【売主注意】売却後にクレーム請求される前に!付帯設備表で契約不適合責任を免れろ!
「引き渡し後に買主さんからクレームが来たらどうしよう…」
「壊れていると知らなかった設備のことで訴えられたらどうしよう…」
「契約時には説明したつもりでも『聞いていない』と言われたらどうなるの?」
マンションの売却を考えるとき、こうした不安を感じていませんか?
こんにちは、稲沢あんしん不動産の佐藤です。不動産業界で28年以上、特に中古マンション売買では5,000戸以上の査定経験を持つ専門家として、稲沢市・一宮市で多くの方の不動産売却をサポートしてきました。
今回は、**売却後のトラブルを未然に防ぐための「付帯設備表」**について、その重要性と正しい書き方をお伝えします。
マンション売却で起こりやすいトラブルとその代償
では、引き渡し後にトラブルが発生する場合のお話です。
マンションには、キッチンやお風呂、エアコン、給湯器といった様々な設備が付いています。
これらの設備について、引き渡し後に買主様との間で認識のズレが生じた結果、トラブルに発展してしまうケースが考えられます。
例えば、こんな事例、
マンションで、売買が完了して買主様へマンションをお引き渡し後、1ヶ月経って、買主様から「リビングのエアコンが効かない」とクレームの連絡が入る。
売主様は悪気なく「もともと調子が悪かったけど、あまり使ってなかったから忘れていた」と回答。
しかし、事前の説明では「すべての壊れている設備とかはないです」としていたため、結局売主様がエアコン修理費用10万円を負担することになりました。
このようなトラブルは、売却が完了した後に発生するため、心理的な負担も大きく、最悪の場合、法的な問題に発展することもあります。
トラブルを防ぐ重要な一枚の書類
でも、ご安心ください。そうした不安やトラブルを未然に防ぎ、売主様・買主様双方が気持ちよく、そして安全に取引を終えるための、非常に大切な書類があるんです。
それが、今回の『付帯設備表』です!
聞いたことはあまりないかもしれません。
この付帯設備表とは、一言でいうと「売却するマンションに付いている設備は何か、その状態はどうなのか」を、売買契約の前に売主様と買主様の間でしっかりと確認し、書面で取り決めておくものです。
例えば、リビングのエアコンや照明はそのまま置いていくのか、それとも取り外して持って行くのか?
また、置いていく場合でも、そのエアコンは正常に動くのか、何か不具合はないか、といったことを、一つ一つこの書類に明確に記載していきます。
付帯設備表が売主様と買主様を守る理由
なぜこんな面倒なことをするのか?それは、後々のトラブルを防ぐためです。
「エアコンが付いていると思って買ったのに!」
「使えると思ってたのに壊れてるじゃないか!」といった、引き渡し後の買主様との認識のズレによるトラブルをなくすためなんです。
この書類に設備の状況をきちんと書いておけば、買主様も事前に設備の現状を把握できますし、売主様も「この状態について事前に説明しましたよ」という明確な証拠になります。
特に中古マンション市場では、築年数が10年を超えるマンションが多く流通しています。
設備の経年劣化が気になる物件も少なくないため、付帯設備表の重要性はさらに高まるのです。
付帯設備表の作成タイミングと活用法
この付帯設備表、一般的には不動産の売買契約を締結する直前に作成することが多いです。
ですが、私の場合はお客様から売却のご依頼をいただいた際、できるだけ早い段階で一度ヒアリングさせていただき、下書きを作成していきます。
そして、実際にマンションを販売する活動を始める際には、興味を持ってくださったお客様に、この付帯設備表もセットでしっかりお見せするようにしています。
なぜ早くからお見せするのか?
もちろん、後々のトラブルを未然に防ぐという目的もありますが、それだけではありません。お客様に「この設備は外していきます」とか、「ここの給湯器は少し調子が悪いです」といったマイナスの情報も含めて正直にお伝えすることで、「あ、この売主さん(不動産会社)は誠実だな、信頼できるな」と安心していただけるんです。
実際、私もマンション売却では、付帯設備表で浴室換気扇が壊れていることを事前に伝えてただけで、買主様に「正直に伝えてくれてありがとうございます」と言っていただき、そこから良好な関係で取引を進めることができました。あたりまえのことを伝えているだけなのですよ。
壊れている部分があったとしても、隠しているよりはるかに印象が良くなります。これが結果的に、安心してお取引いただけることに繋がり、スムーズな売却、そして『高く早く売る』ための大切な要素の一つになるんです。
付帯設備表の作成ポイント
ですから、この付帯設備表を作成する際は、面倒に感じるかもしれませんが、できるだけ細かく、そして正直に記載していただくことが本当に大切です。特に、普段何気なくお使いの設備でも、改めて一つ一つ動作確認をしていただくことをお勧めします。
具体的には以下のような項目を確認しましょう:
- 照明は全部つくか
- エアコンは効くか
- 給湯器はお湯が出るか
- 換気扇は回るか
- 水回りから水漏れはないか
不具合があれば、その具体的な状況も詳しく記載しましょう。
例えば、「〇〇のボタンを押しても反応しない時がある」
「△△から異音がする」といった具体的な状況です。
過去の修理履歴なども分かれば記載しておくとより丁寧です。
「正直に書くのは気が引けるな…」
「もし壊れているって知られたら、売れなくなるんじゃないか…」
そんな風に思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろん購入を敬遠される人もいるかも知れません。
ですが、事前にしっかりと告知しておくことで、後から発覚した場合の大きなトラブルや、予期せぬ費用負担を防ぐことができます。
知っておきたい「契約不適合責任」とは
ここで一つ補足ですが、「契約不適合責任」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?これは2020年4月に民法が改正されてできたルールで、簡単に言うと「売主さんが『壊れてない・使える』と言って引き渡した設備が、契約内容に適合しない(つまり壊れていたなど)場合、売主様さんの責任になりますよ」というものです。
もし、事前に告知していなかった設備の不具合が引き渡し後に見つかった場合、原則として引き渡しから3ヶ月以内であれば、買主さんから修理を求められたり、最悪の場合、損害賠償を請求されたりする可能性もあります。
3カ月というのは契約内容の一般的な話です。
付帯設備表で事前にしっかり、そして正直に設備の状況を告知しておくことは、こうした契約不適合責任を問われるリスクを大幅に減らすことに繋がります。
だからこそ、動作確認を行い、詳細に記載し、知っている不具合はすべて告知する義務があるということを理解し、しっかりと対応することが非常に重要になるんです。
不安なことは専門家に相談を
もちろん、これらの確認や記載、そして契約不適合責任について、全て売主様だけで判断するのは難しいかと思います。
そこはご安心ください。
こうした点の確認や記載のサポートも、稲沢あんしん不動産ならしっかりと行いますので、ご不明な点や不安なことは何でもお気軽にご相談ください。一緒に一つ一つ確認しながら進めていきましょう。
設備の状態が良いと購入検討者にとって大きなプラスポイントになります。そのため、付帯設備表をしっかり作成することは、好条件での売却にも繋がるのです。
まとめ:付帯設備表で安心のマンション売却を
付帯設備表は、単なる形式的な書類ではありません。売主様・買主様間の信頼を築き、お互いが気持ちよく、そして何より安全にお取引を完了させるための、非常に強力なツールです。
この付帯設備表をしっかりと活用して、不安なく、安心してマンションのご売却を進めましょう!
私は28年間、不動産売却のサポートをしてきた経験から言えるのは、事前の丁寧な準備が、その後の安心に大きく繋がるということです。
特に初めてマンション売却をされる方は、分からないことだらけで不安に感じるのは当然です。そんな時こそ、地域の事情に詳しい専門家に相談することが大切です。
もし、ご自身のマンション売却について相談したいという方がいらっしゃいましたら、どうぞお気軽にお問い合わせください。あなたの大切な資産の売却をしっかりとサポートいたします。