【2026年8月時点】愛知県の不動産は前の3か月より売りにくくなった?成約件数と在庫を比較

愛知県の不動産は、前の3か月と比べて売りやすくなったのか。それとも少し慎重に考えたほうがよいのか。
今回は中部レインズの愛知県データをもとに、2026年6〜8月と、その前の2026年3〜5月を比べました。
先に結論を言うと、中古マンション・中古戸建て・土地のすべてで、実際に売買がまとまった件数は減り、売りに出ている物件の量は成約ペースに対して増えました。
売れない市場になったわけではありません。ただ、売り出す時は、価格と条件を丁寧に整える場面が増えています。特に土地は、成約件数の減少と在庫月数の伸びが目立ちました。
この記事の数字は愛知県全体の集計です。稲沢市など個別の地域の相場や、個別物件の査定価格を示すものではありません。
前月までの数字とのつながりを確認したい方は、2026年7月時点の愛知県市況の解説もあわせてご覧ください。
結論|3種類とも、前の3か月より慎重さが増した


| 種別 | 成約件数 | 在庫月数 | 今回の見方 | |—|—:|—:|—| | 中古マンション | 1,383件 → 1,266件(-8.5%) | 13.2か月 → 14.6か月 | やや慎重 | | 中古戸建て | 968件 → 931件(-3.8%) | 16.8か月 → 17.9か月 | やや慎重 | | 土地(100〜200㎡) | 723件 → 622件(-14.0%) | 16.4か月 → 19.6か月 | 慎重さが強まった |
実際に売れた件数が減り、売り物が成約ペースに対して増えると、買主さんは比較できる物件が増えます。
売主側から見ると、同じような物件の中で選ばれるための価格や条件を、今までより細かく見ていく必要がある状態です。
今回は土地の変化がいちばん大きく出ました。単価は少し上がっていますが、それだけで売りやすくなったとは言えません。後ほど土地のところで詳しく見ます。
なぜ、価格より先に「売れた件数」と「売り物の量」を見るのか

不動産の平均価格は、その時期にどんな物件が売れたかでも動きます。築浅の戸建てや広い土地が多く売れれば、相場全体が変わっていなくても平均は上がります。
そこで先に見るのが、成約件数と在庫月数です。成約件数は、実際に売買がまとまった数です。
在庫月数は、売りに出ているもののまだ売れていない物件が、最近の成約ペースの何か月分あるかを見る目安です。数字が大きいほど、買主さんが比べる物件は多くなります。
ただし、在庫月数は個別の家や土地が売れるまでの期間ではありません。物件の場所、状態、価格、売り方で結果は大きく変わります。
マンション・戸建て・土地で見えた違い


中古マンション|同じマンション内の競合を確認する

中古マンションは、成約件数が1,383件から1,266件へ8.5%減りました。在庫月数も13.2か月から14.6か月へ延びています。
前の3か月より、買主さんが売り出し中の物件を比べやすくなった状態です。同じマンション内で何戸売りに出ているか、同じ間取りや近い広さがいくらで出ているかを、先に確認したいところです。
階数、方角、眺望、室内の状態に加え、管理費や修繕積立金、大規模修繕の予定も比較されます。
中古戸建て|平均価格より建物と敷地の条件を見る
中古戸建ての成約件数は968件から931件へ3.8%減りました。在庫月数も16.8か月から17.9か月へ延びています。
平均成約価格は2,704万円から2,789万円へ上がりました。ただ、成約件数と在庫月数の動きまで見ると、「戸建て相場が上がった」と決めるのは早いです。
築年数が浅い物件、土地や建物が広い物件が多く売れれば、平均価格は上がります。築年、建物の状態、駐車台数、接道、土地の形など、近い条件の戸建てと比べて売り方を決める必要があります。
土地|単価より、売れるペースの変化を見る
土地は、成約件数が723件から622件へ14.0%減りました。在庫月数は16.4か月から19.6か月へ、3種類の中で最も大きく延びています。
成約㎡単価は14.75万円から14.94万円へ1.3%上がりました。坪単価に直すと約48.8万円から約49.4万円です。
単価だけを見ると横ばいから少し上向きです。ただ、売れるペースに対して売り物が増えています。今回の土地は、価格だけで判断せず、周辺で売りに出ている土地の数と条件まで見る必要がありそうです。
間口や形状、接している道路の幅、建物を建てやすいか、高低差、古家の解体費、境界や測量の状況まで、買主さんは総合して比べます。
土地だけの見方をもう少し詳しく知りたい場合は、愛知県の土地市況を読むポイントも参考になります。
価格の数字は、どう受け取ればよいか


今回の価格指標は、マンションが成約㎡単価36.59万円から34.11万円へ下がり、戸建ての平均成約価格は2,704万円から2,789万円へ上がり、土地の成約㎡単価は14.75万円から14.94万円へ上がりました。
マンションの坪単価は約121.0万円から約112.8万円です。これは愛知県内のすべてのマンションが同じ割合で下がった、という意味ではありません。
平均値は、売れた物件の広さ、築年数、場所などで動きます。今回のように、戸建てや土地では価格指標が上がっていても、成約件数は減り、在庫月数は延びています。
だからこそ、平均価格だけで売り時を決めず、近い条件の競合と比べることが大切です。
金利上昇は、これから確認する材料
日本銀行は2026年6月に政策金利を1.0%程度へ、9月には1.25%程度へ引き上げました。
今回比較した市況データは8月までです。9月の利上げを、今回の成約件数の減少の原因にすることはできません。
ただ、住宅ローン金利や、買主さんが借りられる金額にどう影響するかは、これから見ていく材料になります。次の3か月でも、件数と在庫の動きを続けて確認します。
売却を考える時に、今確認したいこと

今回の数字だけで「今すぐ売るべき」とは言えません。待てば自動的に有利になるとも言い切れません。
売り出す前に見たいのは、査定額の高さだけではなく、同じ地域・同じ価格帯の物件と比べた時に、問い合わせが入り、候補に残れる条件です。
| 種別 | 最初に確認すること | 売り方に反映すること | |—|—|—| | マンション | 同じマンション内の売出し、近い間取り・広さ | 価格、室内状態、管理面の伝え方 | | 戸建て | 築年、建物状態、駐車・接道・敷地条件 | 修繕するか、そのまま売るか | | 土地 | 周辺の売地、接道、形状、造成・解体・測量 | 買主さんが負担する費用や条件の整理 |
まとめ|値下げより先に、比較に残れる条件を考える
2026年6〜8月の愛知県市場は、前の3か月と比べて、マンション・戸建て・土地のすべてで成約件数が減り、在庫月数が延びました。
売れない市場になったわけではありませんが、売主側は価格と条件を丁寧に整える場面です。特に土地は、売れるペースの変化をよく見ておきたいところです。
大切なのは、いきなり値下げを考えることではありません。同じ地域・同じ価格帯で、どんな物件と比べられるのかを確かめ、問い合わせが入りやすい条件を整理することです。
個別の売り出し価格は、場所、状態、管理状況、接道条件などを確認して決めます。愛知県全体の傾向は、売り方を考える最初の材料として見ていただければと思います。
よくある質問
在庫月数が17か月なら、売却にも17か月かかりますか?
いいえ。在庫月数は愛知県全体の売り物の量と成約ペースから出す目安です。個別の売却期間は、場所や価格、物件の状態、競合によって変わります。
平均価格が上がっている戸建てや土地は、売りやすくなっていますか?
一概には言えません。今回のように成約件数が減り、在庫月数が延びている場合は、売れた物件の構成で平均価格が上がった可能性もあります。近い条件の物件を比べて判断します。
愛知県全体の数字は、稲沢市の売却にも使えますか?
大きな流れを見る材料にはなります。ただ、実際の価格や売り方は、稲沢市内でも場所や物件の条件で変わります。売り出す時は周辺の競合も確認します。
出典・確認日
- 中部圏不動産流通機構「月例速報 Market Watch 2026年8月度」愛知県集計
- 日本銀行「金融市場調節方針の変更について」(2026年6月16日、2026年9月18日)
- 数字の比較期間:2026年3〜5月と2026年6〜8月

