相続登記は自分でやるべき?司法書士に依頼する判断基準

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佐藤高樹

執筆者:佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/業界28年・査定実績5,000件超
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「司法書士に頼んだら何十万もかかると聞いた。自分でやれば安く済むんじゃないの?」

相続のご相談を受けていると、この質問を本当によくいただきます。気持ちはよく分かります。名義を変えるだけのことに、なぜそんなに費用がかかるのかと。

先に私の考えをお伝えすると、これは「どちらが正解」と一律には言えません。条件次第で、自分でやったほうがいい人もいれば、司法書士に任せたほうが結果的に安く・早く済む人もいます。今日は、その分かれ目になる判断基準を、費用と手間の両面から正直にお話しします。

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自分でやる場合、安くなるのは「報酬」だけ

まず誤解されやすいところから。自分でやれば全部が安くなる、というわけではありません。

相続した不動産の名義を変えるとき、「登録免許税」という税金がかかります。これは固定資産税評価額の0.4%。自分でやっても司法書士に頼んでも、この金額は変わりません。戸籍などの書類を取る実費も、ほぼ同じです。

つまり、自分でやって浮くのは司法書士への「報酬」の部分。ここがゼロになるのが、自分で手続きする最大のメリットです。逆に言えば、節約できるのはそこだけ、とも言えます。

自分でやるときにつまずきやすい3つの壁

報酬が浮くなら自分でやりたい、と思われるかもしれません。ただ、実際にやってみると、思っていたより手間がかかる場面があります。

平日しか動けない、書類集めに1〜2ヶ月

法務局の窓口は平日しか開いていません。お勤めの方だと、ここがまず引っかかります。

戸籍などの必要書類を集めるだけでも、1〜2ヶ月かかることがあります。ご自分のケースで「どの書類が要るのか」を調べるところから始まるので、慣れていないと、ここで一度足が止まりがちです。

古い戸籍という、見落としやすい落とし穴

最近は「広域交付制度」ができて、最寄りの役所で全国の戸籍がまとめて取れるようになりました。便利になったのは確かです。

ただ、コンピュータ化されていない昔の戸籍は、この制度の対象外になることがあります。そういうときは、従来どおり郵送で取り寄せる必要が出てきます。

さらに厄介なのが、古い手書きの戸籍を自分で読み解く作業です。明治や大正の戸籍は達筆な手書きで、これを正確に追いかけるのが想像以上に大変なんですよ。相続人をたどる作業なので、ここを読み違えると手続き自体が進みません。

自分でやっても無理がないのはこんなケース

逆に、シンプルな状況なら自分でやれないことはありません。目安としては、相続人が少ない、対象の不動産が1つだけ、そして遺産分割の話し合いがすんなりまとまっている、といったケースですね。

このあたりが揃っているなら、時間と平日の動きやすさを確保できる方は、挑戦してみる価値はあると思います。

司法書士に頼むと何が変わるのか

では、お金を払って司法書士に頼むと何が変わるのか。理由は大きく2つあります。

ひとつは、時間と労力、そして安心をまとめて任せられること。書類集めから申請まで一通りやってもらえます。書類の不備を気にしなくていい、平日に何度も法務局へ通わなくていい、というのは、忙しい方にとってかなり大きい部分です。

それともうひとつ、見落とされがちな効果があります。相続人の誰かが自分で手続きを進めると、他の相続人から「あの人が勝手に動いているのでは」と疑われてしまうことがあるんです。第三者であるプロが間に入ると、こういう身内の余計な摩擦が起きにくくなります。お金には換えにくい価値ですが、もめごとを未然に防げるのは大きいと感じています。

相続に強い司法書士なら「次の相続」まで見てくれる

もし相続を専門に扱っている司法書士に頼めば、「二次相続」のアドバイスをもらえることがあります。

二次相続というのは、ざっくり言うと「その次の相続のことまで考えていますか」という話です。たとえばお母さまの相続のあと、お子さんへ引き継ぐときのことまで見据える視点ですね。

目先の10万円を惜しんで、数年後の相続税で大きく損をしてしまう。これは自分で手続きを進めていると、まず気づきにくい視点です。気づいたのが数年後だと、打てる手が限られてしまうこともあります。10万円や15万円の節約どころではない差になる可能性もあるので、ここは頭に置いておきたいところです。

費用の差はどれくらい?評価額2,000万円で比べてみる

抽象的な話だと判断しにくいので、評価額2,000万円のケースで実際に計算してみます。

自分でやる場合は、登録免許税が8万円、書類の取得費用が約1万円で、合計はおよそ9万円。司法書士に頼む場合は、ここに報酬の7〜15万円が加わって、合計でだいたい16〜24万円というあたりです。

差額にすると、最大でおよそ15万円。これが「自分でやるか、プロに任せるか」を分ける、いちばん具体的な数字になります。

正直に言えば、この15万円をどう見るかは人それぞれです。手間と平日の時間を使ってでも浮かせたい方もいれば、安心と確実さを買いたい方もいます。どちらが間違い、ということはありません。

まとめ:差額をどう考えるかが分かれ目

相続登記は、一生に何度もあることではありません。だからこそ、確実に終わらせたいと考えて、多くの方がプロに頼む選択をされています。

ただ、相続人が少なくて、不動産も1つ、話し合いもまとまっている。そういうシンプルなケースなら、自分でやれないことはありません。費用の差は最大で15万円ほど。ここを節約と見るか、安心料と見るかで、答えは変わってきます。

ひとつだけ付け加えると、途中で行き詰まると、結局あとから費用も時間も余計にかかることがあります。「自分でいけそうか」を最初に見極めておくのが、遠回りしないコツかなと思います。

相続登記そのものの流れや全体像については[相続登記の手続きと費用の全体像](https://inazawa.estate/souzokutouki-gimuka/)で、手続きに必要な書類のそろえ方は[相続登記で集める書類の一覧](https://inazawa.estate/souzoku-toki-hitsuyou-shorui-checklist/)でそれぞれ詳しくまとめています。あわせて読んでいただくと、ご自分のケースで自分でやれそうかどうかの見当がつきやすいと思います。

よくある質問

Q. 相続登記は自分でやると、どれくらい安くなりますか? A. 浮くのは司法書士への報酬の部分です。評価額2,000万円のケースだと、報酬の目安は7〜15万円。登録免許税や書類の実費は自分でやっても変わりません。

Q. 自分でやるのに向いているのはどんな人ですか? A. 相続人が少ない、対象の不動産が1つだけ、遺産分割の話し合いがまとまっている、平日に動ける時間がある。このあたりが揃っている方は、自分でやれる可能性が高いです。

Q. 司法書士に頼むメリットは費用以外にありますか? A. 書類集めから申請まで任せられる手間の軽減に加えて、第三者が入ることで相続人どうしの摩擦が起きにくくなります。相続に強い司法書士なら、次の相続まで見据えたアドバイスをもらえることもあります。

Q. 古い戸籍が読めないのですが、自分で進められますか? A. 明治・大正の手書き戸籍の読み解きは、想像以上に大変な作業です。古い戸籍が絡むケースは、無理に進めず専門家に相談したほうが結果的に早いことが多いです。

Q. どちらにすべきか自分では決められません。誰に相談すればいいですか? A. 当社では司法書士や税理士と連携してご相談に対応しています。相続不動産の売却と手続きの進め方もご覧いただきつつ、判断に迷われたら一度お話を聞かせてください。状況をうかがったうえで、自分でやれそうか、頼んだほうがいいかの見当をお伝えできます。

なお、本記事の税金に関する記述は一般的な解説です。個別のケースについては、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

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  • 稲沢市の相続のご相談(5つの窓口で比較)

ここまで読んで「うちの場合はどうなんだろう」と感じた方は、
状況の整理からご相談ください。

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