【2026年8月時点】愛知県の不動産は前の3か月より売りにくくなった?成約件数と在庫を比較

愛知県の2026年8月不動産市況速報のブログアイキャッチイラスト
佐藤高樹

執筆者:佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/業界29年・査定実績5,000件超
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愛知県の不動産は、前の3か月と比べて売りやすくなったのか。

それとも少し慎重に考えたほうがよいのか。

今回は中部レインズの愛知県データをもとに、2026年6〜8月と、その前の2026年3〜5月を比べました。

先に結論を言うと、中古マンション・中古戸建て・土地のすべてで、実際に売買がまとまった件数は減り、売りに出ている物件の量は成約ペースに対して増えました。

売れない市場になったわけではありません。

ただ、売り出す時は、価格と条件を丁寧に整える場面が増えています。

特に土地は、成約件数の減少と、売り切るまでの目安が長くなったことが目立ちました。

この記事の数字は愛知県全体の集計です。

稲沢市など個別の地域の相場や、個別物件の査定価格を示すものではありません。

前月までの数字とのつながりを確認したい方は、2026年7月時点の愛知県市況の解説もあわせてご覧ください。

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結論|3種類とも、前の3か月より慎重さが増した

2026年6~8月の愛知県不動産市況の結論。マンション・戸建て・土地で成約件数が減り、売り切るまでの目安が長くなった
愛知県の中古マンション・中古戸建て・土地の成約件数推移(2026年8月時点)
成約件数の月次推移(愛知県、2026年8月時点)
種別成約件数売り切るまでの目安今回の見方
中古マンション1,383件 → 1,266件(-8.5%)13.2か月 → 14.6か月やや慎重
中古戸建て968件 → 931件(-3.8%)16.8か月 → 17.9か月やや慎重
土地(100〜200㎡)723件 → 622件(-14.0%)16.4か月 → 19.6か月慎重さが強まった
愛知県のマンション・戸建て・土地の成約件数を、2026年3~5月と6~8月で比較した図

実際に売れた件数が減り、売り物が成約ペースに対して増えると、買主さんは比較できる物件が増えます。

売主側から見ると、同じような物件の中で選ばれるための価格や条件を、今までより細かく見ていく必要がある状態です。

今回は土地の変化がいちばん大きく出ました。

単価は少し上がっていますが、それだけで売りやすくなったとは言えません。

後ほど土地のところで詳しく見ます。

なぜ、価格より先に「売れた件数」と「売り物の量」を見るのか

成約件数と売り切るまでの目安で、愛知県の売りやすさを考える仕組み

不動産の平均価格は、その時期にどんな物件が売れたかでも動きます。

築浅の戸建てが多く売れた時期や、駅に近い・人気のある地域の土地が多く売れた時期は、相場全体が変わっていなくても平均価格や単価は上がります。

そこで先に見るのが、実際に売れた件数と、売り切るまでの目安です。

成約件数は、実際に売買がまとまった数です。

この目安(在庫月数)は、3か月間の在庫件数の合計を3か月間の成約件数の合計で割り、今の売れ方が続いた場合に売り物をすべて売り切るまで何か月分あるかを見る数字です。

数字が大きいほど、買主さんが比べる物件は多くなります。

愛知県の中古マンション・戸建て・土地の売り切るまでの目安を、2026年3~5月と6~8月で比較した図

ただし、この目安は個別の家や土地が売れるまでの期間ではありません。

物件の場所、状態、価格、売り方で結果は大きく変わります。

マンション・戸建て・土地で見えた違い

中古マンション|同じマンション内の競合を確認する

中古マンションは、成約件数が1,383件から1,266件へ8.5%減りました。

売り切るまでの目安も13.2か月から14.6か月へ長くなっています。

前の3か月より、買主さんが売り出し中の物件を比べやすくなった状態です。

同じマンション内で何戸売りに出ているか、同じ間取りや近い広さがいくらで出ているかを、先に確認したいところです。

階数、方角、眺望、室内の状態に加え、管理費や修繕積立金、大規模修繕の予定も比較されます。

中古戸建て|平均価格より建物と敷地の条件を見る

愛知県の中古戸建て・土地の在庫件数推移(2026年8月時点)
在庫件数の月次推移(中古戸建・土地、愛知県、2026年8月時点)

中古戸建ての成約件数は968件から931件へ3.8%減りました。

売り切るまでの目安も16.8か月から17.9か月へ長くなっています。

平均成約価格は2,704万円から2,789万円へ上がりました。

ただ、実際に売れた件数と売り切るまでの目安まで見ると、「戸建て相場が上がった」と決めるのは早いです。

築年数が浅い物件、土地や建物が広い物件が多く売れれば、平均価格は上がります。

築年、建物の状態、駐車台数、接道、土地の形など、近い条件の戸建てと比べて売り方を決める必要があります。

土地|単価より、売れるペースの変化を見る

土地は、成約件数が723件から622件へ14.0%減りました。

売り切るまでの目安は16.4か月から19.6か月へ、3種類の中で最も大きく長くなっています。

成約㎡単価は14.75万円から14.94万円へ1.3%上がりました。

坪単価に直すと約48.8万円から約49.4万円です。

単価だけを見ると横ばいから少し上向きです。

ただ、売れるペースに対して売り物が増えています。

今回の土地は、価格だけで判断せず、周辺で売りに出ている土地の数と条件まで見る必要がありそうです。

間口や形状、接している道路の幅、建物を建てやすいか、高低差、古家の解体費、境界や測量の状況まで、買主さんは総合して比べます。

土地だけの見方をもう少し詳しく知りたい場合は、愛知県の土地市況を読むポイントも参考になります。

価格の数字は、どう受け取ればよいか

愛知県の中古マンション・中古戸建て・土地の成約価格推移(2026年8月時点)
成約価格・単価の月次推移(愛知県、2026年8月時点)
成約価格・単価の変化は、売れた物件の築年数や地域などの構成変化にも影響される

今回の価格指標は、マンションの成約㎡単価が36.59万円から34.11万円へ6.8%下がり、戸建ての平均成約価格が2,704万円から2,789万円へ3.2%上がり、土地の成約㎡単価が14.75万円から14.94万円へ1.3%上がりました。

愛知県で成約した中古マンションの平均築年数(月次値の単純平均)は、3~5月の約25.5年から6~8月の約26.9年へ上がっています。

築年数の古い物件が多く成約したことは、平均㎡単価の下落を説明する要因の一つとして考えられます。

マンションの坪単価は約121.0万円から約112.8万円です。

これは愛知県内のすべてのマンションが同じ割合で下がった、という意味ではありません。

平均値は、売れた物件の広さ、築年数、場所などで動きます。

今回のように、戸建てや土地では価格指標が上がっていても、実際に売れた件数は減り、売り切るまでの目安は長くなっています。

だからこそ、平均価格だけで売り時を決めず、近い条件の競合と比べることが大切です。

金利上昇は、これから確認する材料

日本銀行は2026年6月16日の金融政策決定会合で、政策金利(無担保コールレート・オーバーナイト物の誘導目標)を1.0%程度へ引き上げました。適用は6月17日からです。

9月18日の会合では、さらに1.25%程度へ引き上げることを決め、適用日は9月24日です。

今回比較した市況データは8月までのため、9月の利上げの影響は含まれていません。

6月の利上げは比較期間中の出来事ですが、成約件数の減少のうち、どれだけが金利の影響なのかはこのデータだけでは判断できません。

一般に、住宅ローン金利が上がると、買主さんが借りられる金額や毎月の返済額に影響し、購入の判断が慎重になる可能性があります。

次の3か月(9~11月)の成約件数と在庫の動きを続けて確認します。

売却を考える時に、今確認したいこと

マンション・戸建て・土地の売り出し前に確認する競合・状態・条件のチェック表

今回の数字だけで「今すぐ売るべき」とは言えません。

待てば自動的に有利になるとも言い切れません。

売り出す前に見たいのは、査定額の高さだけではなく、同じ地域・同じ価格帯の物件と比べた時に、問い合わせが入り、候補に残れる条件です。

種別最初に確認すること売り方に反映すること
マンション同じマンション内の売出し、近い間取り・広さ価格、室内状態、管理面の伝え方
戸建て築年、建物状態、駐車・接道・敷地条件修繕するか、そのまま売るか
土地周辺の売地、接道、形状、造成・解体・測量買主さんが負担する費用や条件の整理

待つ場合に確認しておきたいこと

状況早めの売り出しを検討したいケース待つことも選べるケース
空き家管理に通えない、建物の傷みが進んでいる定期的に管理でき、急いで現金化する必要がない
マンション修繕積立金の値上げや大規模修繕が近い、同じマンション内の売り出しが少ない同じマンション内で競合が多く、室内を整える時間がある
土地・古家付き土地周辺の売地が増えている、解体・測量の段取りができている境界や接道の確認が終わっておらず、先に整える必要がある
相続不動産税の特例の期限や要件が関係する相続人の方針がまだまとまっていない

待つことにも費用がかかります。

空き家なら、固定資産税や管理の手間が続き、建物の傷みも進みます。

マンションなら、管理費や修繕積立金の負担が続きます。

積立金の改定や大規模修繕の時期によって、買主さんからの見え方も変わります。

売り出し価格を決める時は、次の3点をそろえて比べます。

  • 近い条件の成約事例
  • いま競合として売り出されている物件の価格
  • 売り出した後の問い合わせや内見の反響

売り出しから数週間たっても問い合わせや内見が入らない場合は、価格や条件を見直すタイミングです。

自分の物件の状況を知りたい方へ

愛知県全体の市況が同じでも、実際の売りやすさは所在地、築年数、物件状態、管理状況、周辺の競合物件によって変わります。売却を急ぐ必要があるか、今の価格設定で反響が見込めるかを、個別に確認できます。

まとめ|値下げより先に、比較に残れる条件を考える

2026年6〜8月の愛知県市場は、前の3か月と比べて、マンション・戸建て・土地のすべてで実際に売れた件数が減り、売り切るまでの目安が長くなりました。

売れない市場になったわけではありませんが、売主側は価格と条件を丁寧に整える場面です。

特に土地は、売れるペースの変化をよく見ておきたいところです。

大切なのは、いきなり値下げを考えることではありません。

同じ地域・同じ価格帯で、どんな物件と比べられるのかを確かめ、問い合わせが入りやすい条件を整理することです。

個別の売り出し価格は、場所、状態、管理状況、接道条件などを確認して決めます。

愛知県全体の傾向は、売り方を考える最初の材料として見ていただければと思います。

よくある質問

「売り切るまでの目安」が17か月なら、売却にも17か月かかりますか?

いいえ。

この目安は愛知県全体の売り物の量と、今の売れ方から出す数字です。

個別の売却期間は、場所や価格、物件の状態、競合によって変わります。

平均価格が上がっている戸建てや土地は、売りやすくなっていますか?

一概には言えません。

今回のように実際に売れた件数が減り、売り切るまでの目安が長くなっている場合は、売れた物件の構成で平均価格が上がった可能性もあります。

近い条件の物件を比べて判断します。

愛知県全体の数字は、稲沢市の売却にも使えますか?

大きな流れを見る材料にはなります。

ただ、実際の価格や売り方は、稲沢市内でも場所や物件の条件で変わります。

売り出す時は周辺の競合も確認します。

出典・確認日

中部レインズのPDFは毎月同じURLで最新号に差し替わります。後日このリンクを開くと、別の月のデータが表示される場合があります。

ここまでの内容以外にも、不動産売却・相続・空き家について動画で解説しています。

愛知県の2026年8月不動産市況速報のブログアイキャッチイラスト

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