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古家付き土地の売り方は3つ|そのまま売る・更地渡し・更地売却の違いを稲沢市の不動産会社が解説

稲沢あんしん不動産の佐藤です。
「実家に古い家が建ったままなんですが、このまま売れるんでしょうか。それとも解体してから売った方がいいんでしょうか」。
稲沢市・一宮市・清須市・あま市・北名古屋市で空き家のご相談を受けるとき、もっとも多いのがこのご質問です。
先日も、お母様と稲沢市内で同居されている息子さんから、「母が以前住んでいた家をそのまま売るか、更地にしてから売るか迷っている」とご相談をいただきました。

古家付きの土地には、解体費用・税金・買主の不安・近隣への配慮など、考えるポイントがいくつも重なります。
判断を誤ると手取りが大きく変わります
古家付き土地は、売り方の選択そのものが「いくら手元に残るか」を左右します。判断を誤ると、手取りが100万円単位で変わることも珍しくありません。
この記事では、古家付き土地の売り方を3つに整理し、それぞれの費用負担・リスク・向いているケースを比較します。
最後まで読んでいただくと、ご所有の不動産にどの売り方が合っているかの判断軸が見えてきます。

佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
相続・空き家の相談対応が専門/不動産業界28年/査定実績5,000件超
公認 不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)・宅地建物取引士・マンション管理士
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古家付き土地の売り方は主に3つある
古家付き土地の売り方は、大きく分けて3つに整理できます。

この章の要点
- 売り方は「古家付きのまま」「契約後に更地渡し」「最初から更地」の3つ
- 解体費用の負担時期と買主の不安レベルが大きく違う
- 立地・資金・スケジュール・税務で向き不向きが分かれる
1つ目は、古家付きのまま売る方法です。
2つ目は、買主が決まってから売主が解体し、更地でお引渡しする「更地渡し」です。
3つ目は、売り出し前に解体して、最初から更地として売る方法です。
それぞれにメリットとデメリットがあり、ご所有の不動産の状態や立地、売主のご事情によって向き不向きが分かれます。
3つの売り方 比較表
まずは、3つの売り方を主要な観点で比較します。
スマホでご覧の場合は、横にスクロールしてご確認ください。
| 項目 | 古家付きのまま売る | 更地渡し(契約後解体) | 最初から更地にして売る |
|---|---|---|---|
| 解体費用の負担時点 | 負担なし | 売買契約後に売主負担 | 売り出し前に売主が前払い |
| 売り出し前の費用 | ほぼなし | ほぼなし | 解体費100〜300万円程度 |
| 買主の不安 | 高い | 低い | 低い |
| 価格交渉 | 起きやすい | 起きにくい | 起きにくい |
| 契約後リスク | 更地渡しよりは解体リスクを抱えにくい | アスベスト・地下埋設物等のリスクあり | 売主側で先に処理済み |
| 固定資産税の住宅用地特例 | 維持しやすい | 引渡し時期で変動 | 翌年度から外れる可能性 |
| 向いているケース | 建物に再利用価値あり/費用を抑えたい | 買主の不安は減らしたいが先払いは避けたい | 買主の不安を減らして売りたい/土地需要が強い |
「契約後リスク」とは、売買契約から引渡しまでの間に追加費用やトラブルが発生する可能性のことです。
「固定資産税の住宅用地特例」は、住宅が建っている土地の固定資産税が最大6分の1に軽減される制度を指します。
制度の概要は、総務省の固定資産税ページもあわせてご確認ください。
古家付きのまま売るメリット・デメリット
古家付きのまま売る方法は、解体費用を抑えたい方に向いています。

この章の要点
- 解体費用は売主が負担しなくてよい
- 固定資産税の住宅用地特例が維持されやすい
- ただし買主からの価格交渉が起きやすい
- 建物の老朽化が進むと買主候補が集まりにくい
ここから、メリットとデメリットを分けて確認していきます。
古家付きのまま売るメリット
メリットの中心は、売主の費用負担の軽さです。

最大のメリットは、解体費用を売主が負担しなくてよい点です。
稲沢市周辺で木造2階建てを解体すると、規模や残置物の量にもよりますが、おおむね100万〜200万円ほどかかります。
この費用を売主が立て替えずに済むため、手元資金に余裕がない場合でも売却に踏み切りやすくなります。
固定資産税の住宅用地特例も、建物が建っている間は適用されます。
売却までの期間が長引いても、土地だけの状態より固定資産税が抑えられる点もメリットです。
買主によっては、リフォーム前提・古民家活用・賃貸転用など、建物そのものに価値を見出すケースもあります。
古家付きのまま売るデメリット
デメリットは、買主側の解体費用負担を前提に価格交渉が入る点です。

「解体に150万円かかるなら、その分土地値から差し引いてほしい」という交渉は、実務でもよく発生します。
建物の老朽化が進んでいる場合は、雨漏り・シロアリ・傾きなどの心配から、買主候補そのものが集まりにくくなることもあります。
境界が未確定だったり、越境物がある場合も、買主の不安材料になります。
売り出す前に、建物の状態と境界の状況を一度整理しておくことをおすすめします。
古家付きのまま売るのが向いているケース
向いているのは、建物に再利用価値があり、費用負担を抑えたいケースです。
- 建物がまだ住める、もしくはリフォームで活用できる状態
- 解体費用を売主が立て替える余裕がない、または立て替えたくない
- 早めに売り出して、買主の反応を見ながら方針を決めたい
- 立地が良く、土地値が高めで価格交渉に応じる余地がある
逆に、建物の傷みが激しく、買主側の解体不安が強い立地では、次に説明する更地渡し、または最初から更地にする方法を検討した方がよい場合があります。
買主確定後に更地渡しで売るメリット・デメリット
更地渡しは、買主の不安を減らしつつ解体費用の先払いを避けたい方に向いています。

この章の要点
- 売買契約のあとに売主が解体して引渡す売り方
- 買主の不安が減り、価格交渉が起きにくい
- 契約後・引渡し前にトラブルが起きやすい
- 契約条項と事前調査の整備が成否を分ける
なお、本記事で言う更地渡しは、解体費用を売主が負担する前提で説明しています。
買主負担で解体する条件は、ここでの更地渡しには含みません。
更地渡しのメリット
メリットは、買主の不安を抑えながら解体費用を先払いせずに済む点です。
買主から見ると、引渡し時には更地になっているため、解体費用や建物の状態を心配せずに済みます。
そのため、「古家付き」での売出しに比べて、買主の不安による価格交渉が起きにくくなります。
売主から見ると、売買契約後に解体するため、売却代金を見込んだ資金計画は立てやすくなります。
ただし、解体費用の支払い時期は、解体業者との契約内容によって異なります。
着手金・中間金・引渡し時など、業者ごとに支払いタイミングが違うため、契約前に必ず確認が必要です。
更地渡しのデメリット・リスク
デメリットの中心は、契約後・引渡し前の解体工程で起きるトラブルです。

代表的なリスクを表にまとめます。
| リスク項目 | 内容 |
|---|---|
| アスベスト | 屋根材・外壁材・断熱材等に含有の可能性。事前調査と除去費用が追加発生 |
| 地下埋設物 | 古い基礎・浄化槽・井戸・コンクリートガラ等が地中から出てくる |
| 境界・越境 | 隣地との境界未確定、ブロック塀の越境等が発覚 |
| 近隣クレーム | 騒音・振動・粉じんへの苦情、解体中止の要請等 |
| 工期遅延 | 天候不良・廃材処分場の混雑・追加工事で引渡し日に間に合わない |
| 引渡し遅延・違約金 | 工期遅延により買主への引渡しが遅れ、違約金が発生する可能性 |
| 埋蔵文化財 | 包蔵地に該当する場合、試掘調査で工期が大幅に延びる |
更地渡しは契約条項の整備が必須です
更地渡しは、契約から引渡しまでの間に想定外の費用や工期延長が発生しやすい売り方です。売買契約書の中で「想定外費用の負担区分」「引渡し時期の変更可否」を明確にしないまま進めると、違約金や追加負担に直結します。
アスベストについては、解体工事前の事前調査が必要です。建物の築年数や使用建材によっては、調査費用や除去費用が追加で発生することがあります。
詳しくは厚生労働省 石綿総合情報ポータルで最新の規制をご確認ください。
事前調査と契約条項の整備が、更地渡しの成否を分ける部分です。
更地渡しが向いているケース
向いているのは、買主の解体不安を取り除きたいが、先払いは避けたいケースです。
- 建物の老朽化が進み、買主の解体不安が強い立地
- 売却代金を見込んで、解体費用を含めた資金計画を立てたい
- 買主が住宅ローン利用予定で、古家付きでは融資が通りにくい
一方で、地中埋設物のリスクが高い土地や、近隣との関係が難しい立地では、後述の「最初から更地」も含めて検討した方が安全です。
最初から更地にして売るメリット・デメリット
最初から更地にして売る方法は、立地が良く短期売却が見込めるケースに向いています。

この章の要点
- 買主は土地そのものを見て判断できる
- ハウスメーカー・建売業者など買主の幅が広がる
- 解体費用100〜300万円を売主が前払いする必要がある
- 売れ残ると固定資産税負担が一気に増える
ここから、メリットとデメリットを分けて確認します。
最初から更地にして売るメリット
メリットは、買主の不安要素をあらかじめ取り除けることです。
更地にしてから売り出すと、買主には「土地そのもの」を見てもらえます。
建物の老朽化や解体費用といった不安要素がなくなるため、買主が広がりやすくなります。
ハウスメーカー・建売業者・注文住宅の個人買主など、買主の選択肢が増える点も大きなメリットです。
売主側で解体・残置物処分・境界確定まで先に済ませておけば、契約後のトラブルも起きにくくなります。
最初から更地にして売るデメリット
デメリットは、解体費用と税負担を売主が先に背負う点です。
100万〜300万円の費用が、売却の前に手元から出ていきます。
住宅用地特例が外れると固定資産税が大幅に増えます
建物を取り壊した翌年から、固定資産税の住宅用地特例が外れる可能性があります。特例が外れると、土地の固定資産税が最大で6倍近くになるケースもあります。売却までの期間が長引くほど、税負担が増えていく点に注意が必要です。
また、買主が現れず売れ残ると、解体費用と税負担の両方が売主にのしかかります。
最初から更地にして売るのが向いているケース
向いているのは、立地・資金・売却スピードの3つが揃っているケースです。
- 立地が良く、短期間で売却できる見込みが立つ
- 解体費用を売主が先に負担できる資金的余裕がある
- 建物の状態が悪く、古家付きでは買主が集まりにくい
- ハウスメーカー・建売業者など、土地ニーズの強い買主が見込める
3つが揃っていれば、もっとも有利に売れる可能性がある方法です。
解体する前に確認すべき7つの判断基準
3つの売り方のうちどれを選ぶかは、解体前のチェックでほぼ決まります。

この章の要点
- 解体費用・残置物・アスベストの3点はコストに直結
- 境界・再建築可否・特別控除は売却条件に直結
- スケジュールに余裕がないと選べる売り方が狭まる
ここから、7つの判断基準を1つずつ確認していきます。
解体費用の概算
最初に押さえるのは、解体費用の概算です。
木造・鉄骨造・RC造、延床面積、残置物の量によって金額が大きく変わります。
最低でも2〜3社から見積もりを取り、内訳を比較することをおすすめします。
残置物の量
家財・仏壇・古い家電など、残置物の量によって解体費用は大きく変わります。
事前にご家族で整理しておくと、解体費用や売却条件を判断しやすくなります。
アスベスト含有の可能性
築年数が古い建物では、屋根・外壁・断熱材にアスベストが使われている可能性があります。
事前調査の費用と、含有が確認された場合の除去費用を見込んでおく必要があります。
境界と越境の状況
隣地との境界が未確定だったり、ブロック塀・樹木が越境していると、売却時に必ず問題になります。
解体前に境界の状況を確認し、必要なら土地家屋調査士に相談しましょう。
再建築できる土地かどうか
ご所有の不動産が市街化調整区域にある場合、現在の家を解体すると、新しい家が建てられなくなることがあります。

市街化調整区域は、原則として新たな建築が制限されているエリアだからです。
ただし、一定の条件を満たす「既存宅地」として扱われる土地であれば、解体後も再建築が認められるケースがあります。
接道状況・用途地域・開発許可の有無もあわせて確認が必要です。
市街化調整区域は解体前の確認が必須
市街化調整区域では、建物を解体した瞬間に再建築できない土地になってしまうケースがあります。判断が難しい場合は、解体前に必ず役所と不動産会社に確認してください。解体してから「建てられない土地」と分かると、買主の幅が大きく狭まります。
3,000万円特別控除が使えるか
お母様が以前ご自宅として住まわれていた家であれば、売却時に「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円特別控除」が使える可能性があります。
譲渡所得から最大3,000万円を控除できる制度で、要件は国税庁タックスアンサー No.3302に詳しく載っています。
特別控除は要件確認が必須です
3,000万円特別控除には、居住をやめてからの経過年数、家屋を取り壊した場合の特例期間、共有名義の扱いなど、細かな要件があります。要件を1つでも外すと適用できないため、最終判断は必ず税理士や税務署にご確認ください。
売却スケジュールに余裕があるか
解体・更地渡しを選ぶ場合、引渡しまでに想定外の工程が入る可能性を踏まえ、スケジュールに余裕を持たせることが大切です。
住み替え時期、施設入居、ご家族の予定など、動かせない期日がある場合は、その点も含めて売り方を選ぶ必要があります。
ご家族の役割を整理する(母名義の家を息子が相談するケース)
母名義の家を息子さんが相談する場合は、最初に役割分担を整理しておくとスムーズです。

| 立場 | 役割 |
|---|---|
| お母様 | 名義人・売主・売買契約の当事者・譲渡所得の納税義務者 |
| 息子さん | 相談窓口・情報整理・現地立会い・専門家とのやりとりサポート |
3,000万円特別控除を含む税金面は、あくまで名義人であるお母様が判断する事項です。
息子さんが情報をまとめて、お母様と一緒に判断する流れが現実的です。
まとめ|古家付き土地の売り方は「解体前の準備」で9割決まる
古家付き土地の売り方は、解体前の準備で結果がほぼ決まります。

記事のまとめ
- 売り方は3つ、正解は建物・立地・資金・税務で変わる
- 結果を左右するのは「解体前にどれだけ準備したか」
- 費用・アスベスト・境界・再建築可否・特別控除・家族合意の6点が判断軸
- 判断軸を整理してから売り方を選ぶと後悔が少ない
そのまま売る、更地渡しで売る、最初から更地にして売る、の3つの中で、どれが正解かは建物の状態・立地・資金・スケジュール・税務によって変わります。
費用の概算、アスベストの可能性、境界、再建築の可否、3,000万円特別控除の適用可否、ご家族での合意。
これらを整理したうえで、3つの売り方のうちどれが合うかを判断していくと、後悔の少ない売却につながります。
稲沢あんしん不動産では、不動産業界経験28年・延べ5,000件以上の査定実績をもとに、稲沢市・一宮市・清須市・あま市・北名古屋市の古家付き土地の売却をお手伝いしています。
現地と数字を踏まえて、3つの売り方のうちどの方法が適しているかを整理し、売却方針をご提案します。
売却の流れを先に知りたい方は、稲沢市の不動産売却相談の流れと進め方もあわせてご覧ください。
相続した空き家・実家じまいでお悩みの方は、稲沢市の相続した空き家・実家じまいの相談ページに詳しくまとめています。
よくあるご質問(FAQ)
- 古家付きのままでも売れますか?
-
はい、売れます。ただし、買主が解体費用を見込んで価格交渉してくることが多いため、土地値からの値引きが起きやすくなります。建物の状態と立地によって、古家付きと更地のどちらが有利かは変わります。
- 解体すれば必ず高く売れますか?
-
必ずしも高く売れるとは限りません。立地が良く土地ニーズが強い地域では、更地の方が高く売れる傾向があります。一方で、解体費用と固定資産税の増加分を回収できないケースもあるため、事前のシミュレーションが欠かせません。
- 更地渡しとは具体的にどういう売り方ですか?
-
更地渡しは、売買契約の時点では建物が残っていて、引渡しまでに売主が解体し、更地の状態で買主に引き渡す売り方です。本記事では、解体費用を売主が負担する前提で説明しています。
- 解体費用は誰が負担するのですか?
-
更地渡しの場合は売主負担です。古家付きのまま売る場合は、買主が解体する前提で価格交渉が行われることが多くなります。最初から更地にして売る場合も、解体費用は売主の前払い負担です。
- 固定資産税の住宅用地特例はどうなりますか?
-
建物を解体すると、翌年度から住宅用地特例が外れ、土地の固定資産税が上がる可能性があります。制度の概要は総務省の固定資産税ページをご確認ください。詳細は、ご所有の不動産がある市町村役場で最新情報をご確認ください。
- 市街化調整区域でも売れますか?
-
売却自体は可能ですが、再建築の可否によって買主の幅が大きく変わります。既存宅地として再建築が認められる土地と、そうでない土地では、売り方の戦略がまったく異なります。事前に役所で再建築の可否を確認することをおすすめします。
- 母名義の家ですが、息子の私が相談しても大丈夫ですか?
-
はい、問題ありません。実際のご相談でも、お子様が窓口になられるケースは多くあります。最終的な売買契約・税務判断は名義人であるお母様の判断となりますが、情報整理の段階から息子さんが窓口になることで、話がスムーズに進みます。
- 3,000万円特別控除は使えますか?
-
お母様が以前ご自宅として住んでいた家であれば、要件を満たすことで使える可能性があります。居住をやめてからの経過年数や、家屋を取り壊した場合の特例期間などの要件は国税庁タックスアンサー No.3302をご確認ください。判断は税理士や税務署にもご確認ください。

