算を判断するのは危ないんですよ。土地代は全体のごく一部で、その下に建物・外構・諸費用、そして金利上昇分の余裕が隠れています。総額でいくらの住宅ローンになり、10年後・20年後も無理なく返せるか。そこから逆算して土地を探してください。

なお、相続した土地の場合は、誰の名義になっているか、相続登記が済んでいるかで売り方も段取りも変わってきます。売る前の準備については相続した不動産を売るときの進め方も参考になるはずです。

よくある質問

Q. 愛知県の土地は、本当に今が売り時なんですか? A. 2025年10〜12月期のレインズのデータでは、成約価格が前年比プラス3.5%、在庫が14期ぶりに減少と、売り手に有利な数字が並んでいます。ただし足元では売り出し価格に弱含みの兆しもあり、金利上昇で買い手の予算には限りが出てきます。今の状況が続く前提では考えないほうがよい、というのが正直なところです。

Q. ネットの相場と、実際に売れる金額はどう違うんですか? A. SUUMOやアットホームの価格は売り手の希望価格です。実際にいくらで成約したかは中部レインズの取引データのほうが近くなります。当社の査定も、このレインズの成約データを根拠にお出ししています。

Q. 相続した土地でも、今の市況で売れますか? A. 土地そのものの需給は締まっているので、条件が整っていれば売りやすい時期です。ただ相続の場合は名義や登記の状態を先に確認したほうがスムーズに進みます。

Q. 査定だけお願いしても大丈夫ですか? A. もちろん、まず今の価値を知りたいからでも大歓迎です。売る・売らないを決めるのはそのあとで構いません。

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土地の売却でお悩みの方は、お問い合わせフォームから査定をご依頼いただけます。中部レインズの成約データに基づいた、根拠のある金額をお出しします。まずは今の価値を知りたいからでも、お気軽にどうぞ。

ここまで読んで「うちの場合はどうなんだろう」と感じた方は、
状況の整理からご相談ください。

稲沢の不動産売却は、代表の佐藤が直接対応します|稲沢あんしん不動産 記事下バナー

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