測量って必要?土地売却前に知っておくべきリスクと対策

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佐藤高樹

執筆者:佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/業界28年・査定実績5,000件超
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「家を売るのに、なんで測量までしないといけないの?」

土地や家の売却を考えているお客様から、私がよくいただく質問です。測量って費用も時間もかかりますから、できればやらずに済ませたい、というのが正直なところだと思います。私もそのお気持ちはよく分かります。

ただ、境界がはっきりしていない土地は、そのまま売りに出すと後で困ることが出てきます。買う側にとって不安が残る土地は、なかなか前に進まないんですね。

今日は、なぜ測量が必要になるのか、境界があいまいだとどんな問題が起きるのか、そして費用・期間の目安と実際の流れまで、私の現場感覚でお話しします。読み終わるころには、ご自分の土地に測量が要りそうかどうか、見当がつくはずです。

※この記事の内容は、YouTube動画でも解説しています。

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境界標がないと、なぜ測量が必要になるのか

土地には、隣の土地との境に「境界標」という目印が埋まっているはずなんです。四角い土地なら、角の4箇所にあります。コンクリートの杭だったり、金属のプレートだったり、形はいろいろですね。

これが1箇所でもないと、正確な境界が分からなくなります。ここからここまでが自分の土地、という線が引けない状態です。長く持っている土地ほど、いつの間にか杭が抜けていたり、見当たらなくなっていたりします。

だから私は、境界標が欠けているお客様には「測量で境界をはっきりさせておきましょう」とご提案しています。売るときになって、この境界のあいまいさがじわじわ効いてくるからです。

境界が不明確だと起きる3つの問題

境界があいまいなまま売ろうとすると、主に3つの不都合が出てきます。どれも、売り出してから「こんなはずじゃなかった」となりやすいところなので、先に知っておいてほしいんです。

1. 将来、隣地と揉めるリスク

境界という目印があれば「ここからここまでですよ」と言えます。でも目印がないと、境がどこなのか隣の方と話し合いで決めるしかありません。

話し合いですんなりまとまればいいんですが、お互いの認識が食い違ってこじれることもあります。塀を建て替えるとき、駐車場の線を引き直すとき、そういう何気ない場面で表に出てくるんですね。

しかも厄介なのは、その揉めごとを、土地を買った後のお客様が引き受けることになる点です。気持ちよく買ってもらうためにも、境界は先にすっきりさせておきたいところです。

2. 登記簿の面積と実測の面積が合っているか確認できない

売買では、登記簿に書いてある面積と、実際に測った面積(実測面積)の両方を見ます。登記簿の数字は、昔のおおまかな測量のまま残っていることも多いんです。

ここで実測をしていないと、登記簿の数字どおりの広さが本当にあるのか確認できません。買う人からすれば、書いてある面積より狭いかもしれない土地を、確かめずに買うことになる。それなりの金額を出すわけですから、これは困りますよね。

測ってみたら登記より広かった、狭かった、というのは珍しくありません。先に測っておけば、この不安を残さずに引き渡せます。

3. 売れる価格が安くなる

境界が分からないまま買い手を探すと、買う側にとってはリスクのある土地になります。後で隣と揉めるかもしれない、面積が違うかもしれない、という不安を抱えたまま買うことになるからです。

リスクがある分、提示される金額はどうしても下がります。測量代を惜しんだつもりが、売値が下がって、結局それ以上に手取りが減ってしまう。そういうことも起こり得るわけです。

この3つの問題をまとめて解消できるのが測量なので、私は境界があいまいな土地ではお勧めしています。

まずは自分の土地の境界を見てみる

測量が要るかどうかは、まずご自分の土地を見てみるところから分かります。難しい道具はいりません。

土地の角に、コンクリートの杭や金属のプレートが入っているかを見てください。四角い土地なら4箇所、変形した土地ならその角の数だけあるはずです。1つでも見当たらない、草に埋もれて分からない、隣との境がどこか曖昧、という場合は、測量を考えたほうがいい土地です。

逆に、境界標がきれいに残っていて、隣との境もはっきりしているなら、そこまで急がなくてもいいケースもあります。ただ、見ただけで「大丈夫」と言い切れないこともあるので、心配なら一度見せていただければ、私のほうで判断のお手伝いができます。

費用と期間の目安、そして実際の流れ

測量をお勧めすると、次に気になるのは、いくらかかって、どのくらい待つのか、ですよね。

費用は、50坪くらいの土地で「確定測量」をする場合、だいたい40万〜45万円くらいが一つの目安です。確定測量というのは、道路も含めて隣との境界をきちんと確定させる測量のことです。土地の形や隣の数、道路に接している面によって変わるので、あくまで目安として見てくださいね。

期間は、こちらもだいたい2〜3ヶ月ほどとお伝えしています。「土地を測るだけなのに、そんなにかかるの?」と驚かれることが多いんですが、これにはちゃんと理由があります。測量は、自分の都合だけでは進まない作業だからです。

測量が完成するまでの流れ

実際の流れはこんな感じです。

  1. 測量をご依頼いただく
  2. 必要な資料を集める
  3. 現地を調査する(杭が埋まっているか掘って確認したり、周りの状況を見たり、実際に測ったり)
  4. 道路は市役所などが管理しているので、立会いの申請をする
  5. 申請から3〜4週間後に、市役所の担当者に立ち会ってもらう
  6. 隣の土地の所有者にも一緒に立ち会ってもらい、「この境界でいいですね」と承諾をいただく
  7. 全員の合意が取れたら、測量図(図面)を作成して納品。これで完成

特に時間がかかるのが、市役所への立会い申請です。申し込んですぐ来てもらえるわけではなく、ここだけで3〜4週間待ちます。さらに隣の方の都合も合わせる必要があるので、全体で2〜3ヶ月はみておく必要があるんですね。

つまり、買い手が決まってから慌てて測量を始めると、引き渡しの予定が後ろにずれてしまいます。だから早めに動いておくことが、結果的にスムーズな売却につながります。

まとめ:将来売るなら、測量は早めに

測量は、安全で確実な不動産の売買には欠かせない作業です。費用も期間も意外とかかりますから、後回しにすると売り出しのタイミングを逃してしまうこともあります。

将来の売却が決まっていて、ご自分の土地を見て境界があいまいだと感じるなら、私は事前の測量をお勧めしています。これは惜しむお金ではなく、土地をきちんと、できれば高く売るための必要経費だと思ってください。境界がはっきりしている土地は、買う側も安心して話を進められますから。

測量をやった方がいいのか悩んでいるなら、土地の売却について相談するところからでもお気軽にどうぞ。境界の状況を見せていただければ、本当に必要かどうか、一緒に判断できますよ。

よくある質問

Q. 境界標が全部そろっていれば、測量はいらないですか? 境界標が4箇所きちんと残っていて、登記簿の面積とも整合が取れていれば、確定測量まではいらないケースもあります。ただ、古い土地だと標がずれていたり、隣地と認識が食い違っていたりすることもあるので、一度状況を見てから判断するのが安心です。

Q. 測量の費用は売主と買主、どちらが負担しますか? 境界を確定させて引き渡す売主側が負担することが多いです。ただ契約の条件によるので、一概には言えません。売り出し前に段取りを決めておくとスムーズです。

Q. 測量が間に合わないまま売り出すことはできますか? 売り出すこと自体はできます。ただ境界が不明確なままだと買い手が見つかりにくかったり、価格が下がったりします。完成まで2〜3ヶ月かかるので、売却を決めた段階で早めに動いておくと安心です。

Q. 解体と測量、どちらを先にやればいいですか? 古家が建っている土地だと、順番で迷う方が多いです。状況によって変わるので、[空き家・古家の売却で測量と解体をどう進めるか](https://inazawa.estate/akiya-baikyaku-sokuryo-kaitai-timing/)も参考にしてみてくださいね。

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