【2025年】中古マンションでも住宅ローン控除は使える?昭和60年建築の場合

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佐藤高樹

執筆者:佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/業界28年・査定実績5,000件超
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「築40年近い中古マンションを買おうと思うんですが、住宅ローン控除って使えるんでしょうか」

先日、35歳のお客様からこんなご相談をいただきました。検討されていたのは昭和60年(1985年)築、70平米のマンション。ご自身が住むためのお部屋です。

中古マンションは新築より費用を抑えられるのが魅力ですが、住宅ローン控除が使えるかどうかで、買ったあとの負担はだいぶ変わってきます。ただ、築年数が古いと「うちの物件は対象外なんじゃ…」と不安になる方が多いんですね。

この記事では、昭和60年築のような築古・旧耐震の境目あたりの中古マンションで住宅ローン控除が使えるのか、何を確認すればいいのかを、実際のご相談をもとに整理しておきます。

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昭和60年築のマンションは住宅ローン控除の対象になるのか

結論から言うと、昭和60年築のマンションでも住宅ローン控除を使える可能性は十分にあります。

カギになるのが「新耐震基準」という言葉です。1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物は、この新耐震基準にもとづいて建てられています。逆に、それより前の建物は「旧耐震」と呼ばれます。

昭和60年(1985年)に建てられたマンションなら、時期としては新耐震基準を満たしている可能性が高い、というわけです。住宅ローン控除でも、現行の耐震基準に適合している中古住宅であれば対象として扱われる仕組みになっています。

ここで気をつけたいのは、「昭和60年築だから自動的にOK」ではない、という点です。建築確認を受けた時期や耐震性が確認できる書類があるかどうかで判断が分かれる場合があります。築年数が古めの物件を検討するときは、新耐震の建物かどうかをまず調べてみてください。

旧耐震でも対象になるケースがある

豆知識として、もうひとつ。登記簿上の建築日付が昭和57年(1982年)1月1日以降の耐火建築物(マンション)であれば、現行制度では耐震基準適合証明書がなくても対象になります。

つまり「旧耐震=必ず対象外」ではないんですね。古い物件でも、書類でカバーできる道が残されている場合があります。このあたりは物件によって事情が変わるので、一概には言えない部分です。

住宅ローン控除の仕組みと「税金が上限」という落とし穴

そもそも住宅ローン控除とは、住宅ローンを使ってマイホームを買ったときに、一定期間、年末のローン残高に応じて所得税や住民税が軽くなる制度です。マイホームを後押ししてくれる、ありがたい仕組みなんですよ。

昭和60年築のような、長期優良住宅やZEH水準といった省エネ性能の認定がない既存マンションの場合、一般的には借入限度額2,000万円・控除期間10年・年末ローン残高の0.7%が戻ってくる、という枠で考えることになります。19歳未満の子がいる世帯など、世帯属性によって控除上限が優遇される条件(子育て世帯特例)もあります。

ここで見落としがちなのが、控除額には上限があるということです。

戻ってくる金額は「実際に納めている税金」が天井になります。たとえば計算上の控除額が14万円でも、その年に納めた所得税と住民税の合計が10万円なら、戻ってくるのは10万円まで。残りの4万円が上乗せでもらえるわけではないんですね。ここは意外と勘違いされている方が多いところです。

ご相談者のケースで要件を確認してみる

それでは、今回の35歳・自己居住用・70平米・昭和60年築というお客様のケースで、主な要件を当てはめてみます。

中古マンションで住宅ローン控除を使うときに見られる主な要件は、おおまかにこんな内容です(含みのある表現にしていますので、詳しくはご自身の状況でご確認ください)。

  • ご自身が住むための住宅であること
  • 床面積が原則50平米以上であること
  • その年の合計所得金額が一定額以下であること
  • 住宅ローンの借入期間が10年以上であること
  • 現行の耐震基準に適合している、または一定の時期以降に建築された住宅であること
  • 取得から6か月以内に入居し、その年の年末まで住み続けていること

今回のケースを見ると、自己居住用で、70平米なので床面積もクリア。所得の条件も問題なさそうです。建築時期も昭和60年なので、新耐震を満たしている可能性が高い。

あとは、借入期間を10年以上にすること、買ったあと6か月以内に入居して年末まで住み続けること。このあたりを満たせば、控除を使える可能性は十分にある、という見立てになります。

試算のイメージ

たとえば2,000万円の中古マンションを、頭金なしで2,000万円のローンを組んで買ったとします。

初年度の控除額の上限を、ざっくり計算するとこうなります。

2,000万円 × 0.7% = 14万円

ただ、これはあくまで「年末のローン残高が2,000万円だったら」という参考の数字です。実際には返済が進めば残高は減っていきますし、先ほどお話したとおり、納めている税金が14万円より少なければ、戻ってくるのもその金額まで。試算はあくまで目安として見ておいてください。

築古マンションを買うときに気をつけたいこと

住宅ローン控除そのものは使えても、「住宅ローンが希望どおり組めるか」は別の話になります。

昭和60年築というと、築40年近い物件です。こうした築古の物件では、金融機関の審査で築年数が見られて、返済期間が短めに制限される場合があります。返済期間が短くなると、毎月の返済額は上がりますし、結果として組めるローン残高も変わってきます。

ですので、築古の中古マンションを検討するときは、「控除が使えるか」だけでなく「希望の返済期間でローンが組めるか」もあわせて確認しておくと、あとで慌てずに済みます。

それともうひとつ。初年度は控除を受けるために確定申告が必要です。確定申告書のほか、住宅ローンの残高証明書、登記事項証明書、売買契約書のコピー、住民票などをそろえることになります。昭和60年築なら、新耐震を満たしていることが登記の内容で確認できれば、追加の耐震証明はいらないケースが多いです。必要書類は年や状況で変わることもあるので、申告前に確認しておくと安心です。

中古マンション購入そのものの流れや注意点は、[中古マンション購入で失敗しないための基本的なポイント](https://inazawa.estate/kyutaishin-mansion-zishin-kowai/)もあわせて読んでみてください。新築の建売を検討中の方は[新築建売住宅の選び方と注意点](https://inazawa.estate/roan-kouzyo-2024/)、最新の住宅ローン控除の特例については[2025年からの住宅ローン控除の見直しポイント](https://inazawa.estate/jutakuloan-koujo-2026-kaisei/)で整理しています。

よくある質問

Q. 昭和60年築のマンションは旧耐震ですか?新耐震ですか? 新耐震基準は1981年(昭和56年)6月1日以降に建築確認を受けた建物が対象です。昭和60年(1985年)築であれば、時期としては新耐震を満たしている可能性が高いです。ただ建築確認の時期で判断が変わる場合があるので、書類で確認してみてください。

Q. 旧耐震の中古マンションだと住宅ローン控除は一切使えませんか? 一概にそうとは言えません。旧耐震の建物でも、耐震基準適合証明書などで現行の耐震基準を満たしていることが示せれば、対象になるケースがあります。物件ごとに状況が異なります。

Q. 計算した控除額が全部戻ってくるのですか? 戻ってくる金額は、その年に実際に納めた所得税・住民税が上限になります。計算上の控除額のほうが大きくても、納めた税金を超えて戻ってくることはありません。

Q. 築古マンションでも希望どおりの住宅ローンが組めますか? 住宅ローン控除が使えるかどうかと、ローンが組めるかどうかは別の話です。築年数によっては返済期間が短めに制限される場合があるので、金融機関に早めに確認しておくと安心です。

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制度詳細:国税庁タックスアンサー No.1214(中古住宅を取得した場合)

なお、本記事の税金に関する記述は一般的な解説です。個別のケースについては、税理士または所轄の税務署にご確認ください。

この記事を書いた人

佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)

マンション管理士・宅地建物取引士・公認 不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/不動産業界28年・査定実績5,000件超
名古屋市内3つの管理組合で顧問を務め、管理の内側を知る立場から、マンション売却もサポートしています。

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