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不動産屋が自分のマンションを売ってみた|自分の物件でも囲い込まなかった理由

この話の前提
- 売ったもの:私(佐藤)自身が持っていた、名古屋市中心部の駅近マンション。築40年ほどの2DK
- 立場:売主も私、売主側の仲介も当社。自分の物件を自分で売った話です
- 結果:売り出しから約2ヶ月で成約。買主は他社の不動産会社が連れてきた単身の男性の方でした
お客様の売却をお手伝いする話は、これまで事例としていくつも書いてきました。今回は少し毛色が違います。不動産屋の私が、自分のマンションを売ったとき、実際に何をやったか。値付けから、売るための動き、他社から買付が入ったときにどうしたかまで、そのまま書きます。
自分の物件ほど、その会社の「本音の売り方」が出るものはないと思うんですよ。
このマンションは、売る前提で買いました

正直に言うと、このマンションは最初から出口を考えて買っています。
「最悪でも、家賃分が回収できればいい」という計画で取得しました。
選ぶときに見たのは、水回りに手が入っているかどうか。キッチンやお風呂は、直すと一番お金がかかるところです。そこが既に交換されている物件を選び、住みながら、売ることを考えた最小限の手入れをしました。トイレは新しくして、壁紙も綺麗に。お金をかけるところと、かけないところを分ける。これは、お客様の売却でいつもお話ししていることと同じです。
持っていたのは5年超。
売るタイミングは市況を見て決めました。
税金の面でも、5年を超えてから売るかどうかは一つの分かれ目になります(個別の事情で変わるので、詳しくは税理士さんにご確認ください)。
値付け=欲を出さない。節目の少し下
売り出し価格は、迷いませんでした。欲は出しません。欲を出して高く出し、販売が長引くと、かえって「長く売れ残っている物件」になってしまう。これは28年見てきた中で、何度も目にしてきたパターンです。
もう一つ、価格には切りのいい「節目」の金額があります。買う方は、節目より上か下かで検索しますし、印象も変わる。だから今回は、節目の金額の少し下に設定しました。自分の物件でも、やることはお客様のときと同じです。
早く売るためにやったこと

約2ヶ月で決まった理由は、運ではないと思っています。やったことは3つです。
- 掃除を徹底的にやった。内覧の印象は、ここでほぼ決まります。写真を撮るのも、その後です
- 写真を綺麗に撮り直し、ショート動画も作った。築年数が経った物件ほど、実物の空気感が伝わる材料が効きます
- 不動産会社どうしの情報網(レインズ)に、写真をふんだんに載せた。ここが一番、業界の癖が出るところです
3つ目だけ少し説明させてください。
レインズというのは、不動産会社だけが見られる物件情報のネットワークです。
ここに載せると、他社の営業マンが自分のお客様に物件を紹介できるようになります。

実は、この業者間の情報には、写真をほとんど載せない会社が多いんです。文字だけの物件も珍しくない。でも私は逆で、写真をふんだんに載せて、資料も密に書きます。不動産屋さんの、その先にお客様がいるからです。他社の営業マンが「これならお客様に紹介しやすい」と思える情報にしておく。自分の物件でも、まったく同じことをやりました。
他社から買付が入った。両手の誘惑の話
買付(購入申込)を入れてくださったのは、大手の仲介会社さんが連れてきた買主さんでした。
ここで、業界の正直な話をします。売主側の不動産会社には、いつも一つの誘惑があります。他社が連れてきた買主を何かと理由をつけて断り、自社でも買主を見つければ、手数料が売主・買主の両方から入る。いわゆる「囲い込み」です(詳しくは囲い込みの解説記事に書きました)。
自分の物件なら、この誘惑は倍です。なにせ手数料どころか、売主としての手取りに直結しますから。でも、迷いませんでした。他社のお客様でも、条件が整えばそのまま進める。買主側の営業さんと落としどころを話し合って、小幅な調整でまとめました。このあたりは、まあ、プロですからね。お互い分かってやっている交渉です。
囲い込みは、今回に限らず、いつでもしません。私が最優先しているのは、早く、良い条件で売ることです。そのうえで、お客様に喜んでもらって、「あなたに頼んでよかった」と言われること。正直、それが言われたくてこの仕事をやっているところがあるんです。だから、それに反することはしませんよ。
大手のルールに合わせるのも、仕事のうち
一つだけ、思うようにいかなかった話も書いておきます。
買主側の大手さんとの間で、書類の扱いをめぐって「事前に話していた進め方と違う」という場面がありました。
私も大手の出身なので分かるのですが、大手には大手の社内ルールがあって、担当の方の一存では動かせないことがあるんです。
正直、少しやきもきしました。ただ、大事なのは売主と買主が気持ちよく取引を終えることです。相手の会社の事情も呑み込んで、こちらが段取りを合わせる。間に立つ人間が柔らかくなれば、取引は硬くならない。そう思って付き合いました。
この経験が、お客様の売却でそのまま生きています

振り返ると、自分の物件でやったことは、お客様の売却でお話ししていることと何一つ変わりませんでした。
- 値付けは欲を出さず、節目を意識する
- 掃除と写真と動画に手をかける。築年数が経っていても、伝え方で変わる
- 業者間の情報まで作り込んで、他社にも売ってもらう
- どこのお客様であっても、条件が整えば迷わず進める
「この売り方、自分でもやっているんですか?
」と聞かれたら、「はい、自分のマンションで全部やりました」と答えられます。
それがこの記事で一番お伝えしたかったことです。
よくある質問
Q. 囲い込みが心配です。防ぐ方法はありますか?
売主側の会社が「他社からの紹介をどう扱うか」を最初に確認するのが一つです。当社は自分の物件でも他社のお客様に売りました。仕組みの詳細は囲い込みの解説記事をご覧ください。
Q. 築40年のマンションでも売れますか?
売れる場合が多いです。今回も築40年ほどで約2ヶ月でした。リフォームの履歴を日付つきで整理して見せる、掃除と写真に手をかける、といった準備で印象は大きく変わります。
Q. 売り出し価格はどう決めればいいですか?
相場に対して欲を出さないこと、そして切りのいい節目の金額を意識することです。高く出して長引くと、かえって不利になります。物件ごとの事情もあるので、査定のときに根拠からご説明します。
Q. 早く売るために売主ができることはありますか?
一番効くのは掃除です。内覧と写真の印象が変わります。あとは情報の出し方(写真・動画・資料)ですが、そこは私たちの仕事なので、お任せください。
さいごに
マンションの売却は、値付け・見せ方・交渉の段取りで結果が変わります。
私は、その全部を自分の物件で実践した上で、お客様にお話ししています。
売るかどうか決めていなくても大丈夫です。今の価値を知りたい、というところからでも大歓迎です。

不動産の仕事、28年。査定実績、5,000件超。
Googleクチコミ ★5.0
マンション売却の流れ
最初のご相談から引渡しまで、代表の佐藤が一緒に進めます。
ご相談・査定は無料です。お電話が苦手な方は、フォームからのメールだけのやり取りでも大丈夫ですよ。
ほかの売却事例は、売却事例の一覧からご覧いただけます。

佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
マンション管理士・宅地建物取引士・公認 不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/不動産業界28年・査定実績5,000件超
名古屋市内3つの管理組合で顧問を務め、管理の内側を知る立場から、マンション売却もサポートしています。
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