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愛知県不動産市況の令和8年5月速報|日銀1%利上げで売り時はどう変わったか

2026年5月の愛知県不動産市況が出ました。
今回は、5月の中部レインズの数字に加えて、2026年6月16日の日銀の政策金利1.0%への利上げまで重ねて見ています。
5月の古い振り返りではなく、今この時点で「売り時がどう変わったか」を見る答え合わせです。
前回の4月速報では、かなり強めに「待つメリットは少ない」とお伝えしました。
では、5月はどうだったのか。
正直に言うと、5月の数字から相場の上下は読み切れません。マンションは強い。戸建と土地は横ばい。件数も4月から少し戻しました。
ただ、金利・物価・手取りの流れを見ると、買い手が今より強気になりにくい空気はあります。
動画でも同じ内容を解説しています。読むより観たい方は、こちらからどうぞ。
【結論】相場の上下は読めない。でも「待つと不利」は読める

私の結論から言います。
相場が上がるか下がるか——これは正直、誰にも読めません。プロでも読めない、いわば賭けです。
でも、もうひとつ「読める」ことがあります。それは、待つほど、売る側が不利になっていく、という流れです。
売る側にとって、待つことには逆風が2つ、同時に強くなります。
ひとつは、ライバルが増えること。売り物は過去3年でいちばん多く、待つほど比べられる相手が増えます。
もうひとつは、買い手の予算が減ること。金利が上がって手取りが増えないので、あなたの家に手が届く人が減っていきます。
売り物は増え、買える人は減る。この2つに上下から挟まれて、待つほど売りにくくなる——これが今の正直なところです。

上がるかどうかは賭け。でも「待つと不利」は読める。だから、稲沢市・一宮市で実家・空き家・土地の売却を考えている方は、売れるうちに動ける状態にしておくのがいいと思います。
今すぐ売れ、という話ではありません。まずは「自分の家が今いくらで売れるのか」を知っておく。売る・売らないの判断は、それからで大丈夫です。
理由①|買い手は本格的に戻ってきていない(件数)

成約件数は、1ヶ月で実際に売れた数です。
市場の温度を見るなら、まずここを見ます。
2026年5月の愛知県の成約件数は、次の通りです。
- 中古マンション:432件
- 中古戸建:286件
- 土地(100〜200㎡):216件
4月と比べると、マンションと土地は少し戻しました。戸建はほぼ横ばいです。
ただ、3月のピークと比べると見え方が変わります。
3月は、マンション550件、戸建391件、土地303件でした。そこから5月は、マンションが約21%減、戸建が約27%減、土地が約29%減です。

4月より増えた数字はあります。
でも、3月の山から見ると、まだ低い位置で少し戻した程度です。
買い手が本格的に戻ったなら、もう少し3月に近い水準まで戻ってほしいところです。今は、波が引いたあとに少し揺れたくらいに見ています。

売る立場から見ると、「5月に少し増えたから強気でいい」とは取りにくい場面です。
理由②|売り物が多いまま、値段も伸びていない(在庫+価格)

在庫は、過去3年で最も高い水準が続いている
在庫というのは、市場に出ているけれど、まだ売れていない物件の数です。
2026年5月の愛知県では、戸建の在庫が5,470件、土地の在庫が3,977件でした。
ピークは2026年1月です。戸建5,495件、土地4,035件でした。
そこから少し下がったものの、5月もまだ高い水準のまま、下がってきません。過去3年で見ても、売り物がかなり多い状態です。

売却を検討されている方から見ると、自分の物件の横に、たくさんの比較対象が並んでいる状態です。
買い手は、その中から条件の良い物件を選びます。価格、立地、築年数、土地の形、駐車場、室内の状態。比べられる項目が増えるほど、強気すぎる価格は残りやすくなります。
価格はマンションが強く、戸建・土地は伸び悩み
2026年5月の平均成約価格は、次の通りです。
- 中古マンション:2,672万円、前年比+11.7%
- 中古戸建:2,730万円、前年比▼1.0%
- 土地(100〜200㎡):2,181万円、前年比+1.2%
数字だけ見ると、マンションはかなり強く見えます。
反対に、戸建はやや弱め。土地は前年より少しだけプラスですが、2024年の高い時期からは下がってきた流れが続いています。

ここで気をつけたいのが、愛知県平均の見方です。
中古マンションの+11.7%は、名古屋市や駅近、築浅、リフォーム済みの物件が引っ張っている面があります。
稲沢市内のマンションまで、同じ温度で売れているわけではありません。

戸建や土地は、もっと物件ごとの差が出ます。
郊外の古い戸建、形が悪い土地、再建築不可の物件は、相場より高いままでは買い手の反応が鈍くなります。
戸建と土地が弱めの流れは、先月から続いています。前回の速報も合わせてご覧ください。2026年4月の愛知県不動産速報(ナフサショック)
つまり、あなたの戸建や土地も、似た売り物がたくさん並ぶ中で「選ばれる工夫」をしないと、値段を下げる方向に流されやすい——そういう場面です。
理由③|政策金利1%+物価+手取り=買い手の購買力が下がる方向

2026年6月16日、日銀は政策金利を1.0%に引き上げました。
1995年以来、31年ぶりの高さです。
これは5月速報を見るうえでも外せません。不動産売却は、今の数字だけでなく、これから買う人の予算で決まるからです。
すでに住宅ローンを借りている方は、多くの銀行で4月1日と10月1日に金利を見直します。
6月の利上げが、すぐ7月の返済額に乗るとは限りません。
ただ、これから住宅ローンを申し込む買い手や、毎月見直し型の商品では、7月以降に早めに影響が出る可能性があります。
売却を検討されている方に関係が深いのは、これから借りる買い手です。
金利が上がると、毎月の返済額が増えます。同じ年収なら、借りられる金額は下がりやすくなります。つまり、買える物件の予算が小さくなるわけです。
4,000万円を35年ローンで借りる場合、金利が0.5%上がると、月の返済額は約9,559円増えます。
35年合計では約401万円の差です。元利均等返済で見た場合の目安です。

しかも、買い手の負担は金利だけではありません。
物価は上がる。社会保険料も上がる。給料が増えても、自由に使える手取りがなかなか増えない。
この流れだと、買い手は前より慎重になります。
金利と住宅ローンの関係、そして売却価格への影響は、こちらの記事で詳しく整理しています。
あなたの家に手が届く買い手が、これから少しずつ減っていく。ここが、売る側にいちばん効いてくる部分です。
稲沢・一宮で売るなら|3つのお願い(県平均で値付けしない)

稲沢市・一宮市など愛知県西部で売るなら、県平均をそのまま使わないでください。
私からのお願いは3つです。
1. 「待てば上がる」を前提にしない
5月の数字を見る限り、上向き確定とは言いにくいです。
マンションは強いですが、戸建と土地は横ばいに近い。買い手の購買力は、金利・物価・手取りの面から下がる方向です。
売らずに持つ選択もあります。ただ、何となく先送りするのは避けたいところです。
2. 県平均で値付けしない
愛知県平均は、名古屋市の強さに引っ張られます。
集計の切り方にもよりますが、中部レインズの直近データでは、名古屋市の中古マンション平均成約価格は3,000万円を超えています。
愛知県全体の5月平均は2,672万円です。
この差を見ると、県平均より安いエリアがあることも分かります。稲沢、一宮、その周辺です。
県平均を見て強気に出すと、買い手から見ると「他の物件のほうが条件がいい」と判断されやすくなります。
3. 近い競合・成約と比べる
見るべきなのは、県全体の平均ではありません。
駅からの距離、校区、築年数、土地の形、接道、駐車場、空き家の状態。
マンションなら、管理費、修繕積立金、大規模修繕の履歴、管理組合の状態まで見ます。
ここがずれると、価格の土俵がずれます。
平均ではなく、「その物件が買い手からどう比較されるか」で見るほうが現実的です。

売却を進める流れを先に知りたい方は、こちらも読んでおくと整理しやすいです。
市況が読みにくい時こそ、慌てて安く買い取ってもらうより、相場で売り出して複数の買い手に比べてもらう方が、手元に残るお金は多くなりやすいです。

稲沢市・一宮市周辺で、実家・空き家・土地・マンションの売却を考えている方へ。
「売るか、持つか、解体して整理するか、迷っている」からでも大丈夫です。
まずは「今、自分の家がいくらで売れるのか」を知っておくだけでも、判断の土台になります。売る・売らないは、それからで大丈夫です。
価格を出す前に、競合と成約、管理状況、相続の事情を分けて見ます。
出典:中部レインズ 月例速報マーケットウォッチ 2026年5月度/中部レインズ 季刊サマリーレポート 2026年1〜3月期/日本銀行 政策金利決定(2026年6月16日)
FAQ

Q1. 令和8年5月時点で、愛知県の不動産は今売ったほうがいいですか?
今すぐ売れ、とは言いません。
ただ、金利・物価・手取りの流れを見ると、買い手の予算は下がる方向です。
稲沢市・一宮市の郊外で戸建・土地・空き家を持っている場合は、売れるうちに準備しておく価値はあります。
Q2. 5月は成約件数が少し増えたのに、なぜ買い手が戻っていないのですか?
3月のピークから見ると、まだ低い位置にあるからです。
5月は4月より少し増えましたが、3月比ではマンション約21%減、戸建約27%減、土地約29%減です。
小反発はありますが、本格回復と見るには早いです。
Q3. 中古マンションはまだ強いですか?
愛知県全体では強い数字です。
ただ、名古屋市や駅近、築浅、リフォーム済みの物件が引っ張っている面があります。
稲沢市内のマンションを同じ感覚で値付けすると、買い手の目線とずれることがあります。
Q4. 日銀の1%利上げは、売却にも関係ありますか?
関係あります。
売却を検討されている方に直接効くというより、これから買う人の住宅ローン予算に効きます。
買い手の毎月返済額が増えると、借入可能額が下がりやすくなります。結果として、売却価格にも影響が出る可能性があります。
Q5. 稲沢・一宮で売るとき、県平均を見て価格を決めてもいいですか?
県平均は参考程度です。
稲沢・一宮では、近いエリアの売出し物件と成約事例を見るほうが現実に合います。
土地の形、築年数、駅距離、接道、マンションなら管理状況や修繕積立金まで見て判断したほうが安全です。
※税金が絡む判断は、条件を整理したうえで税理士など専門家に確認してください。


