分譲マンションの給水管更新、時期、方法、費用 長期修繕計画の見直しから思ったこと

佐藤先生

マンションの給水管の更新工事は高いですよ。
長期修繕計画の見直しで予算を抑えたいですが悩ましい問題です

こんにちは。稲沢あんしん不動産の佐藤です。

顧問先マンションの長期修繕計画の見直しで
予算の見直しで給水管のことで悩んでいます。

そのマンションでは、管理会社が作成した長期修繕計画で、
2年後に給水管の更新工事が予定されており、
約2200万円が計上されています。

しかし、修繕積立金が十分でないため、この工事を少しでも先送りできないか、いろいろ検討しています。

このマンションの状況を調査・確認したところ、
2年前に給水管の劣化診断で内視鏡検査を実施していました。

その検査結果では
「急いで工事を行う必要はない」という判定でした。
実際、当時の理事会議事録を確認しても
「今すぐ必要がないため、様子を見る」という結論になっていました。

ただし、このマンションの給水管は塩化ビニルライニング鋼管とコート継手が使用されています。
この時代の配管材は、継手部分からの漏水や錆が原因の漏水が懸念されるため、
一般的に30年程度が更新の目安とされています。

なので給水管のメンテナンスは必須です。
しかし、管理組合の予算にも限りがあるので悩みどころです。

他のマンションでも、給水管の更新について悩んでいる管理組合の方も多いのではないかと考え、今回の記事を書くことにしました。

目次

1. 給水管更新の時期の目安

築年数による更新時期の目安について

  • 30年以上前に立てられたマンションで管の種類が塩化ビニルライニング鋼管では、だいたい30年ぐらいが目安です。
  • それ以降の最近のマンションだと約50年超

ただし、これはあくまでも目安です。

特に注意が必要なのが
1980年代によく使用された塩化ビニルライニング鋼管です。
この管は内部は樹脂でコーティングされていて丈夫なのですが、
継手部分の錆びによる劣化が問題となります。

2. 更新の時期が近づいたら検査が大切

給水管の状態を確認する方法として、
内視鏡検査が一般的です。
配管内にカメラを入れて直接状態を確認できます。

費用の目安:1現場あたり15~30万円程度
その他の検査方法として超音波検査、X線検査などもあります。

3. 給水管の更生工事と更新工事

工事にも種類があります。既存の配管を活かした更生工事と、すべて新品に交換の更新工事とあります。

①更生工事

  • 既存の配管内部をコーティング
  • 工期が短く費用も安い
  • 耐用年数は施工会社によりバラバラ

②更新工事

  • 配管を新しく取り替え
  • 工期は長いが寿命が長く費用も高額
  • 耐用年数30~50年超

4. マンションの給水管の更新の費用の相場

更新の費用の目安ですが

40~50戸で約2,000万円(1戸あたり30~50万円)と修繕積立金に余裕がないと厳しいですね。
もちろんマンションによっては、バイパス工事といってあらたに配管を引き直す場合もありえます。

※規模や工事内容により変動します

5. まとめ:専門家への相談のタイミング

マンションも30年を超えると給水管の交換は検討が必須の時期になります。
長期修繕計画に予算を計上し、
交換時期が近づいたら、
検査を行いできるだけ交換時期を延ばしながら使用していくことになります。

マンションの管理は大規模修繕工事など含めてトータルで計画的に考えないといけません。

マンションの管理で困ったらお近くの専門家に早めにご相談をしてください。

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