【2026年7月】愛知県の不動産相場、いま売れているのか?東京のタワマン下落と「逆」に動いています

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こんにちは、稲沢あんしん不動産の佐藤です。

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東京のタワーマンションが、1年で1,200万円下がりました

2026年8月21日、日本経済新聞に「都心中古タワマン平均価格、2カ月連続で下落 7月民間調査」という記事が出ました。

不動産調査会社のマーキュリーによると、東京23区の中古タワーマンションの平均価格は1億9,122万円です。前年同月比で5.9%安、金額にして約1,198万円の下落でした。しかも下落は2カ月連続です。

日本経済新聞2026年8月21日の記事「都心中古タワマン平均価格、2カ月連続で下落 7月民間調査」のスクリーンショット
出典:日本経済新聞 2026年8月21日「都心中古タワマン平均価格、2カ月連続で下落 7月民間調査」(調査:株式会社マーキュリー)
調査条件・出典

調査対象は「築20年以内・20階建て以上」の中古タワーマンションで、価格は70㎡に換算して比較したものです。東京のマンション全体ではなく、いわゆるタワマンに限った数字である点にご注意ください。
出典:日本経済新聞 2026年8月21日/調査:株式会社マーキュリー

1,198万円という下落幅は、ピンと来ないかもしれません。ですが、このあと出てくる愛知県で中古マンションが1戸売れる平均価格が2,459万円(2026年7月)です。

つまり東京のタワマンは、1年で下がった金額だけで、こちらのマンションが半分買えてしまう計算になります。

東京の変調は、この記事だけの話ではありません。

東日本レインズの2026年7月速報でも、首都圏の中古マンションは1坪(約3.3㎡)あたりの成約価格が277.76万円で前年同月比1.5%減、3カ月連続の下落でした。

売れた数(成約件数)は3,638件で8.6%減と4カ月連続の減少、売れ残っている数(在庫件数)は47,151件で5.5%増と5カ月連続で増えています。5月に㎡あたりの成約価格が73カ月ぶり(約6年ぶり)に前年割れしたのが起点でした。

では、愛知県はどうなのか。「東京が下がったなら、こっちも下がるのでは」と思われた方が多いはずです。

実は、その勘は当たっている部分があります。愛知県の中古マンションの1戸あたり平均成約価格は、5月2,672万円→6月2,573万円→7月2,459万円と、東京と同じく2カ月連続で下がっています。

これは、年間の平均だけを見ていたら気づけない動きです。毎月の速報を追っているからこそ見えてきます。

ただし、1年前の同じ月と比べると、愛知県のマンションはまだプラス圏です。直近の勢いは東京と同じ向きでも、年間で見ると評価はまだ分かれています。ここから先、順番に見ていきます。

この記事でわかること

2026年7月の愛知県の不動産市場について、レインズ(不動産業者だけが見られる成約データベース)の月例速報をもとに、次の3つに答えます。

いま愛知県の不動産は売れているのか。いくらで売れているのか。そして、売主にとって何が問題なのか。

統計の知識がなくても読めるように書いています。数字の出どころはすべて公益社団法人 中部圏不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ」2026年7月度です。

質問1:いま、愛知県の不動産は売れているのか

答えは、売れています。しかも去年より増えています。

まず2026年7月の1カ月間の数字から見ます。

種別2026年7月前月(6月)前年同月(2025年7月)
土地(100〜200㎡)209件243件238件
中古戸建312件317件284件
中古マンション404件477件414件
2026年7月の愛知県の成約件数は土地209件、中古戸建312件、中古マンション404件

7月単月だけを見ると、3種別とも前月を下回っています。これだけ見れば「売れなくなった」と感じるかもしれません。

ですが、1カ月の数字で判断してはいけません。 不動産の成約件数は季節で大きく振れます。

実際、過去3年の6月→7月の動きを見ると、中古マンションは2024年が37件減、2025年が72件減、2026年が73件減と、毎年7月に落ちています。中古戸建も同様の傾向です。夏は動きが鈍る、というだけの話です。

そこで、今年に入ってからの累計で見ます。

種別2026年1〜7月2025年1〜7月増減
土地1,615件1,551件+64件(+4.1%)
中古戸建2,120件2,023件+97件(+4.8%)
中古マンション3,079件3,030件+49件(+1.6%)

3種別すべて、去年より売れています。

さらに直近12カ月(2025年8月〜2026年7月)で見ると、伸びはもっとはっきりします。

種別直近1年その前の1年増減率
土地2,810件2,402件+17.0%
中古戸建3,674件3,119件+17.8%
中古マンション5,272件4,752件+10.9%
愛知県の成約件数は直近1年で土地17.0%増、中古戸建17.8%増、中古マンション10.9%増
代表 佐藤

「不動産が売れなくなった」という話をよく聞きますが、少なくとも愛知県の数字を見る限り、買う人はちゃんといます。ここは安心していただいていい部分です。

質問2:いくらで売れているのか

ここで、種別によって答えが分かれます。

価格も1カ月では振れるため、直近12カ月の平均で比較します。

種別直近1年その前の1年増減
土地2,246万円2,289万円−42万円
中古戸建2,720万円2,798万円−78万円
中古マンション2,576万円2,456万円+120万円
種別直近1年その前の1年増減率
土地14.75万円/㎡15.07万円/㎡−2.1%
中古マンション34.85万円/㎡33.09万円/㎡+5.3%
愛知県の成約価格は土地と中古戸建が下落、中古マンションのみ120万円上昇

土地と中古戸建ては、じわじわと下がっています。派手な下落ではありませんが、1年前の水準は割っています。

ただ、中古マンションだけは上がっています。 1戸あたりで120万円、面積あたりでも5.3%のプラスです。2026年7月単月で見ても、成約㎡単価は33.23万円で前年同月(31.83万円)比プラス4.4%でした。

冒頭の東京の話を思い出してください。東京のタワマンは前年比マイナス5.9%。年間の平均で見れば、愛知県のマンションは逆にプラスです。ただし先ほど触れたとおり、直近2カ月の動きだけを見れば、実は東京と同じ向きに下がっています。

在庫(売れ残り)でも同じことが起きています。首都圏の中古マンション在庫は5カ月連続で増加していますが、愛知県の中古マンション在庫は2026年7月時点で6,137件です。1年前の6,196件を下回っており、ピークだった2025年8月の6,291件からも減っています。

ただし、マンションも勢いは鈍っています

ここは正直にお伝えしておきます。

愛知県の中古マンションの成約㎡単価を月ごとに追うと、2026年4月の37.34万円、5月の37.08万円が、2023年1月以降でもっとも高い水準でした。

そこから6月35.00万円、7月33.23万円と、2カ月連続で下がっています。1戸あたりの平均価格でも、6月2,573万円→7月2,459万円と同じ向きです。

愛知県中古マンションの成約・新規登録・在庫価格の推移を示す折れ線グラフ(2023年1月〜2026年7月)
グラフの見方:赤い線=実際に売れた値段/緑=売り出しの値段/青=売れ残りの値段(期間:2023年1月〜2026年7月・月ごと)

先ほどお伝えしたとおり、年間平均や前年同月比では確かにプラスですが、直近の勢いは明らかに落ちています。これが一時的な振れなのか、東京と同じような調整の入り口なのかは、8月・9月の数字を見ないと判断できません。

この記事の時点で「愛知のマンションはまだまだ上がる」と言い切ることはできない、というのが正確な状況です。

質問3:では、売主にとって何が問題なのか

問題は在庫、つまり売れ残りの多さです。

種別2026年7月前年同月状況
土地4,073件4,018件2023年1月以降で最多
中古戸建5,581件5,173件2023年1月以降で最多
中古マンション6,137件6,196件前年より減少
愛知県の在庫件数は土地4,073件、中古戸建5,581件でいずれも2023年1月以降で最多

土地と中古戸建ては、この3年半でもっとも多い水準です。中古戸建ては1年で408件も増えました。

注意

「在庫が過去最多」は事実ですが、これだけを見て「市場が悪い」と判断するのは早計です。売れる数も同時に増えているためです。

なぜ売れているのに在庫が増えるのか

理由はシンプルで、売りに出す人のほうが、もっと増えているからです。

種別売れた数新しく売りに出た数倍率
土地209件967件約4.6倍
中古戸建312件1,235件約4.0倍
中古マンション404件1,562件約3.9倍
2026年7月の愛知県は成約に対し新規登録が土地4.6倍、中古戸建4.0倍、中古マンション3.9倍

直近1年で均しても、土地は成約2,810件に対して新規登録10,338件(約3.7倍)、中古戸建は成約3,674件に対して新規13,625件(約3.7倍)、中古マンションは成約5,272件に対して新規18,428件(約3.5倍)です。

スーパーの棚で考えるとわかりやすいと思います。お客さんは去年より増えました。ですが、棚に並ぶ商品はそれ以上に増えた。隣に似たような品が並べば、お客さんは条件のいいほうから手に取ります。いま起きているのは、これです。

実は「詰まって」はいない

もう一歩踏み込みます。在庫が何カ月分にあたるかを計算すると、見え方が変わります。

在庫件数を月平均の成約件数で割った「在庫月数」は、いま売りに出ている物件がすべてさばけるまでの目安です。

種別2026年7月時点1年前
土地17.4カ月20.1カ月
中古戸建18.2カ月19.9カ月
中古マンション14.0カ月15.6カ月
愛知県の在庫月数は土地17.4か月、中古戸建18.2か月、中古マンションで14.0か月と1年前より短縮

3種別とも、1年前より短くなっています。 在庫件数は過去最多でも、回転はむしろ良くなっている。「売れない市場」ではないことが、ここからも確認できます。

本当の問題は「値段が合っていない」こと

実は、売り出し価格と成約価格の差を見ると、答えが出ます。

種別新規登録の平均価格成約の平均価格差
土地2,370万円2,245万円125万円
中古戸建3,371万円2,773万円598万円
中古マンション2,572万円2,459万円113万円

中古戸建で、約600万円の開きがあります。しかもこの差は広がっています。

種別直近1年その前の1年
土地6.6%3.5%
中古戸建20.8%16.4%
中古マンション1.9%1.7%
2026年7月の愛知県の中古戸建は売り出し平均3,371万円と成約平均2,773万円で約598万円の差

土地と中古戸建で、乖離が明確に拡大しています。マンションはほぼ変わりません。

注意

新規登録された物件と成約した物件は同じ物件ではないため、この差がそのまま「値下げ幅」を意味するわけではありません。ただし、売り出されている価格帯と、実際に買われている価格帯がずれてきていることは読み取れます。

つまり、在庫が積み上がっている正体は「買い手がいない」ことではなく、強気の価格で出した物件が、そのまま残り続けていることです。

土地と中古戸建で在庫が過去最多になり、乖離率も広がっているのは、同じ現象の裏表だと考えられます。

実は、この「新しく売りに出る数が多い」という状況は、空き家や実家をどう売るか迷っている方にも関係があります。空き家・実家の売り方の手順はこちらにまとめました。

ここまでの数字は「愛知県全体」の話です

ここからはデータではなく、私が毎日この地域を見ている実感です。

先ほど「中古マンションは強い」と書きました。ですが、稲沢のマンションは、そうなっていません。 正直なところ動きは弱く、売れ残っている物件が目につきます。

理由ははっきりしています。愛知県は広いからです。名古屋市も、豊田市も、稲沢市も、一宮市も全部足して割った数字が「愛知県の平均」です。マンションの単価を押し上げているのは、おそらく名古屋市中心部でしょう。

民間調査(マーキュリー Realnet)でも、名古屋市の中古マンション平均価格は2026年4〜6月に前期比プラス6.4%と、主要エリアで最大の伸びを記録しています。同じ時期、東京23区はマイナス2.9%でした。

愛知県の平均は名古屋市に影響され、東京23区でも渋谷区3億340万円と葛飾区8,247万円で差がある

同じことは東京にも言えます。冒頭のタワマン調査でも、23区内でもっとも高い渋谷区は3億340万円、もっとも低い葛飾区は8,247万円。前年比で上がった区が13、下がった区が8と、23区の中でも動きが割れています。

「東京は下がった」「愛知は上がった」。どちらも、個別の家1軒1軒の話ではありません。平均はあくまで平均です。

なお、これまでの月次速報シリーズは前回・2026年6月速報の記事でまとめて読めます。

続く2026年8月速報では、成約件数と売り物の量を3か月単位で比較しています。2026年8月速報はこちらをご覧ください。

中古マンションだけが上がっている今の状況は、マンション売却をお考えの方向けのページでも詳しく解説しています。

まとめ:いま売却を考えている方へ

2026年7月時点の愛知県は、次のような状況です。

売れる数は増えています。直近1年で土地はプラス17.0%、中古戸建はプラス17.8%、中古マンションはプラス10.9%。買う人はいます。

値段は、土地と中古戸建がじわじわ下がり、中古マンションだけが上がっています。ただしマンションも4〜5月をピークに、直近2カ月は下げています。

そして売れ残りは、土地と中古戸建でこの3年半の最多です。

一言でまとめるなら、「売れます。ただし、選ばれないと残ります」。

売り出せば、その家もこの数字の中の1軒として比較されます。だからこそ、最初に付ける価格が結果のほとんどを決めます。

「高めに出して、様子を見て、売れなかったら下げればいい」。正直、これがいま、もっとも損をしやすい売り方です。長く残った物件は「何か理由があるのでは」と見られ、結果的に当初より安く売ることになりがちです。

売り出す前に、いつまでに動かなかったら価格を見直すのか、その基準を決めておくこと。これだけで結果が変わります。

代表 佐藤

ちなみに、この記事の数字はすべて愛知県全体のものです。稲沢市・一宮市など個別エリアの数字は毎週私が自分で集計していますが、レインズのデータはネット上に公開することが業界のルールで禁止されています。ご相談いただいた方には、査定の根拠として直接お見せしています。

出典

  • 公益社団法人 中部圏不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ」2026年7月度(愛知県/土地は100〜200㎡)
  • 公益社団法人 東日本不動産流通機構「首都圏不動産流通市場の動向」2026年7月度
  • 日本経済新聞「都心中古タワマン平均価格、2カ月連続で下落 7月民間調査」2026年8月21日(調査:株式会社マーキュリー)
  • 株式会社マーキュリー「月例中古タワーマンション動向」2026年7月実績、「中古マンション価格動向」2026年4〜6月

もう少し詳しいデータを見る

土地・中古戸建の成約件数と在庫の推移をグラフでまとめました。

愛知県土地(100〜200平米)の成約・新規登録件数と在庫の推移を示す棒グラフと折れ線グラフ
愛知県中古戸建の成約・新規登録件数と在庫の推移を示す棒グラフと折れ線グラフ
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