マンション大規模修繕のなりすまし事件|手口と、管理組合ができる対策

佐藤高樹

執筆者:佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/業界29年・査定実績5,000件超
代表紹介を詳しく見る|お客様の声(★5.0・15件)

マンション大規模修繕なりすまし詐欺から資産を守る方法の全体まとめインフォグラフィック
資産価値を脅かす巧妙な手口と、プロが教える自己防衛策を1枚で解説
マンション大規模修繕なりすまし詐欺から資産を守る方法の全体まとめインフォグラフィック
資産価値を脅かす巧妙な手口と、プロが教える自己防衛策を1枚で解説
マンション修繕積立金が不正の温床に?2025年住民なりすまし事件の衝撃
2025年5月、神奈川県の分譲マンションで発覚。住民のふりで修繕委員会に入り込んでいた手口とは?

こんにちは。

稲沢あんしん不動産の佐藤です。

マンションの大規模修繕をめぐって、住民ではない人が修繕委員会に入り込んでいた事件が報道されました。

2025年5月、神奈川県内の分譲マンションでのことです。

会議の途中で「あなたは誰ですか?」と問われるまで、周りの誰も気づいていませんでした。

私も最初にこのニュースを見たときは、正直びっくりしました。

でも調べていくと、似たような話は他にもあるんですよね。

この記事では、何が起きたのか、管理組合として今日からできることは何か、そして管理費や修繕積立金が売却価格にどう響くのかを、マンション管理士として実務でやっている立場からお話しします。

▶ この記事の要点は動画でも解説しています(約25分)

ここまでの内容以外にも、不動産売却・相続・空き家について動画で解説しています。

読みたい場所にジャンプ

事件の概要|住民のふりをして修繕委員会に入り込んでいた

住民なりすまし事件の手口を4段階で解説した図解(潜入→承認→操作→発覚)
住民のふりで委員会に入り、業者選びの情報を操作していたと報じられた手口

まず、報道されている内容を整理します。

ここから先の事実関係は、朝日新聞と現代ビジネスの報道をもとにしています。

舞台は、神奈川県内にある分譲マンションの集会所でした。

2025年5月17日、土曜日の午後のことです。

この日は「修繕委員会」が開かれていました。
大規模修繕をどう進めるかを話し合うために、住民の中から選ばれた人が集まる会議のことです。

会が始まって30分ほど経ったころ、出席していた1人がこう切り出したと報じられています。

「あなたは誰ですか?」

問われた人物は、そのまま部屋の外へ出ていきました。

ところが外には、待っていた男性が2人いたそうです。

そこで押し問答になり、1人はその日のうちに住居侵入の疑いで現行犯逮捕。
もう1人も、6月3日に同じ容疑で逮捕されたと報じられています。

何をやっていたのか

報道によると、この人物は修繕工事を手がける施工会社の社員でした。

ここではその会社を、仮にT社と呼びます。

実在する住民から名義を借り、その住民本人であるかのような形で修繕委員会に出席していた、というのが事件の中身です。

そして委員会の中で、T社の元社員が代表を務めるコンサルタント会社に有利になるよう動いていたとされています。

いつから入り込んでいたのか

ここは正直に書きます。

「いつから潜り込んでいたのか」については、私が確認できた報道の範囲では、はっきりした形では出ていませんでした。

ただ、その日ふらっと1回だけ現れた、という話ではありません。

委員として承認を受けて、継続的に会議に出ていたとみられます。

つまり、そこそこの期間、誰も気づかなかったということです。

私が怖いと思ったのは、まさにそこなんですよね。

手口を順番に見ていきます

報道されている手口を、流れの順に並べてみます。

第1段階:アルバイト募集から入る

マンションの集合ポストに「覆面調査のアルバイト募集」というチラシを投函する。

最初は飲食店の覆面調査だと説明していたそうです。

飲食店の覆面調査と聞くと、なんだか普通にありそうじゃないですか。

それが途中からマンションの修繕の話にすり替わり、最終的には住民から名義を借りる形になったとされています。

第2段階:委員として承認される

借りた名義で修繕委員に申し込み、理事会の承認を通り、そのまま委員として活動する。

ここを止められる仕組みが、多くのマンションには無いんです。

第3段階:業者選びの情報をいじる

恐ろしいのはここからです。

設計コンサルタント会社を公募することになった際、「自分は修繕に詳しいから」と手を挙げて、その公募作業を引き受けたと報じられています。

設計コンサルタントというのは、専門知識のない住民の代わりに、工事会社を選ぶ手伝いをしてくれる会社のことです。

複数のコンサルタント会社から応募があったわけですが、その比較の情報を操作して、T社の元社員が代表を務める会社に有利になるよう誘導した。

他社の評価を下げ、それを「客観的な比較資料」として委員会に出していたとされています。

住民からすれば、ちゃんと何社も比べて選んでいるつもりなんですよ。

でも、比べるための資料そのものが作られたものだったら、どうしようもないですよね。

第4段階:契約の一歩手前で発覚

この工作で、契約まであと一歩というところまで進んでいました。

止まったのは、不審に思った住民が事前に警察へ相談していたからだと報じられています。

そのうえで、委員会の場で「あなたは誰ですか?」と正面から聞いた。

逮捕まで至ったのは、この一言があったからです。

その後、管理組合側が刑事告訴に踏み切ったとも伝えられています。

この1件だけではない|似たケースが複数報じられている

大規模修繕の不正は氷山の一角。談合・不適切コンサル・高額請求の構造図
住民ではない人が意思決定の場に入り込むケースは、ほかにも報じられています

今回の件は、たまたま気づいた住民がいたから表に出ました。

もし誰も声を上げていなかったら、住民が長年かけて積み立ててきたお金が、そのまま使われていた可能性があります。

マンション管理士としての正直な感想

この事件を見て私が思ったのは、本気で騙しに来ている相手は、一般の住民には防ぎきれないということです。

向こうのほうが上手なんですよ。

騙すつもりで入ってきているんだから、それはもう、しょうがない部分があります。

今後も完全に防ぐのは難しいと思っています。

だからこそ、顔写真つきの本人確認資料を出してもらうといった、分かっている穴を1つずつ塞いでいくしかないんです。

神奈川のマンションだけの話ではありません

住民ではない人が管理組合の意思決定の場に入り込んだケースは、今回の1件だけではありません。

似たような話が複数、報道されています(JBpress、現代ビジネス)。

もちろん、これが業界全体の当たり前だ、という話ではありません。

まじめにやっている業者さんのほうが、圧倒的に多いです。

ただ、報道されて表に出ているものが全部かというと、それも正直、そうは思えません。

そして狙われている場所は、地域を問わず同じです。

「愛知県だから、うちは関係ない」とは思わないでいただきたいなと思います。

別の事件ですが、狙われている場所は同じです

ここまで書いてきた「なりすまし」とは別に、大規模修繕をめぐっては「談合」の問題も表面化しています。

談合というのは、本当なら各社が競争して、いちばん良い条件の会社が選ばれるはずのところを、業者どうしが事前に「今回はA社、次はB社」と決めておいて、表向きだけ競争しているように見せることです。
結果として工事費が本来より高くなり、その分を払うのは、そこに住んでいる住民ということになります。

なりすましと談合は、まったく別の出来事です。
ただ、根っこは同じところにあります。専門知識のない住民が、数千万円から億単位のお金の使い道を決める。この一点が、両方の入口になっているんです。

談合のほうは、処分の対象になった企業や、これまでの経緯を別の記事にまとめてあります。
▼ あわせて読みたい マンション大規模修繕の談合問題を完全解説|大京・長谷工など38社処分へ

なぜ大規模修繕は狙われるのか?

大規模修繕が狙われる理由:莫大な工事費用と住民ボランティアによる運営
50戸で約7,500万円、100戸で約1億5,000万円。専門知識のない住民が巨額の資金を動かす構造が狙われる

ここがポイントなんですが、大規模修繕工事は費用が高額なんです。

皆さんが大切に貯めてきた修繕積立金という数千万〜億単位のお金が、専門知識のない住民の方がボランティアで運営する管理組合によって動かされている。

だからこそ、プロの詐欺集団に狙われるわけです。

具体的な金額で見てみましょう

国土交通省の2025年の最新データによると、1戸あたりの工事費用がだいたい120万円から150万円くらいかかります。

愛知県の稲沢市や一宮市あたりで、駅前に50戸ぐらいの規模のマンションって多いんです。

50戸だと、50×150万円で7,500万円。

100戸以上のマンションなら1億5,000万円。

タワーマンションや大規模マンションだと、数億円規模の工事になります。

1つの工事で億単位のお金が動くわけなんです。

しかも修繕積立金から払うわけですから、「倒産して払いません」なんて話にはならない。

取りっぱぐれがないんです。

設計監理方式の落とし穴

設計監理方式の落とし穴:コンサルタントと工事業者の裏での結託を示す図解
国土交通省も2017年から警告。住民の味方のはずのコンサルが、特定業者と結託するケースも

最近は管理会社主導ではなく、設計コンサルタントを入れて業者を選定する「設計監理方式」が増えています。

本来は住民の味方として、専門知識がない住民の代わりに適正な工事会社を選んでくれるはずの仕組みなんです。

ところが、実はこれ2017年から国土交通省が警告を出してるんですね。

「設計監理方式において、不適切な設計コンサルタントが特定の工事事業者の受注に協力する事案が発生している」

つまり、住民の味方のはずのコンサルタントが実は特定の工事会社と繋がっていて、その会社が受注できるよう誘導しているケースがあるということです。

今回の事件は住民になりすましたケースでしたが、そもそも住民の方が設計コンサル会社と結託しているケースだってあり得るわけです。

プロが教える具体的な対策|あなたの資産を守るために

マンションの資産を守るための対策を示すシールドアイコン
では、どうすれば自分たちの資産を守れるのか?

じゃあ対策はどうすればいいのか。

マンション管理士として実務に携わっている立場から、具体的にお話しします。

対策1:修繕委員を選ぶ時の身元確認

大規模修繕の対策①:修繕委員の身元確認徹底と業者への誓約書提出
★最重要ポイント:キックバック等を受け取らない誓約書を、違約金条項付きで提出させる

初回参加時に顔写真付きの本人確認資料を提示してもらう。

そして管理規約にもそれを明記しておく。

規約に書いてあれば「規約で書いてあるのでお願いします」と言いやすいですよね。

実は、2025年10月の標準管理規約改正でも、「役員や専門委員の就任時の本人確認を適切に実施することが有効である」という文言が追加されました。

ただし、標準管理規約は「こうしなければいけない」と義務づけるものではありません。

あくまでひな形なので、自分たちの規約にどう反映するかは、それぞれの管理組合が決めることになります。

ちなみに、この標準管理規約改正は2026年4月施行の区分所有法改正を受けて行われたものです。
区分所有法の改正内容についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。

▼ 区分所有法改正の詳細はこちら 【分譲マンション居住者必見!】2026年施行の改正区分所有法を3つのポイントを解説

▼ 標準管理規約改正の詳細はこちら 標準管理規約改正(令和7年10月)完全解説|2026年施行の区分所有法対応ポイント

ただ正直に言うと、現実的には修繕委員のなり手が少なくて困っているマンションが多いんです。

大規模修繕工事の計画って1年、2年と長期にわたりますから、普段働いている人にはハードルが高い。

専門知識がなくて全然いいのに「ないと困るでしょ」と思って尻込みする人もいる。

だから本人確認を厳しくしすぎると、ますますなり手がいなくなるというジレンマもあります。

それでも、今回の事件を受けて、最低限の本人確認は必要だと私は考えています。

対策2:コンサルタント・業者への誓約書

大規模修繕の対策②:業者選定の公正化・経歴調査・契約書への違約金条項
プロセスを透明化する3つの対策。必ず複数業者を同条件で比較検討すること

ここがプロとして一番お伝えしたいポイントです。

コンサルタントや工事業者を選定する際、「キックバック・紹介料・マーケティング費用等の名目でお金を受け取らない」という誓約書を会社として書面で提出してもらうことをお勧めします。

その際、違反した場合のペナルティ(違約金条項)も明記してもらう。

口約束ではなく、会社として正式な書面を出してもらうことが大事です。

これを拒む会社があれば、その時点で選定から外す判断材料になります。

対策3:業者選定は必ず同じルールで公正に

住民の皆さんの前で同じ条件でプレゼンをしてもらって、特別扱いはしない。

コンサルティング会社を入れるなら、皆さんの前で説明を受けて多数決で決める。

必ず複数の比較。これが大事です。

対策4:コンサルタント・業者の経歴を調べる

代表者の経歴はどうか。

どこか大きな会社の元社員じゃないかとか、過去の取引に偏りがないかとか、公正取引委員会の今回の調査対象企業じゃないかとか。

調べられることは調べておきましょう。

対策5:契約書に違約金条項を入れてもらう

もし不正があった場合はお金を返すとか、違約金を払うとか、そういう条項を入れてもらうことも大事ですね。

資産価値への影響|数字で見る「負の連鎖」

不正工事による資産価値下落の負の連鎖フロー図(不正→積立金枯渇→値上げ→売却困難→資産価値下落)
最も恐ろしい「負の連鎖」:不正な高額工事が、あなたの資産価値を直接引き下げる

ここまで聞いていただいて、皆さんのマンションは大丈夫でしょうか?

大規模修繕工事で悪質な業者に騙された場合、大切な修繕積立金を無駄に使ってしまっただけでは終わりません。

負の連鎖が始まる

不正や高額工事 → 修繕積立金が足りなくなる → 値上げ → マンションが売りにくくなる → 資産価値が下がる

皆さん全員が持っている財布の中でやりくりするしかないんですね。

1回の大規模修繕で終わるわけじゃなくて、その先の工事もまたあるんです。

実際、私が今コンサルティングしているマンションでも、「今年大規模修繕工事の時期なんです」と管理会社から言われているのに、今現在お金が足りないという相談を受けています。

任せっぱなしにしてきた結果、こうなってしまったケースです。

毎月3万円を超えると売りにくい

私がこの愛知県で29年不動産業界にいて実感しているのは、管理費と修繕積立金の合計が毎月3万円を超えると、本当に売りにくくなるということです。

毎月3万円超えると、もう家賃払っているんだか、なんだかよくわからなくなっちゃうんですよね。

月1万円の差 ≒ 354万円の差

管理費・修繕積立金の月1万円差が借入可能額354万円の差になることを示す天秤の図解
月々1万円の差が、将来354万円の差に。管理費が高いマンションは値下げしないと売れない可能性も

ここで、具体的な数字でお伝えします。

金利1%、35年ローンで計算すると、毎月の返済が1万円違うと、借入可能額が約354万円変わります。

つまり、こういうことです。

管理費+修繕積立金が月2万円のマンション vs 月3万円のマンション

月1万円の差があると、住宅ローンの借入可能額に354万円の差が出る。

だったら、売値が多少高くても、管理費・修繕積立金が安いマンションの方が、買い手にとっては実質的な負担が軽いんです。

逆に言えば、管理費・修繕積立金が高いマンションは、売値を下げないと売れないということ。

これが資産価値に直結するわけです。

代表 佐藤

私なら、管理費+修繕積立金が3万円以上のマンションは正直お勧めしにくいですね。
3万円を超えているのは、財政状況が良くない証拠。
将来の見通しも危ないんです。
それなら2万円台の財政状況が良いマンションを選んでもらって、浮いた1万円分は住宅ローンの返済に回す。その分借入を増やせば、築年数が新しい、立地が良いなど、総合的に内容の良いマンションが買えます。
それがきっと買う人のためになりますから。

修繕積立金が上がりやすいマンションの特徴については、こちらの記事でも詳しく解説しています。

▼ あわせて読みたい 【マンション管理士監修】売れにくいマンションの特徴5選と確実に売る方法

管理会社任せの危険性

管理会社任せと自分で関わる場合の分岐図:思考停止はカモにされる最大のリスク
自分たちの資産を守るのは、自分たちしかいません。任せきりが最も狙われやすいパターン

あと私が愛知県で感じているのが、マンションに高齢の方が住んでいて「管理会社さんが言っていることだから」って信用しきっている人が多いなということです。

お気持ちはわかります。

知らない人に頼むとかは不安ですから、今まで通りが安心なんです。

でもね、結局自分たちの資産を守るのは自分たちしかいないんです。

管理会社も商売ですから、利益を出さないといけない。

それは当然のことです。

でもそれが適正な利益なのか、取られすぎているのか、見極める目は養っておかないといけません。

めんどくさいから、プロに任しておけば安心だから、って思考を停止してしまうのが一番カモになってしまうパターンです。

マンション売却をお考えの方へ

ここまでお読みいただいた方の中には、「うちのマンション、今のうちに売った方がいいのかな…」と考え始めた方もいらっしゃるかもしれません。

よかったら下記の記事も参考にご覧ください。
実際、私がお手伝いした売却のお客様へのインタビューでは、「最初から最後まで寄り添ってサポートしてもらえた」というお声をいただきました。

▼ お客様インタビューはこちら 【お客様インタビュー】築11年マンションを29日で売却!Y様が語る稲沢あんしん不動産を選んだ理由

「売却って何から始めればいいの?」という方は、まずこちらの記事で全体の流れを把握してみてください。

▼ 売却の流れを知りたい方はこちら マンション売却の流れを完全解説!初めての方でも安心の手順とポイント

よくある質問

うちのマンションでも、同じことが起こりますか?

起こらないとは言い切れません。

今回狙われたのは、特定の地域や特定のマンションというより、「専門知識のない住民が、大きな金額の使い道を決める」という仕組みそのものだからです。

その仕組みは、稲沢市でも一宮市でも変わりません。

ただ、手の打ちようがないという話でもないです。

誰が委員なのかを、その場にいる全員がきちんと把握できていれば、知らない顔にはすぐ気づけます。

修繕委員の本人確認は、どこまでやればいいですか?

初回の集まりで、顔写真つきの本人確認書類を見せてもらう。

まずはここからで十分です。

あわせて、管理規約や委員会の運営ルールに「就任のときに本人確認をする」と書いておくと、お願いする側も切り出しやすくなります。

ただ正直なところ、修繕委員のなり手が足りなくて困っている管理組合は多いです。

厳しくしすぎて誰も手を挙げなくなっては本末転倒なので、書類を一度見せてもらうくらいから始めるのが現実的だと思っています。

おかしいと感じたとき、まず何をすればいいですか?

その場で一人で問い詰めるのは避けてください。相手が本当に悪意を持っていた場合、こちらが不利な立場になることがあります。まずは理事長や他の理事、管理会社に共有して、いつ・誰が・何を言ったのかを記録に残す。そのうえで、必要なら警察に相談する。今回の事件でも、事前に警察へ相談していたから、その場で対応できたと報じられています。国土交通省も、大規模修繕の発注についての相談窓口を案内する文書を出しています。

管理会社に任せておけば安心ではないですか?

管理会社が悪い、という話ではありません。

ただ、管理会社も会社ですから、利益は出さないといけない。

それが適正な範囲なのかを見る目は、住民の側にも要ります。

「プロに任せてあるから大丈夫」と考えるのをやめてしまうのが、いちばん狙われやすい状態です。

全部を自分で判断する必要はなくて、出てきた見積もりや報告に一度目を通す、分からなければ聞く。

それだけでも、その場の空気は変わります。

大規模修繕でお金を使いすぎると、売るときに影響しますか?

します。

修繕積立金が足りなくなれば値上げになり、管理費と合わせた毎月の負担が上がります。

買う側は、住宅ローンの返済とこの毎月の負担を合わせて考えるので、負担が重いほど手が出しにくくなる。

金利1%・35年で計算すると、毎月1万円の差は、借りられる額でおよそ354万円の差になります。

管理費と修繕積立金が高いマンションは、売値を下げないと売れない。

そういう形で、資産価値に直接はね返ってきます。

まとめ|今回のポイント

マンション大規模修繕なりすまし対策の4つのポイントまとめ
今回のポイント:不正の標的になりやすい理由、実行可能な対策、月1万円≒354万円の資産価値への影響

今回のポイントをまとめます。

1. 大規模修繕工事は高額で、工事事業者にとっては魅力的な市場だからこそ狙われやすい

2. 今回の事件は氷山の一角。悪意を持って騙しに来る相手は防ぎきれないが、1つずつ対策を潰していくしかない

3. 修繕委員の身元確認の徹底、誓約書の提出、公正な業者選定、契約書への違約金条項の追加など、できる対策がある

4. 管理費・修繕積立金の高騰は資産価値に直結する。月1万円の差 ≒ 借入可能額354万円の差

5. 管理会社任せにしない。自分たちのマンションは自分たちで守る意識が大事

稲沢市・一宮市でマンション売却をお考えの方へ

マンションの本当の価値を知るための3つの疑問:修繕積立金・長期修繕計画・売却価格
部屋の広さや駅徒歩だけが資産価値ではありません。管理の質こそが、将来の資産価値を大きく左右します

あなたのマンションの本当の価値は、部屋の広さや駅からの距離だけで決まるのではありません。

むしろ、管理の質こそが将来の資産価値を大きく左右します。

今回の事件や法改正で、今後マンションの運営管理は大きく変わっていきます。

「うちのマンションは大丈夫かな…」

「修繕積立金は足りているのかな…」

「今売ったらいくらになるんだろう…」

こうした疑問をお持ちの方は、まずは無料査定をご利用ください。

私はマンション管理士の資格を持ち、実際に分譲マンションの管理コンサルティングも行っています。

管理組合の内部を知る管理士として、そして不動産市場を知る専門家として、両面から評価できる私だからこそ、あなたの資産の本当の価値を見極めるお手伝いができます。

修繕積立金は足りているのか、長期修繕計画はちゃんと作られているのか。

こういったマンション特有の問題を理解しているかどうかで、売却の提案も大きく変わってきます。

▼ マンション売却の無料査定フォームはこちら ▼

▼ その他のご相談はこちら ▼

今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。

マンション大規模修繕なりすまし詐欺から資産を守る方法の全体まとめインフォグラフィック
資産価値を脅かす巧妙な手口と、プロが教える自己防衛策を1枚で解説
マンション大規模修繕なりすまし詐欺から資産を守る方法の全体まとめインフォグラフィック
資産価値を脅かす巧妙な手口と、プロが教える自己防衛策を1枚で解説

あわせて読みたい

参考資料

全国マンション戸数(2023年末): 約704.3万戸
居住者数推計: 約1,500万人(国民の1割超)

国土交通省「分譲マンションストック戸数」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html

国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001747006.pdf

「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」
https://www.mlit.go.jp/common/001230147.pdf

→ 稲沢市の中古マンション相場データ(棟別)を見る

この記事が気に入ったら
フォローしてね!

シェアしてもらえると励みになります!
読みたい場所にジャンプ