マンション修繕積立金が高すぎる!?上がりやすい理由5選



「うちのマンションの修繕積立金、また上がったの…?」
「将来的にどこまで上がるのか心配で…」
「購入を検討しているマンションは大丈夫かな?」
こんなお悩み、私はこれまで本当にたくさん聞いてきました。
セミナーを開催すると必ず「うちのマンションこのままで大丈夫かな?」という相談をいただきます。 そして実は、マンションによって修繕積立金が上がりやすいマンションと、そうでないマンションがあります。
今回は、28年の不動産業界経験で実際に見てきた事例をもとに、修繕積立金が高すぎる(上がりやすい)マンションの特徴と、その対策について、できるだけ分かりやすくお話しします。
皆さんの心配は決して杞憂ではありません。一緒に確認していきましょう。
深刻化するマンション修繕積立金不足の現実

国土交通省が発表した令和5年度マンション総合調査(2024年6月公表)によると、**長期修繕計画で必要とされる修繕積立金に対し「不足している」と回答した管理組合が36.6%**に達しています。
さらに約2割が「不明」と回答しており、不足している・把握できていないマンションを合わせると約6割になります。
この問題は、築年数が経つほど表面化しやすくなります。
今の段階でも不安を抱えているマンションがある以上、これから先、築年数が進めば進むほど、問題が深刻化していく可能性は高いです。
だからこそ、今のうちに「なぜ上がるのか」「どこまで上がり得るのか」を整理しておくことが大切です。
そもそも修繕積立金とは?

マンション購入後、毎月支払うことになる2種類のお金があります。
- 管理費:マンションの日常運営に必要なお金(管理会社への支払い、共用部分の電気代、保険料など)
- 修繕積立金:マンションを長期間使い続けるための修理のための貯金
マンションは一度建てたら終わりではありません。 年数が経つにつれて外壁が傷んだり、エレベーターが古くなったり、屋上の防水に寿命が来たりと、様々な部分が古くなってきます。
そのため、一般的に12〜18年に1回程度大規模修繕工事を実施します。 時々マンションに足場をかけて養生シートでぐるっと中が見えないような状態になっているマンションを見たことがありませんか?あれです。
この工事費用が高いんです。安くても数千万円、高いと数億円にもなります。 工事の時期になって急に「来月までに一人300万円払ってください」なんて言われたら困りますよね。
だから毎月コツコツ積み立てていく。それが修繕積立金です。 払いたくない気持ちは分かりますが、大切なマンションを守るための貯金なんですね。
修繕積立金が高すぎる(上がりやすい)マンション6つの特徴
ここからは私の長年の現場を見ている経験をもとに、修繕積立金が上がりやすいマンションの特徴を、6つ上げていきます。
特徴1:戸数が少ないマンション(20〜30戸の小規模マンション)

戸数が少ない小規模マンションは、やはり厳しいところがあります。 どうしても戸数が少ないと、一戸あたりの負担割合が大きくなってしまうんです。
具体例で考えてみましょう。
大規模修繕工事費用が7,000万円だとしたら、
- 100世帯のマンション:1戸あたり70万円
- 30世帯のマンション:1戸あたり233万円
これって、単純に算数の問題なんですよね。
もちろん建物が小さくなれば工事費も小さくなるとはいえ、大規模修繕工事なら安くても数千万円は絶対かかります。 何かが壊れて業者を呼べば、人を呼ぶ単価は変わりません。
だから小規模は、構造的に修繕積立金が上がりやすい傾向があります。
特徴2:機械式駐車場があるマンション

機械式駐車場って、お金をすごく使う設備なんです。ご存知でしたか?
メリットは敷地が狭くてもたくさんの車が止められることですが、毎月メンテナンス費用もかかりますし、もちろん寿命もあります。一般的に機械なので20〜30年と言われています。
そして更新の時期が来ると、例えば30台あったら、1台あたり200万円として6,000万円とかいう費用になります。 相当な金額で、普通に大規模修繕工事の費用になってしまうんですね。
さらに問題なのは、機械式駐車場の上の階や一番上は人気がないことが多く、空いていることが多い点です。 維持費がかかるのに、収入が想定より入らず、収支が合わないケースも出てきます。
今は機械式駐車場を壊して平面化するマンションが増えています。 私も一度だけコンサルティングしたことがありますが、なかなか簡単にはいかないものの、平面化した後のメリットは大きいですね。
理由はシンプルで、毎月の維持費はかからないし、寿命が来た時の交換費用を修繕計画に入れなくても良いので、収支が大幅に改善するからです。
特徴3:エレベーターの台数が多いマンション

エレベーターも寿命があります。 壊れてなくても、エレベーターってメーカーの方で部品を作らなくなるんですね。ストックがなくなる、そういった寿命もあります。
エレベーターのリニューアル費用って1台あたり1,000万円を超えてくるんですね。
マンションによってはプライバシー重視ということで、エレベーターを降りたら左右2個しか部屋がない、という設計のせいでやたらとエレベーターがあるマンションがあったりもします(少ない例ですけど)。
エレベーターは新築時に設置スタートが一緒なので、交換も同時期に来ます。 だからエレベーターが多いところは、交換の時期に相当な費用を見込んでおかないといけません。
特徴4:豪華すぎる共用施設があるマンション

愛知県ではそれほど多くありませんが、コンシェルジェサービスとかプールなどの施設があるマンションです。
こういった施設はランニングコストが相当かかります。修理も必要になってきますし、私が経験した中でプールが付いているマンションは、当時でも管理費と修繕積立金で確か5万円以上はしていたと思います。
でもそのプール、穴が開いていて直す費用がないからということで使えない状態になっていました。 豪華な施設があるのに使えないって、でも修繕積立金は高いって、本末転倒ですよね。
特徴5:長期修繕計画がないマンション

未だに長期修繕計画がないマンションは意外とあります。
本来は30年先まで見通した修繕計画があるべきなんです。 例えば15年後に大規模修繕工事があるのでしたら、それまでに8,000万円貯めないといけない、ということが分かっていれば、毎月これだけみんなで集めれば15年後にちゃんとお金が貯まりますよ、という計画が立ちますよね。
この計画は5年ごとに見直すことが推奨されています。 計画自体がないマンションは「大丈夫かな?」「お金足りるのかな?」って心配になりますよね。
やっぱり何も計画がないマンションは将来不安です。 なかったらどうするかって言ったら、直前になって値上げしないといけませんから。
特徴6:管理会社の言いなりになっているマンション

これは外部からだと分からず、住んでみて分かることになる問題です。
管理会社の言いなりになってしまっているマンション。
例えば日常的な小修繕工事って結構あるんですね。安価なもので数万円から、数十万、時には100万、200万っていう工事もあります。
管理会社から工事の見積もりが出てきた時に「ああ、必要なんですね」とそのまま理事会で承認してしまう。
よく分からないから、管理会社が言っているからということで「必要な工事ですね、お任せします」っていう状態です。
でも皆さん考えてみてください。
管理会社は営利企業ですよ。
どこかで利益を取らないといけません。
当然利益の取りやすいところから取ります。それ自体は悪いことではありません、商売ですから。
ただ、その金額が実は相場よりもかなり高額というのを知らずに発注していることが問題です。
過去の経験から現場である管理会社との関係で見た実例

実際に私が過去に経験したマンションでのお話です。
明らかに管理会社の出してきた見積もりよりも、適正な金額でより良い条件の工事を、セカンドオピニオンで提案した案件がありました。
そこは高齢者が多いマンションで、理事も高齢で長年つきあいのある、その管理会社しか知らないので、私よりも管理会社の方を信用するわけです。
他の若い住民は納得していても、その理事の方はこう言われるんです。 「ここの管理会社さんは竣工時からずっと面倒見てくれているんだから、マンションのこともよく知ってるし、何かあったらずっと面倒見てくれるんだよ。でも他のところに頼んだらもう面倒見てくれないよ」と。
「いやいや、でもよく考えてみてください。壊れても今回こうやって面倒見てくれないじゃないですか。管理会社さんも別にグループとか関係ない会社で見積もり出されてますし、提案の内容だって全然違うでしょ」とお話ししても、これは理屈の話じゃないんですね。
特に高齢者の方は知らない人、知らないところに頼む不安が大きいんです。
今まで通りが安心。この気持ちはよくわかります。
でも結果的に、お金がどんどん出て行ってしまう。
これは、これからどこのマンションでも出てくる問題だと思います。
修繕積立金は将来的にどこまで上がる?

「将来どこまで上がるのかが心配」 ここが一番の不安ポイントですよね。
結論から言うと、どこまで上がるかはマンションごとに違うので、感覚では判断できません。 ただ、上がり方にはパターンがあります。
- 数年ごとにじわじわ上がる(段階増額型)
- 大規模修繕が近づくと上がる(次の工事に備える)
- 積立不足が分かって一気に上がる(直前で帳尻合わせ)
実際に見てきた値上げのパターン
私が見てきた中で多いのは、一度に5,000円前後の値上げです。
ただ、本来1万円上げないといけないところを「一気に上げると反対が出るから」と5,000円に抑えて、2年後にまた5,000円上げる、というパターンもあります。
結局これだと、最初に1万円上げておいた方が積立は順調に進んでいたのに、2回に分けたせいで2年分の積立が少なくなってしまう。
「値上げ幅を抑えたい」という気持ちは分かりますが、中途半端にすると後からしんどくなることもあるんですね。
広い部屋ほど上がり幅が大きい
もう一つ知っておいてほしいのは、修繕積立金は平米単価で計算されるということ。
つまり、同じマンションでも広い部屋ほど負担額が大きくなります。
例えば「平米あたり100円の値上げ」だとしても、
- 60㎡の部屋:月6,000円アップ
- 80㎡の部屋:月8,000円アップ
- 100㎡の部屋:月10,000円アップ
同じ「100円/㎡」でも、広さによってこれだけ差が出ます。 広い部屋を検討している方は、将来の値上げ幅も大きくなる可能性があることを頭に入れておいてください。
確認したいのは難しい話ではありません
大事なのは、修繕積立金は「突然決まる」わけではなく、長期修繕計画と収支(積立残高)を見れば、ある程度予測できるということです。
確認すべきポイントは以下の4つ。
- 次の大規模修繕は何年後か
- 工事費はいくら想定か
- 今の積立残高はどのくらいか
- 今の積立ペースで間に合うのか
ここが見えれば、「この先も上がり続けそうか」「じわじわで済みそうか」が判断しやすくなります。
なお、2026年4月からは改正区分所有法が施行され、マンションの管理運営ルールが大きく変わります。
古いマンションの再生の選択肢が増えたり、総会の決議がスムーズになったりと、修繕積立金の運用にも影響する内容です。マンションの購入や売却を検討されている方は、ぜひこちらもご確認ください。
▼ 区分所有法改正の詳細はこちら
c120【分譲マンション居住者必見!】2026年施行の改正区分所有法を3つのポイントを解説
▼ 標準管理規約改正の詳細はこちら
c129 標準管理規約改正(令和7年10月)完全解説|2026年施行の区分所有法対応ポイント
【愛知県の実感】管理費+修繕積立金が3万円は高い?売れにくくなる境目

ここは地域性が出るところですが、愛知県(稲沢・一宮など)では、管理費+修繕積立金の合計が3万円を超えると、体感として一気に売れにくくなります。
家計への影響もありますが、購入検討者が一番イヤがるのは「この先も上がるかもしれない」という不安なんですよね。
もちろん、3万円=即NGではありません。 ただこのエリアでは、判断の基準を「3万円」に置いたほうが現実的です。
1)3万円の中身は「将来の備え」か「穴埋め」か

同じ3万円でも意味が違います。
- 計画が現実的で、将来の一時金を減らすための3万円
- 積立不足や不透明な支出の穴埋めで、上がり続ける3万円
後者の疑いが強いマンションは、買う側も”なんとなく”察します。
「今までマンションへの関心が低かったのかな」
「計画性がないマンションの可能性が高いのかな」
そういう不安が出やすいんです。
2)その1万円を住宅ローン返済に回したほうが、条件の良い物件が買えることもある
ここ、愛知のこのエリアではかなり現実的な話です。
もし財政状況的に、管理費+修繕積立金の合計が2万円台のマンションを選べるなら、 「売りたいマンション(3万円超)の1万円分」を、住宅ローン返済に回せます。
そうすると借入の選択肢が増えて、結果的に
- 築年数が新しい
- 条件が良い
- 将来の値上げリスクが読みやすい
こういうマンションに手が届くことがある。
だから私は、3万円を超えていて、なおかつ「なぜ3万円なのか」を資料で説明できないなら、慎重に見ます。
金額の問題というより、運営の弱さが数字に出ている可能性を避けたいからです。
重要:これらの特徴があっても諦める必要はありません

今回お話しした特徴のマンションを「買ってはいけない」ということではありません。
あらかじめ分かっているので備えれば十分です。
修繕積立金は毎月コツコツとした積み立てですから、長期修繕計画で「いつ頃にいくらぐらい必要か」は予測できるものなんです。
対策方法はシンプルです。
- 予測に合わせて金額を早い段階で見直す
- 修繕計画を5年ごとにしっかり見直す
- 管理組合として適切な判断を行う(言いなりにならない)
物価高の時代だからこそ、5年ごとの見直しは放置しない。
ちゃんと見直していけば、急な値上げは避けやすくなります。
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まとめ

修繕積立金が上がりやすいマンションの特徴をもう一度まとめますね。
- 特徴1:戸数が少ないマンション
- 特徴2:機械式駐車場があるマンション
- 特徴3:エレベーターの台数が多いマンション
- 特徴4:豪華すぎる共用施設があるマンション
- 特徴5:長期修繕計画がないマンション
- 特徴6:管理会社の言いなりになっているマンション
修繕積立金はマンションを守るための将来の貯金です。
毎日修繕積立金が足りなくなったら、
工事自体を諦める、
借入れをする、
一時的に皆さんで何百万円かの一時負担金を支払う。
どれでも大きな負担ですよね。
「うちのマンション大丈夫かな?」と心配されている方は、これを機会にぜひ見直してみてください。
また、これからマンションの購入を検討されている方は、修繕積立金の見方を知っておくだけで、将来の失敗はかなり減らせます。
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