【中古マンション購入】地震が怖い!旧耐震はリスクあり。購入前の必須チェック項目と要注意マンション特徴

目次

長期修繕計画・住宅ローン・耐震診断は必須!ピロティ・複合用途・混構造マンションの危険性と南海トラフ地震への備え

この記事を書いた人
稲沢あんしん不動産代表 佐藤の顔写真
マンション管理士 佐藤

国家資格 マンション管理士、宅地建物取引士、他
名古屋市内の4棟(430戸)の管理組合の顧問
マンション査定件数は5,000戸以上
不動産業界は26年以上

https://twitter.com/inazawa_estate
https://www.instagram.com/inazawa.anshin/
https://lin.ee/TPUOMOM

こんにちは、稲沢あんしん不動産の佐藤です。
マンション管理士として、また26年以上の不動産業界経験を持つプロフェッショナルとして、今回は旧耐震マンション購入に関する重要なポイントをお伝えします。

最近、南海トラフ地震のニュースが流れました。
愛知県では震度6以上の揺れが予想されているそうで、本当に怖い話です。


こういった状況下ですが、古いマンションの購入を考えている方も多いのではないでしょうか?

塗料や脚立が床に置いてあるリノベーション中の室内

今古いマンションを買ってリノベーションをして新生活を始めましょうみたいなのが流行ってたりしますが築年数が古いと地震とか大丈夫かな?と不安に思ったりしませんか?

古いから安いんですけどね確かに、名古屋市内で地下鉄駅近で立地の良い旧耐震マンションは魅力的な価格で手に入ることが多いです。

しかし、その魅力に惑わされて安易に購入を決めてしまうのは非常に危険です。

今回は、私自身の経験も交えながら、旧耐震マンション購入前に絶対に知っておくべき5つのポイントをお伝えします。

1. 旧耐震マンションとは何か?

旧耐震マンションとは、1981年5月31日以前に建築確認を受けたマンションのことです、と書いてある黒板

まず、「旧耐震マンション」の定義を正確に理解しましょう。

旧耐震マンションとは、1981年5月31日以前に建築確認を受けたマンションのことを指します。

これは建物の完成日ではなく、建築確認の日付が基準になります。

つまり、1982年以降の完成のマンションでも、旧耐震の可能性があるのです。

【注意点】
建築年月日だけでなく、建築確認の日付を必ず確認しましょう。不動産業者が「新耐震です」と言っても、建築確認の日付を見せてもらうのが賢明です。

2. 旧耐震マンションの耐震性

薄暗いベッドの上で男性が地震か?こわい!と言っている

旧耐震マンションは、震度5程度までは倒壊しないとされています。

一方、新耐震基準のマンションは震度7程度まで耐えられるとされています。

この違いは大きいですね。

【私の経験】
実は、私も3年前までは名古屋市東区の旧耐震のマンションに住んでいました。
12階建ての7階です
5年くらい住んでたかな。
その時の経験で
2021年2月、深夜3時です
その時間ですからしかり寝ていたんですが、ふっと目が覚めたら部屋・天井がグルーンって揺れいているんです
すぐに地震と理解できました
ゆっくり部屋全体が横ななのか、回ってゆっくり揺れているんです
経験したことなかったので、一瞬このまま死んだらどうしようと思いました。

名古屋市なんですけど、あとで調べた記録では震度3くらいだったみたいでたいしたことないんですね
きっとそれまでも震度3ぐらいの地震は何度かあったと思いますが、そんな経験は後にも先にもそれ1回きりでしたが。

グルーンって感じで揺れて。
たぶん実際は10秒もないような時間なんでしょうけど、体感的には1分くらいに感じました。

これは衝撃的で単純に怖かったですね

そこで旧耐震マンションはプロとして安易にすすめられないなと実感した経験です。

佐藤先生

この経験があり、プロとして安易に旧耐震マンションをすすめるべきではないと実感しました

3. 旧耐震マンションの危険度を高める要素

揺れているマンション

旧耐震であることに加えて、以下の要素がある場合は特に注意が必要です:

a) 1階がピロティ(駐車場)
壁が少ないので、弱い部分の力が集中して、崩れやすくなります


b) 複合用途型マンション(1階や2階が店舗や事務所)
1階に飲食店など住戸2~3戸分の広さの空間があるのは、ピロティと同じ理由で、壁が少ない分、弱いところに力が集中します

c) 混構造マンション(異なる構造が混在)
下の階が鉄骨鉄筋コンクリート造で上の階が鉄筋コンクリート造というような異なる構造が組み合わさってた建物。
もう少し言うと、
13階建てのマンションだと
1階~7階までが鉄骨鉄筋コンクリート造
8階から13階が鉄筋コンクリート造
特にこの構造が変わる部分が弱いんです。

これらの要素が重なると、地震時の危険度が更に高まります。

【私の経験】
以前、私が住んでたマンションは、
1階に飲食店があって、さらに構造も混ざってたんです。
7階に住んでいて、ちょうど7階までが鉄骨鉄筋コンクリート造で8階から上が鉄筋コンクリート造でした。
旧耐震構造で気をつけないといけない要素を知ってるだけに「まずいかも!」と頭をよぎったわけです。
とはいえ、深夜の地震でしたので、結局、明け方までぐっすり眠りました。
そのあとも1年ぐらい生活していました。
今は事務所が稲沢市なので稲沢に引っ越しましたけど。

4. 旧耐震購入のマンションのメリット

旧耐震マンションの良い点は、やっぱり立地のいい場所で安く買えることですね。

名古屋市内の地下鉄の駅のすぐそばでも、新築と比べたら雲泥の差で安く買えます。

名古屋市内の旧耐震マンションの数

参考にマンションの多い名古屋市内には旧耐震基準(1981年以前)のマンションがどのくらいか?

名古屋市内のマンション自体は約5,720棟、
そのうちの約20%の1,320棟(46,082戸)が旧耐震基準のマンションです。

意外と多いと思いませんか?
中古マンションを買おうと思うと旧耐震マンションも候補に上がってくるわけですね

旧耐震マンションを購入する際に気をつける3つのポイント

1. 長期修繕計画の有無

長期修繕計画書

黒板にマンションの長期修繕計画とはどういったものか書かれている。
「マンションの老朽化に備えて、大規模修繕の予定を10年、20年30年と長期的な期間を見据えて作成した修繕計画です。将来予想される工事の項目や時期、必要な費用などを算出し、マンションの寿命の延長や快適な居住環境の確保、所有者の資産であるマンションの資産価値を維持することを目的としている計画」

旧耐震マンションを購入する際、絶対に確認すべきなのが長期修繕計画の有無です。

マンションの長期修繕計画とは、マンションの老朽化に備えて、大規模修繕の予定を10年、20年30年と長期的な期間を見据えて作成した修繕計画です。将来予想される工事の項目や時期、必要な費用などを算出し、マンションの寿命の延長や快適な居住環境の確保、所有者の資産であるマンションの資産価値を維持することを目的としている計画

建物が古ければ古いほど修繕費用がかかります。

私は分譲マンションのコンサルティングで長期修繕計画の作成や、大規模修繕工事コンサルティングをしてるので、詳しいのですが修繕積立金の金額は実は長期修繕計画で決まります。

10年後、20年後、30年後にこういう工事をしましょうっていう計画があって、そこで金額が不足しないために今から毎月いくらを戸あたり積み立てましょうということで金額を算出します。
これがないマンションはできれば避けた方がいいです。

計画がないってことは、海の真ん中でどこに向かって進んでるかわからないようなもの。
怖すぎますよ。
何かあったら急に一時負担金とか言って、みんなでお金を出さないといけなくなるかもしれません。
古くなればなるほど何かあった時のお金がドカンとくるリスクが高いです

なので、長期修繕計画があるかないかを確認してください。

これも不動産屋に聞いたら、わかります
長期修繕計画がないマンションは、将来的に突然の高額修繕費用を求められる可能性があります。
これは財政的に大きな負担となるだけでなく、必要な修繕が行われずに建物の劣化が進む危険性もあります。

2. 住宅ローンが利用できる金融機関があるか


旧耐震マンションは、一般的に住宅ローンが組みにくいです。

銀行によっては融資を断られたり、厳しい審査条件が課されたりします。

事前に住宅ローンが組める銀行および借入条件を確認しておくとスムーズです。

3. 耐震診断


もし第三者による耐震診断を受けているマンションであれば
耐震診断の結果を確認しましょう。

これにより、建物の現在の耐震性能を客観的に知ることができます。

不動産会社に質問すると教えていただけます。

まとめ

3つのまとめが書かれている画像
①1981年以降の建築でも建築確認申請の年月で判断する
②これは危険!!ピロティ、複合用途マンション、混構造
③長期修繕計画があるか、住宅ローン要確認、耐震診断あれば確認

旧耐震マンションは、確かに立地の良い物件が手頃な価格で手に入るというメリットがあります。
しかし、そのメリットと引き換えに、皆さんとご家族の安全を危険にさらす可能性があるのです。

個人的な意見を言えば、今の私なら旧耐震マンションを購入することはありません。

ただし、すべての旧耐震マンションが危険だというわけではありません。
適切な維持管理がされているマンションもあります。
大切なのは、リスクを正しく理解した上で、慎重に判断することです。

マンションを購入する際は、不動産取引の知識だけでなく、マンション管理に関する深い理解を持つ専門家にアドバイスを求めることをおすすめします。
なぜなら、マンションの「売買」の知識・経験と「管理」の知識・経験は別物だからです。

最後に、南海トラフ地震への備えとして、どの家に住むにしても、家具の固定や非常食の備蓄など、できる対策はしっかりと行いましょう。

皆さんの安全で快適な住まい選びのお役に立てれば幸いです。マンションの購入や管理について、分からないことがあればいつでもご相談ください。

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