0587-33-5620
10:00〜18:00(火・水定休)
空き家の先送りはリスクしかない|売却・賃貸・更地の選び方

「うちの実家、空き家になっちゃったけど、今は忙しいからそのうち考えよう」。
そう思っているうちに、何年も手つかずのまま、というご相談を本当によく受けます。気持ちはわかるんです。普段の生活で手いっぱいで、空き家のことまで頭が回らないですよね。
ただ、先にお伝えしておきたいことがあります。空き家を放置して先送りしても、得することはほとんどないんです。むしろ時間が経つほど、お金も手間も増えていきます。
この記事では、空き家を放っておくとどんな問題が起きるのか、そして実際に選べる「売却・賃貸・更地」の3つの道をどう選べばいいのかを、私が現場で見てきた話を交えてお話しします。
空き家を先送りすると、なぜリスクが積み上がるのか
空き家は、置いておくだけで静かにマイナスが膨らんでいきます。よくあるのは、こんなところです。
- 犯罪のターゲット:人の出入りがないので、空き巣などに狙われやすい
- 火災・水漏れ:放火や漏電、配管の老朽化。私自身、給湯器からの漏水で土台まで傷んだ家を見たことがあります
- 不法投棄・住み着き:ゴミを捨てられて悪臭や害虫の温床になったり、知らない人が住み着いてしまうことも
- 建物の倒壊:古い家は突然傷んで、お隣さんに被害が及ぶ心配もあります
自分は「別に困らない」と思っていても、近所の方からすれば不安の種なんですよね。誰だって、隣の家に知らない人が出入りしていたら怖いですから。
そして、もっと厄介なのが税金です。きちんと管理されていない家は「管理不全空家」に指定されることがあって、そうなると固定資産税が安くなる特例が外れてしまいます。これまで6分の1だった負担が元に戻る、つまり実質6倍になるケースもあるんです。
さらに状態が悪化して「特定空家」に進むと、行政が強制的に解体して、その費用を請求されることもあります。空き家のリスクをもう少し詳しく知りたい方は、[空き家を放置したときの税金や行政の動き](https://inazawa.estate/akiya-koteishisanzei-6bai-inazawa/)もあわせて読んでみてください。
先送りで一番怖いのは「人」の問題が増えること
物の傷みやお金の話だけなら、まだ取り返しがつきます。私が現場で一番怖いと感じるのは、関係する人が増えたり、いなくなったりすることなんです。
実は、こんなことがありました。相続した空き家を売りたいというご相談で、隣の建物の一部がこちらの土地に入り込んでいて、しかも境界が確定していない。これを解決しないと売れない状態でした。
境界というのは、隣との土地の境目のことです。目印になる「境界標」が入っていない場合は、測量して、隣の方に立ち会ってもらって決め直す必要があります。これが結構、時間とお金がかかるんですよ。
ところが法務局で隣地の所有者を調べたら、登記に書かれている名前が、もう亡くなっている方のままだったんです。近所で聞き込みをして、なんとか相続人にたどり着いたんですが、今度は兄弟3人。立ち会いや承諾には、その3人全員の同意が要るわけです。
そのときは運良く、まとめてくれる方がいて話が進みました。でも、こちらが先送りしている間に、周りの方も同じように時間が過ぎて、亡くなったり相続人が増えたりしていく。気づいたときには、自分の家の問題に「他人の相続」まで絡んでくるんです。
先送りって、本当に何が起こるか読めません。「いつか」と言っているうちに、その「いつか」はなかなか来ないんですよね。
売却・賃貸・更地、3つの選び方

では、どうするか。空き家にできることは、大きく分けて3つです。一度、ご自身の状況に当てはめて見てみてください。
| 選択肢 | 向いている人 | 注意したいこと | |—|—|—| | 売却 | この先その家を使う予定がない/次の世代に問題を残したくない | 古家のまま売るか更地で売るかは別途検討 | | 賃貸 | 将来また使うかもしれない | リフォーム費用を家賃で回収できるか/借り手が見つかるか | | 更地で保有 | 売るのも貸すのも今はためらう | 建物がなくなると固定資産税の特例が外れ、負担が上がる |
少し補足します。
売却は、この先使う予定がはっきりない方には一番すっきりする道です。売ったお金を、ご自身の暮らしや老後に回せます。建物を残して売るか、解体して更地で売るかは判断が分かれるので、[古家付きと更地、どちらで売ると良いか](https://inazawa.estate/akiya-uru-kowasu-2step-handan/)で詳しく整理しています。
賃貸は、いつかまた家族で使うかもしれない、という方の選択肢です。ただし人が住める状態に直すリフォーム費用がかかります。その費用を家賃でちゃんと回収できそうか、そして人口が減っていく時代に借り手が見つかるか。ここは冷静に見ておきたいところです。
更地で保有は、今はまだ売るのも貸すのも踏ん切りがつかない、という方向けです。ただ建物を壊すと、固定資産税の住宅用地の特例が使えなくなって、税負担が上がります。そこは納得したうえで選んでください。
正直、迷ったときに一番後悔が少ないのは、早めに動くことです。「佐藤さんにお尻を叩いてもらわないと進まない」とお客様に言われたこともあるくらいで、空き家は放っておくとズルズルいきがちなんですよね。
補助金や空き家バンクは使えるのか
最後に、よく聞かれる補助金と空き家バンクについても触れておきます。
愛知県や稲沢市、一宮市でも解体の補助金が用意されています。ただ正直なところ、金額は控えめで条件も細かいことが多いです。それでも使えるなら申請を考える価値はあるので、お住まいの市役所の最新情報を確認してみてください。
空き家バンクについては、少し誤解されがちです。空き家バンクといっても、実際は各地域の宅建協会と連携していて、最終的には不動産会社に委託する形になります。交渉や契約は委託先の会社が仲介として動くので、仲介手数料も通常どおりかかります。
私自身、以前「空き家マイスター」という資格も持っていたんですが、そこ経由で相談が来ることはほとんどなくて、2年前に更新をやめました。それなら、自分が信頼できると思える不動産会社に直接相談したほうが、親身に動いてもらえると感じています。
どこに頼んでいいか見当もつかない、というときの入口としては空き家バンクも一つですが、最終的に大事なのは「この人になら任せられる」と思える相手を見つけることです。空き家を相続した直後の方は、[相続した空き家を売るときの基本的な流れ](https://inazawa.estate/oyakazoku-shisetsu-jitsukazentaku/)も先に押さえておくと、相談がスムーズになります。
よくある質問
Q. 空き家を相続したけど、何年も先送りしていました。今からでも間に合いますか。 A. 多くのケースで間に合います。ただ、境界や相続関係は時間が経つほど人が絡んで複雑になります。早めに現状を整理しておくほど、選べる道が広く残ります。
Q. 売却・賃貸・更地、結局どれが一番いいですか。 A. 一概には言えません。この先その家を使う予定があるかどうかが大きな分かれ目です。使う予定がなければ売却、また使うかもしれないなら賃貸、判断を保留したいなら更地、という順で考えると整理しやすいです。
Q. 更地にすると税金が上がると聞きました。本当ですか。 A. 建物があると受けられる固定資産税の特例が、更地にすると使えなくなる場合があります。負担が変わることがあるので、解体前に試算しておくと安心です。
Q. 相続した空き家を売ると、税金の特例は使えますか。 A. 一定の条件を満たす場合に、譲渡所得から控除を受けられる制度があります。条件や期限はケースによるので、適用できそうか早めに確認しておくとよいです。
なお、本記事の税金に関する記述は一般的な解説です。個別のケースについては、税理士または所轄の税務署にご確認ください。
関連記事
- [古家付きと更地、どちらで売却すると良いか](https://inazawa.estate/akiya-uru-kowasu-2step-handan/)
- [空き家を放置したときに起こること](https://inazawa.estate/akiya-koteishisanzei-6bai-inazawa/)
- [相続した空き家を売るときの流れ](https://inazawa.estate/oyakazoku-shisetsu-jitsukazentaku/)
- 当社の空き家・相続不動産の相談について
- 空き家・実家じまいのご相談(相続・解体・売却までワンストップ)
空き家売却の流れ
最初のご相談から引渡しまで、代表の佐藤が一緒に進めます。
④建物解体・⑤土地の測量は、状況により発生する工程です。


