マンション大規模修繕で住民なりすまし事件が発覚!【2025年】知っておくべき対策と売却への影響



こんにちは。
稲沢あんしん不動産の佐藤です。
あなたが毎月コツコツと積み立ててきた修繕積立金。
それがあなたのマンションの資産価値を静かに蝕む不正の温床になっているとしたら?
2025年5月、神奈川県の分譲マンションで「住民なりすまし事件」が発覚しました。
全くの部外者が住民になりすまして修繕委員会に入り込み、9ヶ月間も誰も気づかなかったんです。
「えっ、そんなことできるの?」
私も最初このニュースを見た時は正直驚きました。
でも調べていくと、実はこれ、業界の闇というか氷山の一角なんですよね。
今回は、マンション管理士としての視点から、この事件の背景と対策、そしてあなたの資産価値を守るために知っておくべきことをお話しします。

佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
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事件の概要|9ヶ月間誰も気づかなかった巧妙な手口

まず、今回の事件の概要をお話しします。
発生場所は神奈川県の分譲マンション。
期間は2024年8月から2025年5月までの約9ヶ月間。
逮捕された男性は、大阪にある修繕工事会社(ここではT社としましょう)の従業員2名です。
何をやったのか?
住民になりすまして修繕委員会に参加し、T社の元社員が代表を務めるコンサルタント会社に有利になるよう、内部で誘導していたんです。
結果として、2025年5月に住居侵入容疑で現行犯逮捕。
管理組合は7月に偽計業務妨害罪と詐欺未遂で告訴しました。
巧妙すぎる手口を順番に解説
この手口が本当に巧妙なんです。順番に見ていきましょう。
第1段階:覆面調査のアルバイト
マンションの集合ポストに「覆面調査のアルバイト募集」のチラシを投函。最初は飲食店の覆面調査って説明していたらしいんですね。
飲食店の覆面調査って聞くと、なんか普通にありそうじゃないですか。
ところが途中から、なぜかマンションの修繕調査にすり替わって、最終的には住民から名義を借りたと。
第2段階:修繕委員への潜入
借りた名義で修繕委員に申し込んで、理事会の承認を通って、誰も疑うことなく委員として活動したわけです。
第3段階:情報操作
恐ろしいのがここからなんですけど、設計コンサルタント会社を公募することになった際、逮捕された男性の1人が「自分は修繕に詳しいよ」と言って、この公募作業を買って出たんです。
複数のコンサルタント会社から応募があったわけですが、その情報を操作して、T社の元社員が代表を務めるコンサルタント会社に有利になるように誘導したんですね。
他社の評価を下げたりして、それを客観的な比較資料として委員会に提出したと。
住民からすると、ちゃんと複数の会社を比較して選んでいるつもりなんですよ。
でもその比較資料自体が操作されていたら、もうどうしようもないですね。
第4段階:発覚と逮捕
この工作によって契約まであと一歩のところまで来たんです。
でも他の住民がこれを不審に思って、事前に神奈川県警にも通報していたんですね。
委員会の場で「あなたは誰ですか?」と問い詰めたところ、1人は逃走、1人は現行犯逮捕という流れです。
これは氷山の一角|業界に蔓延する構造的な問題

この事件が発覚したから良かったものの、もし発覚していなかったら住民の皆さんの大切な修繕積立金が不正に使われていた可能性があるわけです。
マンション管理士としての正直な感想
私がこの事件を見て思うのは、悪意を持って騙しに来ている相手は、一般の住民には防ぎきれないということです。
相手の方が上手なんです。
騙そうと思って入ってきているんだから、これはもうしょうがない。
今後も完全に防ぐことは難しいでしょう。
だからこそ、顔写真付きの本人確認資料を提出してもらうなど、問題が明らかになったことに対して正面から1つずつ潰していくしかないんです。
神奈川だけじゃない
この成りすまし事件ですが、類似の事件が神奈川だけじゃなくて千葉でもあったそうです。
でもこれはもう氷山の一角でしょうね。
決して「愛知県だからうちは大丈夫」とか思わないでほしいです。
公正取引委員会も動いた
実は、この事件が発覚する少し前に、公正取引委員会が約30社以上の大手修繕工事会社に立ち入り検査を行っているんです。
今年の3月〜7月ぐらいの話です。
談合というのは、本当は競争して一番良い条件の会社を選ぶべきところを、事前に「今回はA社が取る、次はB社」と決めてしまって、表向きだけ競争しているように見せることです。
結果として工事費用が本来よりも高くなる。
そしてその高くなった分は誰が払うかというと、マンションに住む住民の皆さんですよね。
なぜ大規模修繕は狙われるのか?

ここがポイントなんですが、大規模修繕工事は費用が高額なんです。
皆さんが大切に貯めてきた修繕積立金という数千万〜億単位のお金が、専門知識のない住民の方がボランティアで運営する管理組合によって動かされている。
だからこそ、プロの詐欺集団に狙われるわけです。
具体的な金額で見てみましょう
国土交通省の2025年の最新データによると、1戸あたりの工事費用がだいたい120万円から150万円くらいかかります。
愛知県の稲沢市や一宮市あたりで、駅前に50戸ぐらいの規模のマンションって多いんです。
50戸だと、50×150万円で7,500万円。
100戸以上のマンションなら1億5,000万円。
タワーマンションや大規模マンションだと、数億円規模の工事になります。
1つの工事で億単位のお金が動くわけなんです。
しかも修繕積立金から払うわけですから、「倒産して払いません」なんて話にはならない。取りっぱぐれがないんです。
設計監理方式の落とし穴

最近は管理会社主導ではなく、設計コンサルタントを入れて業者を選定する「設計監理方式」が増えています。
本来は住民の味方として、専門知識がない住民の代わりに適正な工事会社を選んでくれるはずの仕組みなんです。
ところが、実はこれ2017年から国土交通省が警告を出してるんですね。
「設計監理方式において、不適切な設計コンサルタントが特定の工事事業者の受注に協力する事案が発生している」
つまり、住民の味方のはずのコンサルタントが実は特定の工事会社と繋がっていて、その会社が受注できるよう誘導しているケースがあるということです。
今回の事件は住民になりすましたケースでしたが、そもそも住民の方が設計コンサル会社と結託しているケースだってあり得るわけです。
プロが教える具体的な対策|あなたの資産を守るために

じゃあ対策はどうすればいいのか。
マンション管理士として実務に携わっている立場から、具体的にお話しします。
対策1:修繕委員を選ぶ時の身元確認

初回参加時に顔写真付きの本人確認資料を提示してもらう。
そして管理規約にもそれを明記しておく。
規約に書いてあれば「規約で書いてあるのでお願いします」と言いやすいですよね。
実は、2025年10月の標準管理規約改正でも、「役員や専門委員の就任時の本人確認を適切に実施することが有効である」という文言が追加されました。
国もこの成りすまし問題を深刻に受け止めているわけです。
ちなみに、この標準管理規約改正は2026年4月施行の区分所有法改正を受けて行われたものです。
区分所有法の改正内容についてはこちらの記事で詳しく解説していますので、あわせてご覧ください。
▼ 区分所有法改正の詳細はこちら 【分譲マンション居住者必見!】2026年施行の改正区分所有法を3つのポイントを解説
▼ 標準管理規約改正の詳細はこちら 標準管理規約改正(令和7年10月)完全解説|2026年施行の区分所有法対応ポイント
ただ正直に言うと、現実的には修繕委員のなり手が少なくて困っているマンションが多いんです。
大規模修繕工事の計画って1年、2年と長期にわたりますから、普段働いている人にはハードルが高い。
専門知識がなくて全然いいのに「ないと困るでしょ」と思って尻込みする人もいる。
だから本人確認を厳しくしすぎると、ますますなり手がいなくなるというジレンマもあります。
それでも、今回の事件を受けて、最低限の本人確認は必要だと私は考えています。
対策2:コンサルタント・業者への誓約書

ここがプロとして一番お伝えしたいポイントです。
コンサルタントや工事業者を選定する際、「キックバック・紹介料・マーケティング費用等の名目でお金を受け取らない」という誓約書を会社として書面で提出してもらうことをお勧めします。
その際、違反した場合のペナルティ(違約金条項)も明記してもらう。
口約束ではなく、会社として正式な書面を出してもらうことが大事です。
これを拒む会社があれば、その時点で選定から外す判断材料になります。
対策3:業者選定は必ず同じルールで公正に
住民の皆さんの前で同じ条件でプレゼンをしてもらって、特別扱いはしない。
コンサルティング会社を入れるなら、皆さんの前で説明を受けて多数決で決める。
必ず複数の比較。これが大事です。
対策4:コンサルタント・業者の経歴を調べる
代表者の経歴はどうか。
どこか大きな会社の元社員じゃないかとか、過去の取引に偏りがないかとか、公正取引委員会の今回の調査対象企業じゃないかとか。
調べられることは調べておきましょう。
対策5:契約書に違約金条項を入れてもらう
もし不正があった場合はお金を返すとか、違約金を払うとか、そういう条項を入れてもらうことも大事ですね。
資産価値への影響|数字で見る「負の連鎖」

ここまで聞いていただいて、皆さんのマンションは大丈夫でしょうか?
大規模修繕工事で悪質な業者に騙された場合、大切な修繕積立金を無駄に使ってしまっただけでは終わりません。
負の連鎖が始まる
不正や高額工事 → 修繕積立金が足りなくなる → 値上げ → マンションが売りにくくなる → 資産価値が下がる
皆さん全員が持っている財布の中でやりくりするしかないんですね。
1回の大規模修繕で終わるわけじゃなくて、その先の工事もまたあるんです。
実際、私が今コンサルティングしているマンションでも、「今年大規模修繕工事の時期なんです」と管理会社から言われているのに、今現在お金が足りないという相談を受けています。
任せっぱなしにしてきた結果、こうなってしまったケースです。
毎月3万円を超えると売りにくい
私がこの愛知県で28年不動産業界にいて実感しているのは、管理費と修繕積立金の合計が毎月3万円を超えると、本当に売りにくくなるということです。
毎月3万円超えると、もう家賃払っているんだか、なんだかよくわからなくなっちゃうんですよね。
月1万円の差 ≒ 354万円の差

ここで、具体的な数字でお伝えします。
金利1%、35年ローンで計算すると、毎月の返済が1万円違うと、借入可能額が約354万円変わります。
つまり、こういうことです。
管理費+修繕積立金が月2万円のマンション vs 月3万円のマンション
月1万円の差があると、住宅ローンの借入可能額に354万円の差が出る。
だったら、売値が多少高くても、管理費・修繕積立金が安いマンションの方が、買い手にとっては実質的な負担が軽いんです。
逆に言えば、管理費・修繕積立金が高いマンションは、売値を下げないと売れないということ。
これが資産価値に直結するわけです。
代表 佐藤私なら、管理費+修繕積立金が3万円以上のマンションは正直お勧めしにくいですね。
3万円を超えているのは、財政状況が良くない証拠。
将来の見通しも危ないんです。
それなら2万円台の財政状況が良いマンションを選んでもらって、浮いた1万円分は住宅ローンの返済に回す。その分借入を増やせば、築年数が新しい、立地が良いなど、総合的に内容の良いマンションが買えます。
それがきっと買う人のためになりますから。
修繕積立金が上がりやすいマンションの特徴については、こちらの記事でも詳しく解説しています。
▼ あわせて読みたい 【マンション管理士監修】売れにくいマンションの特徴5選と確実に売る方法
管理会社任せの危険性


あと私が愛知県で感じているのが、マンションに高齢の方が住んでいて「管理会社さんが言っていることだから」って信用しきっている人が多いなということです。
お気持ちはわかります。
知らない人に頼むとかは不安ですから、今まで通りが安心なんです。
でもね、結局自分たちの資産を守るのは自分たちしかいないんです。
管理会社も商売ですから、利益を出さないといけない。
それは当然のことです。
でもそれが適正な利益なのか、取られすぎているのか、見極める目は養っておかないといけません。
めんどくさいから、プロに任しておけば安心だから、って思考を停止してしまうのが一番カモになってしまうパターンです。
マンション売却をお考えの方へ
ここまでお読みいただいた方の中には、「うちのマンション、今のうちに売った方がいいのかな…」と考え始めた方もいらっしゃるかもしれません。
よかったら下記の記事も参考にご覧ください。
実際、私がお手伝いした売却のお客様へのインタビューでは、「最初から最後まで寄り添ってサポートしてもらえた」というお声をいただきました。
▼ お客様インタビューはこちら 【お客様インタビュー】築11年マンションを29日で売却!Y様が語る稲沢あんしん不動産を選んだ理由
「売却って何から始めればいいの?」という方は、まずこちらの記事で全体の流れを把握してみてください。
▼ 売却の流れを知りたい方はこちら マンション売却の流れを完全解説!初めての方でも安心の手順とポイント
まとめ|今回のポイント


今回のポイントをまとめます。
1. 大規模修繕工事は高額で、工事事業者にとっては魅力的な市場だからこそ狙われやすい
2. 今回の事件は氷山の一角。悪意を持って騙しに来る相手は防ぎきれないが、1つずつ対策を潰していくしかない
3. 修繕委員の身元確認の徹底、誓約書の提出、公正な業者選定、契約書への違約金条項の追加など、できる対策がある
4. 管理費・修繕積立金の高騰は資産価値に直結する。月1万円の差 ≒ 借入可能額354万円の差
5. 管理会社任せにしない。自分たちのマンションは自分たちで守る意識が大事
稲沢市・一宮市でマンション売却をお考えの方へ


あなたのマンションの本当の価値は、部屋の広さや駅からの距離だけで決まるのではありません。
むしろ、管理の質こそが将来の資産価値を大きく左右します。
今回の事件や法改正で、今後マンションの運営管理は大きく変わっていきます。
「うちのマンションは大丈夫かな…」
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私はマンション管理士の資格を持ち、実際に分譲マンションの管理コンサルティングも行っています。
管理組合の内部を知る管理士として、そして不動産市場を知る専門家として、両面から評価できる私だからこそ、あなたの資産の本当の価値を見極めるお手伝いができます。
修繕積立金は足りているのか、長期修繕計画はちゃんと作られているのか。
こういったマンション特有の問題を理解しているかどうかで、売却の提案も大きく変わってきます。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。




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参考資料
全国マンション戸数(2023年末): 約704.3万戸
居住者数推計: 約1,500万人(国民の1割超)
国土交通省「分譲マンションストック戸数」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000058.html
国土交通省「長期修繕計画作成ガイドライン」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001747006.pdf
「設計コンサルタントを活用したマンション大規模修繕工事の発注等の相談窓口の周知について」
https://www.mlit.go.jp/common/001230147.pdf



