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不動産会社が売却を断る5つのケース|それでも「売れる物件」に変える道はあります

「自分の家、ちゃんと売ってもらえるんだろうか」。ご相談に来られる方の中には、こういう不安を抱えている方がいます。
最初にお伝えしておくと、これはどこの不動産会社でも、という話ではありません。
あくまで私、稲沢あんしん不動産の佐藤の場合として読んでください。
私は、ご依頼をいただいても、お受けして結果を出せないと判断したときは、正直にお断りしています。
今日は、その主な5つのケースをお話しします。
動画でも同じ内容をお話ししています。読むより観たい方は、こちらからどうぞ。
断るのは「価値がない」からではありません

先にお伝えしておくと、お断りするのは「その物件に価値がない」という話ではないんです。「今の状態のままでは、私が責任を持って売り切るのが難しい」。そういう意味なんですね。
逆に言えば、条件さえ整えば、お受けできる場合もあります。だから、これから挙げる5つに当てはまっても、そこで諦めないでください。
実は私、他の不動産屋さんのように、たくさんの物件を抱えて、そのうち何件か売れればいい、という”確率”のやり方はしていません。
お受けすると決めた物件には、自信を持って全力を注ぎたい。
だからこそ、入り口で正直に線を引いています。
気軽な気持ちで読んでください。では、いってみましょう。
当社が売却の依頼を断る5つのケース

先に結論から。私がお断りしているのは、こちらの5つです。
- 共有名義で、共有者の協力が得られない不動産
- 所有者が認知症で、判断能力が低下しているケース
- 住宅ローンの残債が、査定額を大きく上回るケース
- 他社で売れず、その原因が解決できない不動産
- 市街化調整区域の農地
ひとつずつ、なぜ難しいのかをお話しします。
① 共有名義で、共有者の協力が得られない

ひとつ目は、共有名義の不動産で、共有者の協力が得られないケースです。
相続で兄弟3人の名義になっている、離婚した元ご夫婦で半分ずつ。
こういう状況ですね。
不動産は、共有者全員の同意がないと売れません。
一人でも「売らない」と言えば、その瞬間に止まります。
「自分は売りたいけど、もう一人と話し合いにならない」というご相談、本当に多いんです。
正直に言います。兄弟の共有名義を、揉めずに売る方法はありません。揉めるのが普通です。あなたの兄弟が特別仲が悪いわけじゃない。お金や不動産が原因に見えて、本当の火種は昔からの感情のしこりだからです。
だから感情的なもつれが弁護士の領域になってしまうと、私は関与できません。ただ、全員の意思がまとまる見込みがあるなら、もちろんお受けします。私がやるのは、仲を取り持つことではなく、感情の言い合いを客観的な「数字」に戻して、「売る」という一点を前に進めることなんです。
② 所有者が認知症で、判断能力が低下している

ふたつ目は、所有者ご本人が認知症で、判断能力が低下しているケースです。
ご実家を売りたいけれど、名義はお父様で、そのお父様が認知症、という状況ですね。
不動産の売買には、所有者ご本人の意思表示が必要です。
ご本人が正しく判断できない状態だと、たとえ契約しても、後で無効になってしまう場合があります。
ご家族が良かれと思って進めても、法律上は通らないんですね。
ただ、ここにもちゃんと道はあります。
すでに認知症が進んでいる場合は、成年後見制度を使って家庭裁判所の許可を得れば、売却できる場合があります。
まだお元気なうちなら、家族信託という備え方もあります。
詳しくは「実家じまい、認知症だと売れない?売却方法と備える2つの対策」と「認知症で売却できなくなる前に|家族信託という選択」でお話ししています。
私がお断りするのは、「認知症だけど、なんとかこのまま売れないか」というご相談です。
それは正直にできません、とお伝えしています。
③ 住宅ローンの残債が、査定額を大きく上回る

みっつ目は、住宅ローンの残りが、売却の査定額より多い物件です。
たとえば相場で売れる金額が2,000万円なのに、ローンが2,400万円残っている。
こういうケースですね。
この場合、売っただけではローンを完済できません。
差額をご自身の資金で埋められる、いわゆる”持ち出し”ができるなら、問題なく進められます。
難しいのは、その持ち出しもできない場合です。
ここで「相場より高く売り出してみましょう」と提案する会社もあるかもしれません。
でも、私はそれをやりません。
相場より高い物件はまず売れませんし、もし高値で買う方がいたら、後で「騙された」と感じさせてしまう。
それは避けたいんです。
残債やローン中の売却の流れは「住宅ローン返済中のマンション売却ガイド」にまとめています。
④ 他社で売れず、その原因が解決できない

よっつ目は、他社さんに依頼していたけれど売れなかった不動産です。
これは誤解されやすいので、丁寧にお話しします。
まず、他の会社が売れなかった物件を、私がやれば魔法のように売れる、とは思っていません。
売れないには、必ず理由があるんです。
だから私は「なぜ売れなかったのか」をまず見ます。
その原因が特定できて、当社なら解決できる状況なら、お受けします。
前の会社が情報をきちんと出していない、見せ方を工夫していない。
これならやれることがたくさんあります。
逆に、販売価格が相場よりかなり高くて、「その金額では下げたくない」と言われたら。
これは原因が解決できていない、ということなんですね。
売れない理由の見抜き方は「あなたの不動産がいつまでも売れない2つの理由」でも詳しくお話ししています。
大事なのは”どの会社か”ではなく、”原因が特定できて、それを解消できるかどうか”なんです。
⑤ 市街化調整区域の農地

いつつ目は、市街化調整区域の農地です。少し専門的なので、わかりやすくいきますね。
ポイントは「農地だから」ではなく、「市街化調整区域だから」というところです。
市街化調整区域は、簡単に言うと、街として開発を抑えているエリア。
家を自由に建てられない地域です。
稲沢市も、8割から9割が市街化調整区域なんですね。
同じ農地でも、市街化区域なら農地転用で宅地に変えて家を建てられる場合があります。
でも調整区域の農地は、その許可がとても厳しい。
買える人がごく限られて、現実には狭き門になります。
それに私たちは宅地建物取引業という免許で営業しています。
文字通り宅地と建物を扱う仕事なので、調整区域の農地は業務の範囲外として、基本的にはお断りしています。
ただ、ご自分の土地が市街化区域なのか調整区域なのか、よくわからないという方も多いと思います。
そこがあいまいなら、まずはご相談ください。
それでも、道はある

ここまで5つのケースをお話ししましたが、もう一度お伝えしたいことがあります。
当てはまっても、そこで終わりではありません。
共有名義なら、全員の気持ちがまとまる道を一緒に探せます。
認知症なら、後見制度や家族信託という備え方があります。
他社で売れなかった物件も、原因が特定できれば打ち手が見えてきます。
あいまいな土地も、まず種別を調べるところから始められます。
私がお断りするのは、あくまで「今のまま、その条件のままでは難しい」というときだけです。
条件を整える方向に一歩進めるなら、私はお手伝いします。
確率で売らない。だから入口で正直に線を引く

最後に、私の考え方をお話しさせてください。
私は、たくさん物件を抱えて、そのうち何件か売れればいい、という売り方をしません。
お受けすると決めた物件には、最初に「3ヶ月で売り切る」計画を立てて、そこにリソースを集中させます。
不動産は、売り出した最初の瞬間が一番反響が大きいんです。
ここで逃さないよう、最初にどれだけ手厚く仕掛けられるか。
これが結果を分けます。
たくさん物件を抱えていたら、これはできません。
だからこそ、「これは売り切れる」と判断したものに全力を注ぐ。そのために、入り口で正直に線を引いているんです。
「自分の物件は売れるんだろうか」と不安な方ほど、一度ご相談ください。
売れる物件なのか、何が原因なのか、正直にお伝えします。
よくある質問

Q. 5つのケースに当てはまったら、もう売れないということですか? いいえ。お断りしているのは「今の状態のまま」では難しい、という意味です。条件が整えば、お受けできる場合があります。まずは状況をお聞かせください。
Q. 他社で「売れない」と言われた物件でも相談していいですか? はい。なぜ売れなかったのか、その原因が特定できて解決できるなら、お受けしています。価格設定や見せ方が理由のことも多いんです。
Q. 共有名義で、もう一人と話がまとまっていなくても相談できますか? ご相談はいつでも歓迎です。ただ、全員の同意がないと売却そのものは進みません。まとまる見込みがあるかどうかも含めて、一緒に整理しましょう。
Q. 自分の土地が調整区域かどうかわかりません。 そういう方は多いです。種別を調べるところからお手伝いできますので、まずはご相談ください。
※成年後見制度や農地転用など、法律・制度が絡む判断は、市役所や司法書士・行政書士など専門家にも確認してください。


