実家の相続税はいくら?土地と建物の評価をざっくり計算する方法

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佐藤高樹

執筆者:佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/業界28年・査定実績5,000件超
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実家を相続したとき、まず引っかかるのが「この家、相続税でいくらの評価になるんだろう」というところだと思います。

相続税は、財産を受け取った相続人側が払う税金です。

現金や株なら、残高を見れば一発で分かります。でも不動産だけは、自分ではなかなか分からないんですよね。私も「うちの実家、評価いくらになりますか」と本当によく聞かれます。

この記事では、不動産屋の目線で、土地と建物の評価額をざっくり出す方法に絞ってお話しします。なお、そもそも相続税がかかるのか・かからないのか、その課税ラインの判定については[相続税がかかるかどうかの目安をまとめた記事](https://inazawa.estate/sozoku-zei-ikura-kara-kiso-kojo/)で別に解説しているので、そちらも合わせて読んでみてください。ここでは「かかりそうだから、だいたいいくらか知りたい」という方に向けて進めます。

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まず大前提:相続税の評価は時価の8割くらい

相続税の不動産評価は、原則として「時価」がベースになります。時価というのは、今売ったらいくらか、つまり相場のことですね。

ただ、時価って不動産屋でないと正確には出せないんですよ。相続のたびに査定を頼むのも現実的じゃありません。

そこで国は、誰でも計算できる目安を用意してくれています。土地は「路線価」、建物は「固定資産税評価額」。この2つです。

これがだいたい時価の8割くらいになるよう設定されている、と言われています。なので相続税の評価は、実際の相場よりちょっと低めに出ることが多いんですね。納税する側にとっては、少し有利な仕組みになっています。

実家の相続で出てくる不動産は、土地と建物の2つ。この2つさえ押さえれば、自分で「だいたいいくらか」のあたりは付けられます。預貯金や保険と違って、不動産は「自分の家がいくらに見られているのか」が一番イメージしづらい財産なので、ここがクリアになるだけでも気持ちはだいぶ楽になるはずです。

ちなみに、後半でも触れますが、逆に時価のほうが安くなるケースもあります。ここは頭の片隅に置いておいてください。

土地の評価は「路線価 × 面積」

土地は基本、路線価に面積を掛けるだけです。

路線価というのは、道路ごとに付けられた1㎡あたりの価格のこと。国税庁の「財産評価基準書 路線価図」というサイトで、誰でも調べられます。

路線価の数字の読み方

Googleで「路線価」と検索すると、国税庁のサイトが出てきます。そこから愛知県→稲沢市、というふうに自分の地域まで進んでいくと、地図の道路に数字が振ってあるのが見えます。

たとえば、ある道路に「110E」と書いてあったとします。この「110」が路線価で、単位は千円。つまり1㎡あたり11万円ということです。

後ろの「E」は借地権割合を表す記号なので、自宅の相続では気にしなくて大丈夫です。

実家の土地が200㎡だったとすると、11万円 × 200㎡ で2,200万円。これがざっくりした相続税評価額になります。面積は、固定資産税の納税通知書や登記簿(登記事項証明書)に書いてあるので、そこから拾えば大丈夫です。

実際には、土地の形がいびつだったり、間口が狭かったり、奥行きが長すぎたりすると評価が下がる補正があるんですが、全部やると複雑なので、ここでは補正なしのざっくり計算で進めます。あくまで「桁を間違えない」「だいたいの規模感をつかむ」ための計算だと思ってください。最終的に申告する段階で補正をきっちり入れると、ここから評価が下がる方向に動くことが多いです。

路線価が無い地域は「倍率方式」

稲沢の祖父江や平和町のように市街化調整区域だと、そもそも路線価が設定されていないことがよくあります。地図を見ても、道路に数字が振られていないんですね。

そういう地域は「倍率方式」で計算します。同じ国税庁のサイトに「評価倍率表」というページがあるので、そこで自分の地域の倍率を調べます。稲沢市の倍率表だと、宅地は1.1倍が多いですね。

計算は「固定資産税評価額 × 倍率」。固定資産税評価額が1,000万円なら、1,000万円 × 1.1 で1,100万円が相続税評価額になります。

固定資産税評価額は、次の章で説明する納税通知書に書いてありますので、そこはご安心を。

建物の評価は通知書を見るだけ

建物のほうは、土地よりずっと簡単です。固定資産税評価額をそのまま使います。

毎年4月か5月ごろ、市役所から「固定資産税納税通知書」というのが届きますよね。あの中に「家屋の価格」や「評価額」という欄があって、そこに書いてある金額が、そのまま建物の相続税評価額になります。

「価格 500万円」と書いてあれば、建物の評価は500万円。本当にそれだけです。

ひとつだけ注意してほしいのが、同じ通知書に「課税標準額」という欄もあること。こっちは固定資産税を計算するための数字で、相続税には使いません。見るのは必ず「価格」か「評価額」のほうにしてください。

もし通知書を捨ててしまった、見当たらないという場合は、市役所で「固定資産税評価証明書」を取れば同じ数字が分かります。

これで土地と建物、両方の評価が出せるようになりました。

評価額が出たら、覚えておきたい3つのこと

配偶者や同居家族が住み続けるなら「小規模宅地等の特例」も忘れずに

実家の土地は、亡くなった方の配偶者や同居していた親族が引き続き住む場合などに、330㎡まで評価額を80%減額できる「小規模宅地等の特例」が使えることがあります。2,000万円の土地なら400万円まで圧縮される、というレベルでインパクトが大きい制度です。適用要件は細かいので、詳しくは国税庁のタックスアンサー No.4124を見てみてください。

土地と建物の評価が出たら、実務でつまずきやすいポイントを3つだけお伝えしておきます。

時価のほうが安いケースもある

最初に「相続税評価は時価の8割くらい」とお話ししました。じゃあ安く評価されてラッキー、と思いますよね。

でも、逆に時価のほうが安くなる土地もあるんです。前面道路が極端に狭い、市街化調整区域、旗竿地、古家付き、無道路地。こういう、普通だとなかなか売れない土地ですね。

「評価は2,000万円なのに、いざ売ろうとしたら1,000万円にしかならなかった」。稲沢や一宮の空き家でも、こういうことは正直よくあります。

この見極めは、地域に詳しい不動産屋に実際に査定してもらうのが一番です。売りにくい土地ほど、評価額と現実の差が大きく出やすいので。

税理士さんにも得意・不得意がある

税理士さんによっては、後で税務署に否認されないよう、安全側で少し多めに評価する方もいらっしゃいます。これ自体は悪いことではなく、実務的な判断です。

ただ、相続を専門にしている方と法人税が中心の方とでは、土地の補正項目の拾い方がけっこう変わってきます。相続に強い方かどうかは、頼む前に少し気にしておいたほうがいいかもしれません。

払いすぎは5年以内なら戻ることもある

「うち、ちょっと多めに払ったかもしれない」と気になった場合、相続税は申告期限から5年以内なら「更正の請求」という手続きで、払いすぎた分が戻ってくる場合があります。

特に売りにくい土地を持っている方は、評価が高めに出やすいので、気になるならセカンドオピニオンを取ってみるのもひとつの手です。

よくある質問

Q. 土地と建物、合わせていくらか分かれば相続税は払うんですか? A. いいえ、評価額がそのまま税額になるわけではありません。相続税には基礎控除があり、財産の合計がそのラインを超えなければ申告も納税も不要になる場合があります。課税ラインの判定は[相続税がかかるかどうかの目安をまとめた記事](https://inazawa.estate/sozoku-zei-ikura-kara-kiso-kojo/)を参考にしてください。

Q. 路線価図に自分の地域が載っていません。 A. 市街化調整区域などでは路線価が設定されていないことがあります。その場合は「評価倍率表」を使い、固定資産税評価額に倍率を掛けて計算します。本文の倍率方式の章を参考にしてみてください。

Q. 建物がかなり古いのですが、評価はゼロになりますか? A. 固定資産税評価額が付いている限り、ゼロにはならないのが一般的です。古い家屋でも通知書に「価格」が記載されていれば、その金額が建物の評価額になります。

Q. 古家付きの土地は、解体してから考えたほうがいいですか? A. ケースによります。古家を残すか解体するかで、売りやすさも手取りも変わってきます。判断材料は[古家付き土地の売り方を整理した記事](https://inazawa.estate/souzoku-fudosan-meigi-henkou/)でまとめているので、売却まで視野に入れている方はそちらも見てみてください。

Q. 自分で計算した評価額に自信が持てません。 A. ざっくり計算で基礎控除を明らかに下回るなら、そこまで神経質にならなくても大丈夫なことが多いです。微妙なラインだったり、売りにくい土地が絡む場合は、地域の事情を分かっている不動産屋に一度見てもらうのが安心です。ざっくり計算で基礎控除を明らかに下回るなら、そこまで神経質にならなくても大丈夫なことが多いです。

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  • 稲沢市の相続のご相談(5つの窓口で比較)

なお、本記事の税金に関する記述は一般的な解説です。個別のケースについては、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

ここまで読んで「うちの場合はどうなんだろう」と感じた方は、
状況の整理からご相談ください。

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