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相続登記の必要書類チェックリスト|法務局に行く前の準備

法務局に行ったのに、書類が一枚足りなくて出直しになった。相続の手続きをご自分で進めようとした方から、私がよく聞く話です。
決して珍しいことではありません。多くの方にとって相続登記は一生に一度あるかないかの手続きですから、何を集めればいいのか、役所の窓口で何と頼めばいいのか、最初は誰もが手探りです。
この記事では、相続登記に必要な書類を、ご自分で集められるようにチェックリストの形でまとめました。愛知県西部で相続のご相談を受けている当社の実務をもとに、稲沢市や一宮市での具体的な取り方も添えています。集める前にざっと目を通しておくと、二度手間がぐっと減るはずです。
まずは全員共通の基本書類5点

家族で話し合って分けるケースでも、遺言書があるケースでも、最初に集める書類は共通です。この5点が土台になります。
- 亡くなった方の戸籍(生まれてから亡くなるまでの連続したもの)
- 亡くなった方の住民票の除票(本籍地入り)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 新しく名義人になる方の住民票
- 固定資産評価証明書
ひとつずつ、つまずきやすいところを補足します。
亡くなった方の戸籍は「広域交付制度」で楽になりました
一番手間がかかるのが、亡くなった方の生まれてから亡くなるまでの戸籍です。以前は本籍地が変わるたびに、いくつもの市区町村へ別々に請求する必要がありました。
ただ、2024年3月から「広域交付制度」が始まりまして、今は最寄りの役所の窓口1か所で全国分をまとめて請求できるようになりました。稲沢市にお住まいなら稲沢市役所の窓口で、「生まれてから亡くなるまでの戸籍を全部ください」と伝えれば足ります。
便利になった一方で、いくつか注意点があります。請求できるのは窓口での本人請求のみで、郵送や代理人ではできません。取れるのも本人・配偶者・親・子・孫といった直系の親族の分に限られます。兄弟姉妹の戸籍が必要な場合は、従来どおり本籍地の役所への請求になります。身分証明書は運転免許証やマイナンバーカードなど顔写真付きのものが要りますので、保険証だけでは受け付けてもらえないことがあります。
それと、コンピュータ化されていない古い戸籍は広域交付の対象外です。昭和の時代の戸籍が含まれるときは、その分だけ本籍地の役所へ別に請求が必要になる場合があります。
残りの4点も、頼み方にコツがあります
亡くなった方の住民票の除票は、亡くなった時点での住所を証明するものです。窓口では「本籍地入りの除票をください」と伝えるのがコツで、本籍地が入っていないと登記で使えないことがあります。
相続人全員の戸籍謄本は、今ご存命のご家族の分です。ここで一点、家族で話し合って分ける場合は、財産をもらわない方も含めた全員分が要ります。名義人になる方の分だけ用意してしまい、法務局で足りないと言われる、というつまずきが多いところです。遺言書があるケースでは、新しく名義人になる方の分だけで構いません。
新しく名義人になる方の住民票は、遺言書のあるなしにかかわらず、どのケースでも必要です。
固定資産評価証明書は、名義変更にかかる税金(登録免許税)を計算するために使います。不動産がある市区町村の役所で取れますので、稲沢市の不動産なら稲沢市役所、一宮市なら一宮市役所、という具合です。
パターン別の追加書類
基本5点が揃ったら、次はご自分のケースに合わせて書類を足します。よくあるのは次の2パターンです。
パターン1:家族で話し合って分けた場合
一番多いケースです。基本5点に加えて、次の2つが要ります。
- 遺産分割協議書
- 相続人全員の印鑑証明書
遺産分割協議書は、誰が何をもらうかを家族全員で合意したことを示す書類です。全員が実印を押すため、その実印を証明する印鑑証明書も全員分そろえる、という組み合わせになります。
パターン2:遺言書がある場合
基本5点はそのまま全部必要で、そこに遺言書の原本が加わります。
遺言書に「この不動産を〇〇に相続させる」と書かれていれば、印鑑証明書や遺産分割協議書は原則として要らず、名義人になる方が単独で申請できることが多いです。ただ、遺言書の文言ひとつで手続きの進め方が変わってきます。たとえば「遺贈する」という書き方だと、必要書類や手続きが別になることがありますので、迷うときは専門家に確認しておくと確実です。
なお相続登記そのものの全体像や、自分でやるか専門家に頼むかの判断は、別の記事でも触れています。あわせて読みたい方は[自分でやるか専門家に頼むかの分かれ目](https://inazawa.estate/souzoku-toki-jibun-shihoushoshi-handan/)をご覧ください。
集めた書類は「原本還付」で手元に残す
意外と知られていないのですが、法務局に出した書類は、原則そのままでは戻ってきません。
相続では、不動産の名義変更が終わったあとに、銀行口座の名義変更などで同じ戸籍や除票を使う場面が出てきます。そのたびに取り直すのは時間もお金ももったいないので、「原本還付(げんぽんかんぷ)」という手続きを使ってください。
やり方はシンプルで、書類のコピーを一緒に提出して「原本は返してください」と伝えるだけです。ただ、原本が戻るのは登記が完了してから1〜2週間後になります。その間は他の手続きにその原本を回せませんので、銀行の手続きと登記の順番は先に考えておくと、待ち時間で困りません。
書類が一通りそろったら、いよいよ申請です。手続き全体の流れや当社の関わり方は、相続不動産の売却サポートの考え方でも紹介しています。
よくある質問
相続登記はいつまでにやればいいですか?
2024年4月から相続登記は義務になりました。正当な理由なく放置すると過料の対象になる場合がありますので、書類がそろい次第、早めに進めておくと安心です。義務化の中身は[相続登記の義務化で何が変わったか](https://inazawa.estate/souzokutouki-gimuka/)で詳しく整理しています。
戸籍は広域交付制度を使えば全部1か所で取れますか?
直系の親族の分で、かつコンピュータ化された戸籍であれば、最寄りの役所1か所で取れます。兄弟姉妹の戸籍や、コンピュータ化されていない古い戸籍は対象外で、本籍地の役所への請求が必要になることがあります。
相続人全員の戸籍が必要なのは、財産をもらわない人の分もですか?
家族で話し合って分ける(遺産分割協議の)場合は、財産をもらわない方も含めて全員分が必要です。遺言書があるケースでは、新しく名義人になる方の分だけで足りることが多いです。
固定資産評価証明書はどこで取れますか?
不動産がある市区町村の役所で取れます。稲沢市の不動産なら稲沢市役所、一宮市なら一宮市役所、という形です。複数の市にまたがって不動産があるときは、それぞれの役所で取る必要があります。
書類は原本を提出したら返ってこないのですか?
原則は戻りませんが、「原本還付」の手続きを使えば返してもらえます。コピーを添えて「原本は返してください」と伝える流れです。戻るのは登記完了後の1〜2週間後になります。
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なお、本記事の税金に関する記述は一般的な解説です。個別のケースについては、税理士または所轄の税務署にご確認ください。


