国府宮 的射神事(まといしんじ)とは|意味・由来・三柱の神様を解説 【2026年 大鏡餅奉納・餅切始、なおいぎれ

トラックの荷台に鎮座する、三段重ねの巨大な大鏡餅のクローズアップ。一番上には大きなダイダイが載り、餅の表面には乾燥によるひび割れが見える。周囲には魔除けの「なおいぎれ」が風に棚引いている。

こんにちは。稲沢あんしん不動産、弊社代表の佐藤です。国府宮神社から徒歩1分の場所に事務所を構えており、毎年はだか祭りの一連の神事を間近で見ています。

今回は、はだか祭り前日の「大鏡餅奉納」、翌日の「大鏡餅餅切始」、そして「的射神事」、厄除けお守りの「なおいぎれ」をまとめてご紹介します。この3つは時系列でつながっており、知っておくと祭りをより深く楽しめます。

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稲沢あんしん不動産 代表取締役 佐藤高樹

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的射神事(まといしんじ)

旧暦正月17日(2026年は3月5日(木)午後7時)、境内の庁舎にて「的射神事(まといしんじ)」が斎行されます。通称「おまとう」と呼ばれ、約1250年続く儺追神事・一連の終幕を飾る神事です。

当日は平日の夜にもかかわらず、10〜20名ほどの参拝者とカメラマンが集まりました。3月とはいえ風が強く、冷え込みの厳しい夜でした。

神事の様子

漆黒の夜、境内の庁舎にほのかな提灯の明かりが灯ります。白装束の神職数名が畳の上に座し、中央の神職が巻物に記された祝詞を朗々と奏上します。読経のような独特の抑揚が、冬の夜気の中に静かに響きます。台の上には弓矢が置かれ、庁舎右手には白地に黒丸の描かれた的が立てかけられています。

参拝者はその周囲に身を寄せるように並び、誰も言葉を発せず、ただ神職の声と提灯の揺れだけが場を満たす時間が続きます。

国府宮はだか祭・的射神事(まといしんじ)。夜の庁舎内で白装束の神職数名が座し、提灯の明かりの中、祝詞を奏上している。右手には白地に黒丸の的が立てかけられ、台の上には弓矢が置かれている。参拝者やカメラマンが周囲から静かに見守っている。

夜の庁舎に提灯の明かりが灯り、祝詞が奏上される。右手に的、台の上に弓矢が見える。

祝詞が終わると、「的にかかろう」という合図の声が上がります。これが静寂を破る唯一の合図で、会場の空気が一気に引き締まります。

何のために行うのか

この神事には大きく2つの目的があります。

① 三柱の神様への祈り

「尾張大國霊大神・大御霊大神・宗形大神」の三柱の神様を神籬(ひもろぎ)にお招きし、悪疫退散・産業繁栄をお祈りします。

② 弓矢で魔を祓う

「山・谷・星」と書かれた三つの的を設け、神職が矢を放ちます。古来より弓矢には邪気・悪霊を射貫く力があると信じられており、矢を的に命中させることで、あらゆる方角・領域に潜む魔を祓い清めます。

「矢を放って悪霊をはらい、はだか祭の一連の神事に終止符が打たれた」― 中日新聞

三柱の神様とは——国府宮三社という一体の存在

この神事でお招きする三柱は、いずれも国府宮(尾張大國霊神社)の神様です。

神様正体鎮座
尾張大國霊大神(おわりおおくにたまのおおかみ)国府宮の主祭神。尾張地方の総鎮守神・農商業守護神・厄除神。尾張人の祖先がこの地を開拓する中で、土地の偉大なる霊力を神として敬い祀ったもの国府宮(本社)
大御霊大神(おおみたまのおおかみ)大歳神の御子神。五穀豊穣・農業の守護神境内別宮「大御霊神社」(境内南西)
宗形大神(むなかたのおおかみ)宗像三女神のひとり・田心姫命(たごりひめのみこと)。交通・航路の守護神境内別宮「宗形神社」(境内北東)

なぜこの三柱なのか

境内には末社「神明社」に天照大御神も祀られています。それなのになぜこの三柱だけをお招きするのか——。

答えは「神様の格のランキング」ではなく、「国府宮との縁の深さ」の話だからです。

この三社は古くから「国府宮三社(こうのみやさんしゃ)」という固有名称を持つ、一体の存在です。「別宮」とは、本宮の次に格式が高く、本宮と一心同体ともいえる特別な宮のこと。摂社・末社とは根本的に格が異なります。

区分国府宮との関係イメージ
別宮(大御霊・宗形)創建当初から本宮と一体の存在同じ家族
摂社・末社(神明社など)後から境内にお招きした神社長年の下宿人

末社の天照大御神は、最高神だからこそ全国どの神社の境内にも末社として祀られます。一方、大御霊神社・宗形神社は国府宮が創建された当初から国府宮と一体として信仰されてきた、この地にしかない縁を持つ神様です。

的射神事は、「国府宮三社の神様を総結集して、この地の厄災をすべて祓い清める」という明確な意図がある神事なのです。

なぜ「桑の弓・うつぎの矢」なのか

この神事で使われる弓は桑(くわ)、矢はうつぎの木で作られます。どちらも古来から霊力のある神聖な木として知られており、単なる弓矢ではなく、霊的な力を宿した神具として用いられます。

桑(くわ):古代から邪気を祓う力があるとされ、神事や呪術に用いられてきた木。

うつぎ:「空木(うつぎ)」とも書き、古くから神の依代(よりしろ)としての性格を持つ木。

この組み合わせに、神事としての深い意味が込められています。普段の弓道とはまったく異なる、神事ならではの厳粛な作法で執り行われます。

「山・谷・星」の的——天地すべての魔を祓う

「的にかかろう」の合図のあと、弓を持つ神職がゆっくりと射位(弓を射る場所)へと進みます。足運びの一つひとつに無駄がなく、神聖な所作が貫かれます。

そして「山!」「谷!」「星!」の掛け声とともに、三本の矢が順に放たれます。

掛け声象徴意味
一の的大地地上のあらゆる厄災
二の的水・大地の陰大地の深部・陰の領域
三の的天空のあらゆる厄災

弦が弾ける音、矢が風を切る音、的を射抜く乾いた快音——それが冬の夜の境内に響き渡るたびに、参拝者の間に静かな安堵が広がります。

この三つを射ることで、天地すべての領域・あらゆる方角から厄災を追い払い、国土全体の平穏を祈願するのです。

国府宮はだか祭・的射神事(まといしんじ)。庁舎内で神職が弓を引いている瞬間。奥には神饌台と白幕が設けられ、右手には神職2名が座して神事を見守っている。参拝者が静かに見守る中、矢が放たれる直前の緊張した一瞬。

弓を引き絞る神職。「山・谷・星」の掛け声とともに三本の矢が放たれる。

この神事が持つ意味——1250年の祈りの最後の一矢

「国土全体の平穏を祈願する」と聞くと、壮大すぎると感じるかもしれません。しかしそれは、現代の市町村の感覚で見るからです。

国府宮の「国府(こくふ)」とは、今で言う県庁のこと。奈良〜平安時代、尾張国の行政の中枢がまさにこの地に置かれていました。「国府の近くにある宮」だから「国府宮」という名前です。

当時の「総社制度」では、国司(今で言う県知事)が管内全ての神社を代表して参拝できる一か所として「総社」が定められました。国府宮はその尾張国の総社。国司つまり国家の代理人が、尾張一国の安寧をまとめて祈る場所として機能していた神社です。

さらに儺追神事の起源そのものが、称徳天皇の勅命による全国規模の悪疫退散の祈祷です。一地方の神社が自発的に始めたのではなく、天皇が全国に命じた国家事業として始まった。

つまりこの神社は「稲沢にある神社」ではなく、「古代の尾張の首都にあった、国家が祈りを託した場所」です。国土全体の平穏を祈願するのは盛った表現ではなく、国府宮という神社の本来の役割そのものなのです。

そのことを踏まえてはだか祭りの流れをおさらいすると——

儺追神事(3月1日):神男がもみ合いで人々の厄を一身に引き受ける。

夜儺追神事(3月2日 深夜3時):神男が厄を背負い境外へ追い出され、土餅を土中に封じる。

的射神事(3月5日):弓矢で残る魔を射ぬき、すべての神事が完結する。

神男が厄を引き受け、夜儺追神事で境外へ追い出し、そして的射神事で矢を放って魔を祓う——この三段階が揃って初めて、一連の儺追神事がすべて完結します。

昼間の裸男たちの熱狂とはまったく異なる、静寂の中の1250年の祈り。その最後の一矢——それが的射神事です

大鏡餅とは

国府宮神社に奉納される大鏡餅は、重さ約4トン・高さ約2.35メートルにもなる巨大な鏡餅です。もともとは小さかったものが、昭和に入り奉納地の名誉を競うように次第に大きく作られ、現在に至っています。

尾張近郊の地区が持ち回りで奉納しており、2026年は北名古屋市が担当します。

大鏡餅奉納【2026年2月28日(土)】13時

「国府宮大鏡」と書かれた横断幕が掲げられたトラックの荷台。積み上げられた巨大な白い餅には、赤い飾り紐や黒い昆布が巻かれ、周囲には願い事が書かれたカラフルな「なおいぎれ」が結び付けられている。
色鮮やかな「なおいぎれ」で彩られた奉納大鏡餅
国府宮神社の参道に集まる大勢の参拝客と祭り関係者。白い法被を着た「はだか祭」の参加者や、青い制服の消防団が密集しており、奥には黄色いクレーン車が見える活気ある境内の風景。
大鏡餅奉納に集まる多くの参拝客とはだか祭関係者

大鏡餅の奉納は、はだか祭り本番(3月1日)の前日に行われます。尾頭付きの鯛や伊勢エビ、100本の水引き、松などで豪華に飾り付けられた大鏡餅が大型トラックで参道に運ばれ、クレーン車で吊り上げて拝殿へ納められます。

国の重要文化財である楼門を通過する際は、羊かんで作っただいだいを取り外してから台車に載せ替えて通過させます。天井すれすれのギリギリの通過で、見学者が思わず息をのむ瞬間です。

2026年は土曜日開催のため、見学者が例年より多いかもしれません

大鏡餅の奉納に先立ち、町内会・市内中学校の卒業生の会・祭り設営業者の会・ボーイスカウトとガールスカウトなど、各団体が小ぶりな鏡餅を次々と奉納します。拝殿の中が鏡餅でいっぱいになっていく様子も見どころのひとつです。

夜の儺追殿昇殿参拝(神男のお加持)

奉納の夜には、儺追殿にこもる神男から「加持(かじ)」を受ける昇殿参拝が行われます。初穂料は1名1,000円です。

加持(かじ)とは、仏教用語です。「加」は慈悲の心、「持」は信仰の心を意味し、この二つが一つになることで「加持」となり、ご利益が得られるとされています。つまり、神男の慈悲と、参拝者自身の信仰心が合わさって初めて、厄を祓う力が生まれるという考え方です。

以前、夜9時前に国府宮神社へ行ったことがありますが、かなりの長い行列ができていました。

結局、その日は諦めたこともあるぐらいでした。それほど多くの方が神男の加持を求めて訪れています。

神男の選定や精進潔斎の詳細は国府宮はだか祭り完全ガイドで詳しく解説しています。

大鏡餅餅切始【2026年3月2日(月)午前8時〜】

はだか祭りの翌日、3月2日(月)午前8時から「大鏡餅餅切始」が始まります。

まず拝殿にて神事が執り行われます。餅を奉納した奉賛会の関係者が、大きな鉈(なた)を金槌で叩きながら豪快に切り始めます。

よいしょ!」の掛け声とともに金槌が振り下ろされ、時には空振りして周囲から笑いがこぼれることも。

夜儺追神事の厳粛な雰囲気とは打って変わって、和やかな笑顔に包まれた神事です。

大まかに割られた後は、餅切り包丁でさらに細かく切り分けられ、一般の方へ授与されます。

国府宮神社の大鏡餅餅切始の行列の様子。午前8時の開始直後から多くの参拝者が並び、長蛇の列ができている。手前には「大鏡餅切餅 2個200円」と書かれた看板が立っている。
午前8時の開始直後からこの行列。2026年は社殿改修工事のため2個200円に改定。
お昼1時過ぎの行列の状況 大鏡餅餅切始(おおかがみもちもちきりはじめ)
お昼1時過ぎの行列の状況 大鏡餅餅切始(おおかがみもちもちきりはじめ)

神事を経て切り分けられたこのお餅には、「食べると夏病みをしない」という信仰があり、毎年多くの参拝者が行列をつくって求めます。

2026年は、社殿改修工事のため初穂料が改定され、2個200円となっています。(看板でご確認ください)

項目内容
日時3月2日(月)午前8時〜午後3時頃
授与期間3日間程度
価格2個 200円(2026年・改定後)
購入上限当日現地で確認

午前8時の開始直後から長蛇の列ができます。 お昼を過ぎても行列が続くほどの人気ぶりです。神社近くの駐車場が満車になりやすいため、公共交通機関の利用をおすすめします。できるだけ早めにお越しください。

なおいぎれ(儺追布)とは

はだか祭りの翌朝の様子。朝の8時ですでに行列が。
はだか祭りの翌朝の様子。朝の8時ですでに行列が。
国府宮神社のなおいぎれ(赤い布)と儺追大鏡餅の包み紙。はだか祭りの厄除けお守り。なおいぎれは5本500円で授与され、カバンや自転車に結んで1年間の厄除けお守りとして使われます。大鏡餅は毎年3月2日の餅切始から授与されます。
なおいぎれ(赤)と儺追大鏡餅の包み紙

なおいぎれは、神男(しんおとこ)が3日3晩の精進潔斎を経て祈祷を受けたあとに引き裂いた布です。「儺追(なおい)」は「難を追い払う」という意味で、はだか祭りを代表する強力な厄除けのお守りとして知られています。

国府宮神社の授与所で年間を通して入手できます。初穂料は5本500円です。

古いなおいぎれは返します
古いなおいぎれは返します

古いなおいぎれは境内東側の「古神札納所」に結んでお返ししてから、新しいものをお受けください。有効期限は1年です。

地元の方は車のバックミラーや自転車のハンドルに結ぶ方が多く、国府宮周辺ではよく見かける光景です。カバンに結ぶ、財布に入れる、部屋に飾るなど、生活のあちこちに取り入れる方法があります。

早速、私も会社の車に結びました。事務所が国府宮神社のすぐ隣にあり、あらためてありがたいなと思いました。

餅切始のあとも神事は続く

的射神事(まといしんじ)

的射神事は、「尾張大國霊大神・大御霊大神・宗形大神」の三柱の神様をお招きし、悪疫退散・産業繁栄をお祈りする当社の特殊神事です。

「山・谷・星」の的を設け、桑(くわ)の弓にうつぎの矢をつがえて的を射ることで魔を祓います。桑やうつぎはいずれも古くから霊力のある木とされており、この組み合わせに神事としての深い意味が込められています。普段の弓道とは異なる、神事ならではの作法と緊張感のある神事です。

まとめ:3日間の流れ

日付神事時間目安
2月28日(土)大鏡餅奉納午後1時頃〜
3月1日(日)はだか祭り本番(儺追神事)午後2時頃〜
3月2日(月)大鏡餅餅切始・なおいぎれ授与午前8時〜午後3時頃

はだか祭りは本番当日だけでなく、前日の奉納から翌日の餅切始まで、3日間を通して楽しめる神事です。「このお餅を食べると夏病みをしない」という言い伝えを胸に、ぜひ行列に並んでみてください。

国府宮神社のことをもっと詳しく知りたい方は国府宮神社(尾張大國霊神社)完全ガイドもあわせてご覧ください。

■ 国府宮神社の年間イベント

1月|国府宮神社の初詣完全ガイド
3月|国府宮はだか祭り(儺追神事)完全ガイド
2~3月|大鏡餅奉納・餅切始・なおいぎれ完全ガイド
3月|的射神事(まといしんじ)
4月|国府宮神社の桜まつり
5月|馬まつり(梅酒盛神事)
7月|国府宮除疫祭・茅の輪くぐり
8月|国府宮神社の盆踊り大会
10月|稲沢まつり完全ガイド
秋|全国陶器まつり(国府宮神社参道)
春|いなざわ植木まつり(国府宮神社参道)

■ 稲沢市・近郊の年間イベント

2月|国府宮はだか祭り(儺追神事)
2月|いなざわ梅まつり
3〜4月|国府宮神社の桜まつり
6月|稲沢あじさいまつり(大塚性海寺歴史公園)
7月|一宮七夕まつり
7月|風鈴ストリーム(稲沢市平和町)
7月|国府宮除疫祭・茅の輪くぐり
8月|稲沢夏まつり・ナイアガラ花火
8月|国府宮神社の盆踊り大会
10月|稲沢まつり完全ガイド
11月|稲沢カレーフェスティバル
11月|そぶえイチョウ黄葉まつり
11月|稲沢サンドフェスタ

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状況の整理からご相談ください。

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