稲沢市の市街化調整区域|片原一色・法立・西光坊など13地区は家が建てられる!?34条11号

「市街化調整区域だから、家は建てられませんよ」
土地のご相談を受けていると、こう思い込んでいる方が本当に多いんです。
たしかに、市街化調整区域は「街を広げない」と決められた地域ですから、原則として新しく家を建てることはできません。
ただ、実は例外があります。
先に結論をお伝えします。稲沢市には、市街化調整区域の中でも住宅を建てられる可能性のある区域が、13地区あります。
都市計画法34条11号という仕組みにもとづいて、稲沢市が条例で指定した区域です。
この記事では「34条11号の区域」と呼びますね。
以下、こんな内容を順番に整理していきます。
- 34条11号の区域とは何か
- 稲沢市のどこが指定されているか(13地区・19区分)
- 家を建てるための条件(場所・広さ・高さ・用途の4点セット)
- 売却のときに、なぜ有利に働くのか
- 自分の土地が入っているか調べる方法
この区域に土地をお持ちの方にとっては、査定額に直結する話です。
少し専門的な言葉も出てきますが、なるべく噛み砕いてお話しします。
34条11号の区域とは|調整区域の中に浮かぶ「島」

市街化調整区域は、「ここは市街化を抑えましょう」と線引きされた地域です。
新しく家を建てることは、原則できません。
ただ、線引きされた時点で、すでに家がまとまって建ち並んでいた集落もありますよね。
そういう昔からの集落まで一律に建築禁止にしてしまうと、地域の暮らしが続かなくなってしまいます。
そこで用意されたのが、都市計画法34条11号です。
家が集まって建ち並んでいる集落を市が条例で指定し、その中では条件を満たせば住宅を建てられるようにする仕組み。
イメージとしては、市街化調整区域という大きな海の中に、ポツポツと浮かぶ「島」です。
島の中に入っている土地なら、これからお話しする条件を満たすことで、住宅を建てられる可能性があります。
ちなみに、似た仕組みに「地区計画」(34条10号)がありますが、これは別物です。
この記事で扱うのは、稲沢市が条例で指定した34条11号の区域のほうです。
稲沢市の指定区域は13地区(19区分)

稲沢市では、令和2年1月10日の告示(稲沢市告示第5号)で、34条11号の区域が指定されています。
対象は、次の13地区です。区域が複数に分かれている地区があるので、区分の数でいうと19になります。
- 片原一色(5区域)
- 儀長
- 井堀
- 桜方
- 二俣
- 鷲尾
- 須ケ谷
- 観音堂
- 法立(3区域)
- 平池
- 西光坊
- 横池
- 下起南
法立や西光坊など、平和町エリアの地区が多く入っているのが特徴です。
ご自身の住所と見比べるときは、町名の後ろの字名で照合してください。
たとえば「稲沢市平和町法立〇〇」なら、このリストの「法立」にあたります。
ここで、気をつけてほしいことがあります。
「地区名に載っているから、うちの土地も大丈夫」とは限りません。指定されているのは町名の全域ではなく、図面で線引きされた範囲だけです。
同じ地区内でも、線の内側と外側で扱いがまったく変わります。1筆ずつ、つまり土地1区画ごとに、図面と照らし合わせる必要があるんです。
その区域図を、19区分すべてこの下に載せておきます。
図をタップ(クリック)すると拡大できます。
赤色で塗られた範囲が指定区域です。
ご自身の土地のあたりを、探してみてください。



















出典:稲沢市「指定区域区域図」(稲沢市告示第5号・令和2年1月10日)をもとに掲載しています。
そのほか、稲沢市が公開している資料はこちらです。
家を建てるための条件|場所・広さ・高さ・用途の4点セット

島の中に入っていれば何でも建てられる、という話ではありません。
稲沢市の条例で、大きく4つの条件が決められています。
① 場所|道路と排水
敷地が、幅4m以上の道路に接していることが求められます。さらに、その道路が幅6m以上の道路につながっていることも条件です。
雨水や生活排水をきちんと流せること、つまり排水の環境も見られます。
田んぼの中の細い道にしか接していない土地だと、島の中でも建てられない場合があります。
ちなみに、前の道路の幅が4mあるかどうかを、ご自身で測る必要はありません。
ここは査定のご依頼をいただいたときに、私が調査で確認する部分です。
② 広さ|敷地200㎡以上
敷地面積は200㎡(約60坪)以上が基本です。
市街化区域の分譲地でよくある40坪前後の区画とは、感覚が違います。
逆に言えば、ゆったりした家づくりができる広さですね。
③ 高さ|原則10m以下
建物の高さは原則10m以下です。
2階建ての住宅なら、まず問題にならない高さです。
周りの集落の景観と釣り合いを取るための決まりです。
④ 用途|住宅(店舗との兼用も一部OK)
建てられるのは住宅、または店舗などとの兼用住宅(店舗部分50㎡以下)です。
アパートのような共同住宅や、大きな店舗・工場は対象になっていません。
4つそろって、はじめて土俵に乗ります。実際に建てるには市への許可申請が必要なので、早い段階で市役所や専門家に確認しておくのが安全です。
条例の原文を確認したい方は、稲沢市「都市計画法に基づく開発行為等の許可の基準に関する条例」(PDF)をどうぞ。
「人」ではなく「場所」につく仕組み|売却のときに効いてくる
ここからが、この区域に土地をお持ちの方に一番お伝えしたい話です。
市街化調整区域で家を建てる方法には、農家の分家住宅のように、建てる人の事情に紐づく許可もあります。この場合、土地を買った人が同じように建てられるとは限りません。
34条11号の区域は違います。
許可の根拠が「人」ではなく「場所」に紐づいているので、その土地を買った人も、条件を満たして市の許可を受ければ、家を建てられます。
売りに出したとき、「ここに家を建てたい」という一般の買主さんにも検討してもらえるわけです。
買主の層が広がるぶん、市街化調整区域の中では売りやすい土地になります。
実際、稲沢市内では34条11号の区域であることを前提にした売地が、市場に出ることがあります。
私も土地の査定では、この区域に入っているかどうかを必ず確認しています。
相続した実家が市街化調整区域にある、という方は、こちらの記事もあわせてどうぞ。
【稲沢市】相続した市街化調整区域の空き家は売れる?既存宅地・新宅地と査定の注意点
自分の土地が入っているか、調べる方法
調べ方は、大きく3つあります。
- この記事に載せた区域図で、土地の場所を照らし合わせる
- MAP de いなざわで、都市計画の地図を選んで住所検索する
- 稲沢市役所の都市計画課で、直接確認する
図面で「入っていそうだ」と見当がついても、最終判断は市の担当課への確認が欠かせません。
境界ぎりぎりの土地や、道路・排水の条件が絡む土地は、図面だけの判断だと危ないんです。
当社でも、査定のご依頼をいただいた土地については、34条11号の区域かどうかを市役所で調査したうえで、査定額の根拠としてご説明しています。
よくある質問
- 34条11号の区域に入っていれば、家を建てられますか?
-
区域に入っているのは入口にすぎません。
道路・排水・敷地200㎡以上・高さ・用途の条件を満たし、市の許可を受ける必要があります。
1筆ずつの確認が欠かせません。
- 自分の土地が区域に入っているか、自分で調べられますか?
-
この記事に載せた区域図やMAP de いなざわで、おおよその見当はつけられます。
ただ、境界付近は図面だけでは判断しにくいので、最終確認は市役所の都市計画課へ。
当社にご相談いただければ、調査からお手伝いします。
- 区域に入っていない市街化調整区域の土地には、もう建てられませんか?
-
そうとも限りません。
線引きの前から宅地だった土地の建て替えなど、別の基準で建てられるケースがあります。
相続した空き家の場合の調べ方は、先ほどご紹介した別記事にまとめています。
- 区域内の土地なら、高く売れますか?
-
買主の層が広がるので、市街化調整区域の中では有利です。
ただ、道路の幅や排水、土地の形や広さで評価は変わります。
一概には言えないので、個別の査定でご確認ください。
- アパートを建てて活用できますか?
-
建てられる用途は住宅と兼用住宅(店舗部分50㎡以下)が基本で、アパートのような共同住宅は原則対象外です。
この区域の土地は、活用よりも売却を含めた出口から考える方が現実的なケースが多いですね。
まとめ|「島」の内か外かで、土地の価値は変わります
- 稲沢市には、市街化調整区域でも住宅を建てられる可能性のある「34条11号の区域」が13地区・19区分ある
- 許可が「人」ではなく「場所」につくので、買主も家を建てられる。売却で有利に働く
- ただし町名の全域ではない。線引きの内外は1筆ずつの確認が必要
- 建てるには「場所・広さ・高さ・用途」の4条件と、市の許可が要る
同じ市街化調整区域でも、島の内か外かで、買える人の数も査定額も変わってきます。
お手元の土地がどちらなのか。ここを確かめるところが、売却でも活用でも出発点になります。
なお、制度の細かな運用は変わることがあります。実際に建築や売却を進める際は、稲沢市役所の都市計画課や専門家への確認とあわせて判断してください。
「この土地、島の中なんだろうか」からで大丈夫です
「相続した土地が市街化調整区域らしい」 「区域に入っているのかどうか、調べ方が分からない」
そんな状態からのご相談で大丈夫です。むしろ、売り出す前に区域を確かめておくことが、査定額の根拠づくりそのものになります。
当社では、業界28年・査定実績5,000件超の代表・佐藤高樹が、市役所での区域確認から査定、売却まで直接担当します。
相続した実家の空き家・土地をまとめて相談したい方は、相続空き家の売却相談ページもご覧ください。
土地売却の流れ
最初のご相談から引渡しまで、代表の佐藤が一緒に進めます。

稲沢市の市街化調整区域・土地の無料査定はこちら
電話:0587-33-5620(10:00〜18:00/火曜・水曜定休)

