媒介契約とは?3種類の違いと契約前に知っておきたい注意点

佐藤高樹

執筆者:佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/業界28年・査定実績5,000件超
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こんにちは、稲沢あんしん不動産の佐藤です。

不動産の売却を不動産会社に依頼するとき、必ず取り交わすのが「媒介契約書」です。

この記事では、媒介契約書がなぜ必要なのか、どんな種類があるのか、そして契約書の中に書かれている「確認しておきたい注意点」までをまとめて解説します。

読み終える頃には、契約書を渡されたときに何を確認すればいいかが分かるようになります。

▶ この記事の要点は動画でも解説しています(約10分)

ここまでの内容以外にも、不動産売却・相続・空き家について動画で解説しています。

最終更新日:2026年8月

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「仲介契約」と「媒介契約」、実は同じもの

仲介契約と媒介契約、2つの言葉を左右のボールに例えて見比べている女性のイラスト。

「不動産会社に行ったら『仲介契約』と『媒介契約』という言葉が出てきて、違いがよく分からなくて」というお悩みをよく耳にします。

結論からお伝えすると、この2つは基本的に同じものを指しています。

「仲介契約」は日常会話で使う言葉、「媒介契約」は宅地建物取引業法という法律の中で使われる言葉。

呼び方が違うだけで、不動産会社が行う業務内容や契約の本質は変わりません。

不動産会社に支払う手数料も、ほとんどの場合「仲介手数料」と呼ばれていて、「媒介手数料」という言葉はまず聞きません。

それくらい、実務では「仲介」の方がなじみのある呼び方です。

なぜ媒介契約書が必要なのか。あなたを守るための書類

売主と買主の間に立って橋渡しをする、不動産会社の営業担当者のイラスト。

以前、土地の売却相談に来られたお客様に媒介契約書をご説明したとき、「以前別の不動産会社ではこんな書類はなかったよ」とおっしゃる方がいました。

契約書と聞くと身構えてしまいますよね。

でも、それは適切な進め方ではありません。

媒介契約書は、宅地建物取引業法により、不動産会社が売却の依頼を受けた際に作成が義務付けられている重要な書類です。

口約束ではなく書面でしっかりと約束ごとを明確にして、依頼者であるあなたを保護するためのものなんです。

具体的には、不動産会社があなたのためにどんな業務を行うか(買主の探索や条件交渉など)が記載され、売却希望価格や物件情報も明記されるため、お互いの認識のずれを防げます。

不動産会社には、その価格の根拠を説明する義務もあります。

実は「準委任契約」。不動産会社には法律上の責任がある

少し難しい話になりますが、媒介契約は民法でいう「準委任契約」にあたります。

これにより不動産会社には「善管注意義務(善良な管理者の注意義務)」という法律上の責任が発生します。

簡単に言うと、専門家としての注意深さを持って、依頼者のためにきちんと仕事をしなさいという義務のことです。

「頑張ります」という口先の約束ではなく、法的な責任が伴っているということを知っておいてください。

媒介契約のご相談で、私が実際にやっていること

契約書をお渡しして終わり、にはしていません。専属専任・専任・一般それぞれの報告義務やレインズ登録の期限、違約金が発生する条件まで、契約書の条文を実際に指し示しながら、その場で一つずつ確認していただいています。

「以前の会社ではこんな説明はなかった」と驚かれることもありますが、契約内容を分かった上でサインしていただくことが、後々のトラブルを防ぐ一番の近道だと思っています。専門用語でつまずきやすい方には、不動産売却の専門用語10選もあわせてご覧いただいています。

媒介契約書で不動産会社が実際に行う6つの業務

海をまたぐ大きな橋のイラスト。売主と買主をつなぐ不動産会社の役割を表している。

媒介契約を結ぶと、不動産会社は主に次の6つの業務を行います。

  • 物件調査と査定:土地なら境界の確認、建物なら図面との整合性を確認し、近隣の取引事例も参考に適正な売却価格を算出する
  • 売却活動の実施:ホームページ・不動産情報サイトへの掲載、チラシの配布などで買主候補との出会いを増やす
  • 内覧対応:物件に興味を持った方への案内。物件の良さを丁寧に伝える
  • 価格交渉:買主から提示された条件を、売主の立場に立って交渉する
  • 契約手続きのサポート:売買契約書の作成から重要事項説明書の交付まで、法律で定められた書類作成を行う
  • 引き渡しまでのフォロー:残金決済や物件の引き渡しまで責任を持って対応する

媒介契約の3種類。報告義務とレインズ登録義務が違う

契約の種類を問わない伴走型サポートを表す図解。専属専任・専任・一般、3つのアプローチの違いを示している。

媒介契約には3つの種類があり、それぞれ特徴が異なります。

契約の種類他社への依頼自分で売却先を見つける報告義務レインズ登録義務契約期間
専属専任媒介契約××1週間に1回以上5日以内3ヶ月
専任媒介契約×2週間に1回以上7日以内3ヶ月
一般媒介契約なしなし制限なし(実務上3ヶ月が目安)

契約期間は、専任媒介・専属専任媒介は宅建業法で3ヶ月が上限と定められています。

むやみに長く1社に縛られることはなく、自動更新もありません。

もしそのような説明をする不動産会社があれば要注意です。

私がお客様によく例え話でお伝えしているのが、お医者さんとの関係に似ているということです。

専属専任媒介契約は「主治医を決めて、その先生の指示に完全に従う」感じ。

専任媒介契約は「主治医は決めるけど、自分での判断も少しできる」感じ。

一般媒介契約は「複数の病院を自由に受診できる」感じです。

レインズ(指定流通機構)とは、国土交通大臣が指定した、不動産会社だけが見られる物件情報のデータベースのことです。ここに登録すると、全国の不動産会社があなたの物件情報を見られるようになり、買い手が見つかる可能性が広がります。専任媒介・専属専任媒介には登録義務がありますが、一般媒介にはこの義務がありません。

契約期間中に他社へ依頼すると、違約金が発生することも

「注意」と描かれたイラスト文字。媒介契約書に潜む注意点を示している。

媒介契約書には、注意すべき落とし穴もあります。

専任媒介契約・専属専任媒介契約の期間中に、他の不動産会社へ重ねて依頼し、その会社経由で売買契約が成立してしまうと、違約金(約定の仲介手数料に相当する額)を請求される可能性があります。専属専任媒介契約の場合は、自分で見つけた相手と直接契約することも認められておらず、これに違反すると、それまでにかかった実費相当額を請求されることがあります。

また、仲介手数料は売買契約が成立した時点で発生する成功報酬のため、引き渡し前に契約が解除となった場合でも、状況によっては発生している可能性があります。

事前に契約内容をよく確認し、不動産会社と認識を合わせておくことが、トラブル防止につながります。

依頼者を守る仕組み。「不利な特約」は無効になる

不動産営業担当者と依頼者が媒介契約書を挟んで向き合い、契約書の上に盾のアイコンと「依頼者を守るルール」というラベルが描かれた図解イラスト。国土交通省の標準媒介契約約款による消費者保護の仕組みを表している。

契約書と聞くと、不動産会社に有利な条件を押し付けられるのでは、と不安に思う方もいるかもしれません。

多くの媒介契約書は、国土交通省が定めた「標準媒介契約約款」に基づいて作られています。

この約款には、依頼者に不利な特約は無効とする規定が設けられており、売主が知らない間に不利な条件を押し付けられることがないよう、消費者保護が考慮されています。

例えば、住宅ローン特約で契約が白紙になった場合、不動産会社が受け取った報酬を返還する義務があることも、この約款に定められています。

契約書の中身が「標準媒介契約約款に基づくものか」は、契約書自体に必ず記載されるルールになっているので、確認しておくと安心です。

仲介手数料の仕組み

シンプルなそろばんのイラスト。仲介手数料の計算方法を表している。

不動産会社への報酬は「仲介手数料」と呼ばれ、売買が成立した場合にのみ発生する成功報酬です。

金額の上限は法律で決められており、以下の計算式で算出されます。

売買価格 × 3% + 6万円(消費税別)

例えば2,500万円の物件であれば、2,500万円 × 3% + 6万円 = 81万円(消費税別)となります。

専任媒介と一般媒介、売れやすさは変わる?

専任媒介と一般媒介の成約報告率を比較した棒グラフ。専任媒介が約27%、一般媒介が約9.4%で、専任媒介が約3倍高いことを示す図解。

「専任媒介契約の方が、一般媒介契約より売れやすいの?」という質問をよく受けます。

実は、レインズの2025年度データでは、専任媒介・専属専任媒介の成約報告率が約27%なのに対し、一般媒介は約9.4%と、約3倍の差が出ています。物件情報サイトへの掲載自体は契約形態を問わず行われますが、不動産会社がどれだけ力を入れて動くかには構造的な差があるということです(詳しいデータと理由は「専任媒介と一般媒介、成約率まさかの3倍差」で解説しています)。

当社は、一般媒介と専任媒介で対応をはっきり分けています。

一般媒介は、ネットへの掲載とレインズへの登録までを行い、販売状況の管理はご自身にお任せする契約です。

専任媒介は、市場分析・価格戦略の検討・効果的な広告方法の提案・タイミングを見計らった価格調整など、一つ一つの物件に寄り添いながら細かなステップを一緒に考えていきます。

大切なのは、不動産会社の「姿勢」と「対応」を見極めることです。

その不動産会社が、あなたの物件の売却にどれだけ真摯に向き合ってくれるかが、本当の意味での「売れやすさ」につながります。

まとめ

「まとめ」とかかれた看板のイラスト。

媒介契約書は、単なるサインをする書類ではなく、依頼する不動産会社との詳細なルールブックであり、法律で定められた売主であるあなたを守る盾です。

  • 「仲介契約」と「媒介契約」はほぼ同じ意味
  • 媒介契約は準委任契約にあたり、不動産会社には善管注意義務がある
  • 契約の種類によって報告義務・レインズ登録義務・違約金リスクが違う
  • 標準媒介契約約款により、依頼者に不利な特約は無効となる消費者保護の仕組みがある

内容をしっかり理解して、疑問があれば納得するまで確認する。

これが安心して不動産売却を進めるための第一歩です。

そしてそれを面倒くさがらずに受け入れてくれる不動産会社を選んでください。

よくある質問

「Q&A」と書かれたイラスト文字。
媒介契約書の内容が分からないまま、サインしてしまっても大丈夫ですか?

サインする前に、必ず不動産会社に説明を求めてください。

特に契約の種類・報告義務・違約金の条件は、後々のトラブルに直結する部分です。

丁寧に説明してくれない不動産会社は、そもそも選ばない方が安心です。

専属専任媒介契約と専任媒介契約は何が違いますか?

専属専任媒介契約は、自分で買主を見つけた場合も必ず不動産会社を通す必要がある点が専任媒介契約より厳しく、レインズの登録期限(5日以内)や報告義務(週1回以上)も専任媒介契約より短くなっています。

それ以外はほぼ同じです。

一般媒介契約でも、レインズに登録してもらうことはできますか?

一般媒介契約にはレインズへの登録義務がないため、会社によって対応が分かれます。

登録してほしい場合は、契約前に確認しておくと安心です。

媒介契約は途中で解除できますか?

専任媒介・専属専任媒介は3ヶ月の契約期間中でも、不動産会社の対応に問題があるなど正当な理由があれば解除の相談は可能です。

ただし、正当な理由のない一方的な解除は違約金の対象になり得るため、まずは担当者に相談してください。

その戸建て、いくらで売れる? 住み替え・ローン残債も宅建士に相談|稲沢あんしん不動産

お急ぎの方はお電話で: 0587-33-5620 (10:00〜18:00/火・水定休)

【お問い合わせ】 稲沢あんしん不動産 電話:0587-33-5620 営業時間:10:00~18:00 定休日:火曜日・水曜日

不動産の売却をどこに相談したらいいか迷っている方は、無料の売却相談フォームはこちらからお気軽にご相談ください。

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