【稲沢市】相続した市街化調整区域の空き家は売れる?既存宅地・新宅地と査定の注意点

「父が亡くなって、稲沢市の実家を相続することになった」 「自分はもう住まないから売りたい。ただ、その土地が市街化調整区域にあるらしい」 「そもそも市街化調整区域って何なのか。普通の空き家と同じように売れるのか、まったく分からない」
こういうご相談、稲沢市では本当に多いんです。
先日も、お父様を亡くされて空き家になった実家を売りたい、という査定のご相談がありました。調べてみると、その家が建っている土地は市街化調整区域でした。
先に結論をお伝えします。市街化調整区域の空き家でも、売れる可能性は十分あります。
ただ、一般の住宅みたいに「この辺は坪いくらだから」と周辺相場を掛けるだけでは査定できません。査定額を大きく左右するのは、次の一点なんです。
その土地が「既存宅地」なのか、それとも「新宅地」なのか。
既存宅地として家を建てられる見込みのある土地なのか。それとも、建てられる人や使い道が限られる土地なのか。ここが違うだけで、買いたい人の数も、査定価格も大きく変わってきます。
この記事では、稲沢市で市街化調整区域の空き家を相続された方に向けて、こんな内容を順番に整理していきます。
- 市街化調整区域とは何か
- 既存宅地と新宅地の違い
- 稲沢市でカギになる「昭和45年11月24日」
- 既存宅地かどうかを調べる方法
- 査定額を左右するポイント
- 査定の前に用意してほしい書類
- 築年数の古い空き家をどう売るか
- 相続登記や税金の注意点
市街化調整区域だから売れない、という話ではありません。ただ、誰が、どういう順番で調べるかによって、売り方も査定額も変わりやすい。そういう不動産だと思ってください。
まず確認するのは、この5つです
稲沢市の市街化調整区域にある空き家を相続したら、最初に見るのはこの5つです。
- 相続人と登記の名義を確認する
- 権利証や固定資産税の書類を探す
- 昭和45年11月24日の時点で宅地だったかを調べる
- 今の建物が、どんな経緯で建ったのかを確認する
- 道路・排水・農地・境界まで含めて査定する
全部をご本人が調べる必要はありません。まずお願いしたいのは、実家に残っている古い書類を、価値が分からなくても捨てずに取っておいていただくことだけです。
登記事項証明書や公図、都市計画、道路の情報などは、私たち不動産会社の側で調べられます。
市街化調整区域の査定は、価格を出す前の「調査」で結果が決まります。「とりあえず周辺の坪単価を掛けました」では、正確な数字になりません。
父の空き家を相続したAさんの話
ここからは、実際によくいただくご相談をもとにした「Aさん」の例で話を進めます。
Aさんは52歳。ご自宅は名古屋市にあります。稲沢市で一人暮らしをしていたお父様が亡くなり、築50年ほどの実家が空き家になりました。
Aさんにはもう自宅がありますから、実家に住む予定はありません。ご兄弟とも相談して、売る方向で査定をご依頼くださいました。
ところが物件を調べると、その実家は市街化調整区域にありました。Aさんは「市街化調整区域」という言葉を、このとき初めて聞いたそうです。
- 家が建っているのに、建築が制限されるってどういうこと?
- このまま売れるのか
- 買った人は、将来建て替えできるのか
- 築50年だけど、家としての価値は残っているのか
- いっそ解体して土地として売った方がいいのか
- そもそも、誰に相談すればいいのか
こういう疑問が、次から次へと出てきます。
Aさんのケースで私が最初に見るのは、家の中がきれいかどうかではありません。その土地が、住宅を建てられる見込みのある土地なのかどうか。つまり、土地の「過去」と「今の条件」を先に調べます。
市街化調整区域とは?
市街化調整区域は、ざっくり言うと「住宅や店をむやみに増やさないための地域」です。
都市計画法では、市街化調整区域を「市街化を抑制すべき区域」と位置づけています。とはいえ、すでに住宅が建っていたり、一定の条件を満たして許可を受けられたりすれば、建てられる場合もあります。

市街化区域との違い
| 比べる項目 | 市街化区域 | 市街化調整区域 |
|---|---|---|
| 基本の考え方 | 市街化を進める区域 | 市街化を抑える区域 |
| 住宅の建築 | 用途地域などの条件を満たせば建てられる | 原則として制限される |
| 建て替え | 比較的検討しやすい | 都市計画法の確認が要る |
| 査定の方法 | 周辺相場が中心 | 既存宅地・許可・接道なども調べる |
| 買主の範囲 | 比較的広い | 土地の条件しだいで限られる |
市街化調整区域でも、土地や建物の売買そのものが禁止されているわけではありません。問題になるのは、買った人がその後に何をできるか、なんです。
- 住宅を新築できるか
- 古い家を建て替えられるか
- どんな用途で使えるか
- 住宅ローンを使えるか
このあたりの条件で、買いたい人の数と売却価格が変わります。

登記簿が「宅地」でも、家を建てられるとは限りません
土地の登記事項証明書には、「宅地」「田」「畑」「雑種地」といった地目が書かれています。
ただ、登記簿の地目が「宅地」だからといって、自由に住宅を建てられるわけではありません。「宅地」はあくまで登記の上での土地の種類です。都市計画法の上で家を建てられるかどうかは、これとは別に判断します。
地目が宅地 = 誰でも家を建てられる土地、ではありません。市街化調整区域では、宅地になった「時期」や、建物が建った「経緯」まで確認します。
稲沢市でカギになる日付は「昭和45年11月24日」
稲沢市では、昭和45年11月24日(1970年11月24日)に、市街化区域と市街化調整区域を分ける「線引き」が行われました。
線引きというのは、市街化区域と市街化調整区域を分けた、その線のことです。
市街化調整区域の土地を査定するときは、この昭和45年11月24日の時点で、すでに宅地だったかどうかを調べます。

日付の見方
- 昭和45年11月23日以前から宅地だったと確認できる → 既存宅地として検討できる可能性があります
- 昭和45年11月25日以降に宅地になった → いわゆる新宅地の可能性が高くなります
- 昭和45年11月24日付けになっている → 日付だけで決めず、登記原因や他の資料も合わせて確認します
たった1日、2日の違いでも、土地の評価に響くことがあります。不動産の世界では、「だいたい線引き前だと思う」は通りません。ここは資料で押さえます。

既存宅地と新宅地の違い
市街化調整区域の査定では、「既存宅地」と「新宅地」という言葉がよく出てきます。難しく考えず、まずはこう覚えてください。
- 既存宅地:線引き前から宅地だった土地
- 新宅地:線引き後に宅地になった土地
既存宅地と新宅地の比較
| 確認項目 | 既存宅地 | 新宅地 |
|---|---|---|
| 基本の意味 | 線引き前から宅地 | 線引き後に宅地 |
| 稲沢市のカギの日 | 昭和45年11月24日 | 昭和45年11月24日より後 |
| 住宅の建築 | 条件を満たせば可能性あり | 原則として制限あり |
| 買主の範囲 | 比較的広くなりやすい | 限られる可能性がある |
| 査定価格 | 高くなりやすい | 使い道しだいで低くなることも |
| 主な調査 | 宅地の時期・連たん・接道 | 許可履歴・建てられる人と用途 |
ただ、既存宅地なら無条件で家を建てられる、というわけでもありません。道路、排水、周りの建物、敷地の広さなども合わせて見ます。
「新宅地」は正式な法律用語ではありません
新宅地は、ふつう「市街化調整区域の線引き後に宅地になった土地」を指します。
ただ、実は「新宅地」は都市計画法に書かれた正式な法律用語ではありません。不動産や建築の現場で使われている呼び方です。
新宅地になる主な例
- 線引き後に農地から宅地へ変更した
- 分家住宅を建てた
- 農家住宅を建てた
- 店舗や事業所の許可を受けた
- 線引き後に隣の土地を敷地へ加えた
新宅地でも、所有権を売買すること自体はできます。ただ、誰が買っても家を建てられる土地とは限りません。だから新宅地は、既存宅地に比べて買える人が限られて、査定価格が低くなることがあります。
既存宅地なら、誰でも家を建てられますか?
既存宅地でも、無条件に建てられるとは限りません。
昔は「既存宅地確認制度」という仕組みがありました。一定の土地について行政の確認を受ければ、都市計画法の許可なしで建てられる、というものです。
ただ、この制度は平成13年5月18日に廃止されました。5年間の経過措置も、平成18年5月17日で終わっています。
今は、過去に既存宅地確認を受けた土地でも、現在の基準であらためて確認が必要です。

稲沢市で確認する主な条件
愛知県の開発審査会基準第17号などにもとづき、主にこんな点を見ます。
- 線引きの時点で、すでに宅地だったか
- 今まで続けて宅地であるか
- 周りにおおむね50戸以上の建物が連たんしているか
- 建築基準法上の道路に接しているか
- 排水先を確保できるか
- 建物の用途や規模が基準に合っているか
- 農地法など、ほかの法令に問題がないか
「連たん」というのは、周りに建物がまとまって建っている状態のことです。愛知県の運用基準では、敷地の間がおおむね50メートルで連続していること、などが示されています。

昔から宅地だっただけでは足りません。道路や周りの建物、排水まで含めて、家を建てられる見込みを判断します。

既存宅地かどうかを調べる方法
「昭和45年のことなんて、家族に聞いても分からない」。そう思われるかもしれません。
でも実際は、家族の記憶で決めるのではなく、公的な資料を一つずつ確認していきます。ここは私たちの仕事です。
土地の登記事項証明書
今の地目、地積、地目を変えた時期などを確認します。ただ、今の登記事項証明書だけでは、昭和45年当時の様子が分からないことがあります。そのときは、閉鎖登記簿や旧土地台帳までさかのぼります。
建物の登記事項証明書
線引きの時点で、すでに建物があったと確認できる場合があります。土地の地目だけでは分からないときに、大事な資料になります。
旧・既存宅地確認通知書
過去に既存宅地確認を受けていれば、その確認通知書が判断のカギになります。制度自体はなくなっていますが、土地の履歴を示す資料としては今も大切です。
建築確認関係の書類
こういう書類から、建物の建った時期や用途を確認します。
- 建築確認済証
- 検査済証
- 建築確認申請書
- 建築計画概要書
- 配置図・平面図・立面図
都市計画法の許可書類
今の建物が、どういう理由で建ったのかを確認します。
- 分家住宅
- 農家住宅
- 店舗併用住宅
- 収用移転による住宅
- 既存集落内の自己用住宅
こういう許可の履歴は、新宅地の査定でとくに大事になります。
固定資産税まわりの資料
固定資産税納税通知書、課税明細書、名寄帳、過去の課税資料などを確認します。
公図・地積測量図
土地の形、分筆や合筆の経緯を確認します。「構図」と呼ばれることもありますが、正しくは「公図」です。公図・地積測量図・建物図面は、それぞれ別の資料です。
昭和50年4月1日以降の「さかのぼり登記」は要注意
登記事項証明書の地目が宅地でも、それだけで既存宅地と判断できないケースがあります。とくに気をつけたいのが、こういう場合です。
- 登記の日付が昭和50年4月1日以降
- 原因の日付だけが線引き前にさかのぼっている
たとえば、昭和55年に宅地への地目変更登記をして、原因日だけ「昭和45年11月20日」と書かれていたとします。この場合、その登記だけで既存宅地と判断されるとは限りません。
建物登記、固定資産税の資料、過去の許可書など、ほかの公的な資料での裏づけが要ります。
分筆・合筆・換地がある土地は、もう一段の調査が要ります
稲沢市には、土地改良や換地処分が行われた地域があります。
「換地」というのは、土地改良などで、土地の場所や形を入れ替えることです。今は1筆の宅地でも、線引きの時点では複数の土地だったかもしれません。逆に、線引き時点の宅地が、分筆や合筆で今とは違う形になっていることもあります。
確認する資料
- 今の登記事項証明書
- 閉鎖登記簿
- 分筆前・合筆前の登記
- 旧公図
- 地積測量図
- 換地処分の関係資料
- 土地改良事業の資料
- 一時利用地証明・仮換地証明・換地図
とくに気をつけたいのが、1筆の土地の中に、既存宅地として扱える部分と、新宅地として扱われる部分が混ざっているケースです。今の地目が全部宅地でも、敷地全体が同じ扱いになるとは限りません。必要なら、確定測量や分筆も検討します。
都市計画法・第34条第11号の指定区域も確認します
新宅地だからといって、すぐに住宅建築をあきらめる必要はありません。稲沢市には、市街化調整区域の中でも「この集落なら、条件を満たせば家を建てられる」と市が線を引いた34条11号の指定区域が、13地区だけあります。
対象の地区名、広さなどの条件、地図での調べ方は、別の記事に地区名まで全部まとめました。あわせてご覧ください。
→ 稲沢市の34条11号指定区域とは|市街化調整区域でも家を建てられる13地区
市街化調整区域の査定額を左右する10項目
市街化調整区域の空き家は、周辺の坪単価だけでは査定できません。主にこの10項目を見ます。

1. 既存宅地か新宅地か
査定額にいちばん響きやすい項目です。家を建てられる見込みが高い土地ほど、買える人の範囲が広がります。
2. 第34条第11号の指定区域か
指定区域の中なら、新宅地でも住宅建築を検討できる可能性があります。
3. 建築基準法上の道路に接しているか
土地が道路に面しているように見えても、建築基準法上の道路とは限りません。道路の種類、幅、接している長さを確認します。
4. 道路と敷地の間に水路がないか
道路と敷地の間に水路があると、橋の占用許可や、接道の扱いを確認します。昔から橋を使っていても、正式な許可が残っていないことがあります。
5. 排水先を確保できるか
雨水や汚水をどこへ流すかを確認します。市街化調整区域では、前の道路に側溝がない、下水道が入っていない、というケースがあります。
6. 上水道の引き込みがあるか
前の道路に水道の本管があっても、敷地の中への引き込みがない場合があります。引き込み管の口径や工事費も、買う人の判断材料になります。
7. 農地が含まれていないか
敷地の一部に田や畑が含まれていると、農地転用を確認します。農業振興地域の中の農用地、いわゆる農振農用地だと、さらに難しくなります。
ここで一つ、正直にお伝えしておきます。私たちは「宅地建物取引業」の免許で仕事をしています。ですから、市街化調整区域でも”宅地”なら、売買のお手伝いができます。相続された実家は建物が建つ宅地ですから、そこはご安心ください。
ただ、”農地そのもの”は宅地建物取引業の対象ではないので、当社では扱えません。同じ農地でも、市街化区域の農地は宅地へ転用できるので扱えます。でも、市街化調整区域の農地は転用が難しく、正直、当社ではお引き受けできないんです。ここは申し訳ないのですが、はっきりお伝えしておきます。
ですから、実家の敷地に田や畑が混じっていたり、宅地とは別に農地も相続されていたりする場合は、その農地の部分だけ扱いが変わります。まずは、何が宅地で何が農地なのか。そこの切り分けから、一緒に確認していきましょう。
8. 境界と実測面積
境界標がない、登記の面積と現況が違う、隣地との越境がある。こういう問題は査定額に響きます。
9. 建物の状態と解体費用
築50年前後の空き家だと、中古住宅として使うより、解体して土地として買いたい、という人が中心になることがあります。その場合は、解体費用、残置物の撤去費用、ブロック塀・庭木・井戸・浄化槽などの撤去費用を確認します。
10. 周りの需要と売却事例
同じ市街化調整区域でも、駅、学校、幹線道路、既存の集落との位置関係で需要が変わります。実際にどんな買主がいるかまで考えて査定します。
築50年の空き家は、解体して売るべきですか?
築50年前後の木造だと、建物としての評価がほとんど付かないことがあります。
耐震性、雨漏り、シロアリ、傾き、設備の傷み。こういうことを考えると、買う人が「土地として」検討するケースも多くなります。
空き家を売るときの全体の流れは、空き家売却の進め方(7ステップ)でも整理しています。あわせてご覧ください。
そこで、次の3つを比べます。

1. 古家付き土地として売る
売る側が先に解体費用を出さずに済みます。ただ、買う人から「解体費用のぶん値引きして」と交渉を受けることがあります。
2. 売る側が解体して更地で売る
土地の状態を見せやすく、買う人が建築の計画を立てやすくなります。そのかわり、売れる前に解体費用を払う必要があります。
3. 更地渡しの条件で売る
売買契約のあと、引き渡しまでに売る側が解体します。買う人が決まってから解体できるので、先に大きな費用を負担するリスクを抑えられます。
どの方法がいちばん手取りを残せるかは、この計算で比べます。
売却価格 − 解体費用 − 測量費用 − 残置物の処分費用 − 税金 = 最終的な手取り額
「更地の方が高く売れる」という理由だけで決めず、解体費用を引いた後の手取りで判断する。ここが大事なところです。
査定の前に用意してほしいもの
書類が全部そろっていなくても、査定のご相談はできます。まずは実家に残っている書類を見てみてください。
売主さまに探してほしい書類
とくに大事なのは、再発行が難しい古い書類です。
- 権利証、または登記識別情報通知
- 固定資産税納税通知書
- 固定資産税課税明細書
- 建築確認済証・検査済証・建築確認申請書
- 建物の配置図・平面図・立面図
- 都市計画法の開発許可書・建築許可書
- 既存宅地確認通知書
- 農地転用許可書
- 過去の売買契約書・重要事項説明書
- 建築請負契約書
- 確定測量図・境界確認書
- お父様が家を建てたときの資料
古い封筒やファイルに「建築確認」「開発許可」「農地転用」と書かれていないか、見てみてください。価値が分からない書類も、処分せずそのまま見せていただければ大丈夫です。
不動産会社の側で取れる書類
こちらは私たちの側で取得・調査できます。
- 土地・建物の登記事項証明書
- 公図・地積測量図・建物図面
- 閉鎖登記簿・旧土地台帳
- 都市計画情報・道路情報
- 建築計画概要書
- 上下水道の情報
- 農地・農振の情報
- ハザード情報
売主さまが全部を調べる必要はありません。まずは登記簿謄本(登記事項証明書)と、固定資産税の課税明細書があれば、私たちで確認を始められます。なお、こうした本格的な調査は、媒介契約を結んで正式にご依頼をいただいてから動きます。相談だけで勝手に調査が進んで費用を請求する、ということはありません。
相続登記が終わっていなくても査定できます
相続登記が終わっていなくても、査定や売却の準備は進められます。ただ、買う人へ所有権を移すまでには、原則として相続登記が必要です。
2024年4月1日から、相続登記は義務になりました。不動産を相続したと知った日から、原則3年以内に相続登記を申請しなければなりません。2024年4月1日より前に起きた相続も対象です。

相続人が複数いるときに確認すること
- 誰が不動産を相続するか
- 共有名義にするか
- 売却代金をどう分けるか
- 遺産分割の話がまとまっているか
- 相続税の申告が要るか
共有名義にすると、原則として共有者みんなの同意がないと売れません。売る予定があるなら、相続登記の名義を決める前に、司法書士や不動産会社へ相談しておくと進めやすくなります。相続した実家・空き家をどう進めるかは、相続した空き家の売却相談にもまとめています。
相続空き家の3,000万円特別控除も確認します
お父様が住んでいた空き家を相続して売る場合、一定の条件を満たせば、譲渡所得から最大3,000万円を差し引ける可能性があります。いわゆる「相続空き家の3,000万円特別控除」です。
主な条件
- 昭和56年5月31日以前に建てられた家屋
- 区分所有建物ではない
- 相続が始まる直前まで、被相続人が一人で住んでいた(一定の老人ホーム入所は例外あり)
- 相続の後、事業・貸付け・居住に使っていない
- 相続開始から3年を過ぎる日の属する年の12月31日までに売る
- 売却代金が1億円以下
- 2027年12月31日までの譲渡
2024年1月1日以後の譲渡では、売買契約にもとづいて、譲渡の後の一定期限までに買主が耐震改修または建物の取り壊しをする方法も対象になっています。
ただ、実際に使えるかどうかは、個別の条件で変わります。最後は税務署か税理士へ確認してください。ここは私が断言していい部分ではありません。

市街化調整区域の空き家を高く売る6つのポイント
1. 既存宅地か新宅地かをはっきりさせる
土地の使える見込みが分からなければ、買う人は安心して買えません。昭和45年11月24日時点の資料を調べます。
2. 建てられる根拠を資料で示す
既存宅地として検討できる場合は、登記簿や許可書などを整理します。「建てられると思います」ではなく、買う人や建築会社へ説明できる資料を用意します。
3. 道路・水路・排水を先に調べる
買う人が建築会社へ相談した段階で問題が見つかると、購入を見送られることがあります。売り出す前に確認しておく。これが効きます。
4. 古家付き・更地・更地渡しを比べる
売却価格だけでなく、解体費用を引いた後の手取りで比べます。築年数の古い空き家は、解体して土地として売る方が現実的なことも少なくありません。
5. 境界と実測面積を確認する
土地改良や換地のある地域では、登記の面積と現況が合っていないことがあります。必要なら確定測量や分筆を検討します。
6. 市街化調整区域に慣れた不動産会社へ頼む
市街化調整区域の査定は、周りの売り出し事例を集めるだけでは足りません。行政調査、許可の履歴、接道、排水、農地、解体費用まで整理して、はじめて現実的な査定価格が見えてきます。
市街化調整区域の査定は、3段階で考えます
市街化調整区域の不動産は、調べた結果で大きく3つに分かれます。

A. 住宅用地として広く売りやすい土地
- 既存宅地として許可の可能性がある
- 第34条第11号の指定区域にある
- 接道や排水に大きな問題がない
このタイプは、一般の住宅購入者や建築会社へ紹介しやすくなります。
B. 条件を整えれば売れる土地
- 境界が不明
- 水路の占用の確認が要る
- 解体や測量が要る
- 農地転用の確認が要る
- 敷地の一部だけが既存宅地
このタイプは、売り出す前の調査と、条件の整理がカギになります。
C. 買主や用途が限られる土地
- 住宅建築が難しい新宅地
- 接道に問題がある
- 排水先を確保できない
- 農地転用が難しい
- 資材置場や駐車場などに用途が限られる
このタイプは、隣地の所有者、事業者、資材置場の需要なども含めて売り方を考えます。
A・B・Cで、買える人の数も査定価格も変わります。この振り分けをせずに「市街化調整区域だから安い」と査定するのは、正直、少し乱暴だと思っています。
用途変更が使えるケースもありますが、例外的です
市街化調整区域の住宅には、分家住宅のように「特定の人が住むこと」を前提に許可された建物があります。こういう住宅を第三者へ売る場合、都市計画法の用途変更が必要になることがあります。
愛知県には、相当な期間ちゃんと使われてきた住宅について、用途変更を検討する基準があります。
ただ、用途変更は誰でも気軽に使える制度ではありません。当初の許可の内容、建築後の利用期間、売るに至った事情、買う側の住宅事情、建物の状態、行政の審査。こういうものを確認する必要があります。
実際のところ、築年数の古い空き家は、解体して土地として売る方が現実的なことも多いです。だから、用途変更を前提に査定するのはおすすめしません。そのうえで、ごく限られたケースでは選択肢になることもあります。
私は、用途変更を過度に期待させるような説明はしません。可能性がある場合だけ、個別にお伝えします。
よくある5つの勘違い
勘違い1. 家が建っているから、建て替えもできる
今、建物があることと、将来建て替えられることは別の問題です。
勘違い2. 地目が宅地なら、住宅を建てられる
登記の地目と、都市計画法の建築の可否は、別に判断します。
勘違い3. 既存宅地なら許可はいらない
旧・既存宅地確認制度は廃止されています。今の基準での確認が要ります。
勘違い4. 新宅地は絶対に売れない
住宅用地として難しくても、隣地、駐車場、資材置場などの需要がある場合があります。第34条第11号の指定区域に入っている可能性も確認します。
勘違い5. 相続登記が終わるまで査定できない
相続登記の前でも査定できます。売却の準備と並行して、司法書士と相続登記を進められます。
不動産会社が違っても、仲介手数料だけでは選びにくい
不動産の売却でいただく仲介手数料は、法律で上限が決まっています。だから、同じくらいの仲介手数料を払うのなら、会社の名前だけでなく、実際に誰が担当するのかを見て選んでほしいんです。
とくに市街化調整区域は、担当者によって調べる範囲がまるで変わります。
- 今の登記簿だけで判断するのか
- 閉鎖登記簿までさかのぼるのか
- 既存宅地かどうかを調べるのか
- 第34条第11号の指定区域を確認するのか
- 道路・水路・排水まで見るのか
- 解体費用の相見積もりを取るのか
- 相続登記や税金まで段取りするのか
同じ不動産でも、準備の差が、売却条件の差になって表れます。
安く見せて売るのは、正直かんたんです。難しいのは、売れる根拠を整えたうえで、適正な価格で売り切ることだと思っています。
稲沢あんしん不動産が、市街化調整区域の相談に向いている理由
当社は、査定価格を出して終わり、ではありません。売り出す前の状況整理から、販売活動、契約、引き渡しまで、代表の私・佐藤高樹が直接担当します。
不動産業界28年・査定実績5,000件超
これまで土地、戸建て、マンション、空き家、相続不動産まで、5,000件を超える査定に関わってきました。
市街化調整区域も、「売れる・売れない」の二択では見ません。既存宅地と新宅地、線引き時点の土地利用、許可の履歴、接道、水路、排水、農地、境界、解体、相続登記、税金。ここまで整理したうえで、売り方をご提案します。
初回相談から引き渡しまで、代表の私が直接担当
大きな会社だから安心、とは限りません。実際に売却を進めるのは、会社の名前ではなく担当者です。
当社は、初回相談から査定、販売活動、契約、引き渡しまで担当が変わりません。ご相談のときに伺った事情や、ご家族の希望を分かったまま、最後まで対応します。
相続登記・解体・測量も、窓口を一本化
相続した空き家の売却は、不動産会社だけで完結しないことがあります。相続登記は司法書士、税金は税理士、測量は土地家屋調査士、解体は解体業者、残置物は片付け業者。それぞれに連絡すると、売主さまの負担が大きくなります。
当社では、私が窓口になって、必要な専門家や業者をつなぎ、全体の段取りを整理します。
Googleクチコミ 平均5.0
おかげさまで、当社はGoogleクチコミで平均5.0の評価をいただいています。
Googleクチコミ 平均5.0・15件(2026年6月時点)
実際に、こんなお声をいただきました。
何から手をつけていいか分からず相談しました。親身に話を聞いてくださって、無事に解決できました。
佐藤様のご対応はとても丁寧で、相続登記については司法書士の先生をご紹介いただき、スムーズに相続登記ができました。
遠方でなかなか実家に行けず、佐藤さんに任せきりでしたが、対応がとても親切でした。こまめに連絡をもらえたので、安心して売却できました。
一般的な不動産屋さんとは違って、こちらのように顧客側に寄り添って細かくサービスしてくれるところは、まずないと思います。
市街化調整区域の空き家を相続された方の多くは、最初から売り方が決まっているわけではありません。「何を調べればいいか分からない」「相続登記も終わっていない」「解体費用も分からない」。その状態から一緒に整理していくのが、私の仕事です。
よくある質問
- 市街化調整区域の空き家でも売れますか?
-
売れる可能性はあります。既存宅地、第34条第11号の指定区域、接道、排水、農地などを調べたうえで判断します。
- 書類が何も見つかりません。それでも査定できますか?
-
できます。まずは登記簿謄本(登記事項証明書)と、固定資産税の課税明細書があれば十分です。取り方が分からなければ、それごとご相談ください。なお本格的な調査は、媒介契約を結んで正式にご依頼をいただいてから進めます。
- 相続登記が終わっていなくても相談できますか?
-
できます。相続人や遺産分割の状況を確認して、必要なら司法書士と連携します。
- 築50年の家でも中古住宅として売れますか?
-
建物の状態によりますが、築50年前後の木造は、土地として検討されることが多くなります。古家付き・更地・更地渡しの3つを比べます。
- 既存宅地かどうか、自分で調べられますか?
-
登記事項証明書で地目を変えた時期を確認するところまではできます。ただ、閉鎖登記簿、換地、連たん、接道、排水、行政判断まで含めると、専門的な調査が要ります。
- 査定や相談に費用はかかりますか?
-
当社の相談・査定は無料です。仲介手数料は、売却が成立したときにいただきます。測量や解体などの実費が必要になる場合は、実施する前にご説明します。
- 相談したら、必ず売らないといけませんか?
-
そんなことはありません。売る・持ち続ける・解体する・整理する、といった選択肢を並べたうえで、ご家族に合った方法を決めていただけます。
まとめ|市街化調整区域は、査定前の調査で結果が変わります
稲沢市の市街化調整区域にある空き家を相続したら、この順番で進めます。
- 相続人と登記の名義を確認する
- 権利証や古い許可書を探す
- 昭和45年11月24日時点の土地利用を調べる
- 既存宅地か新宅地かを確認する
- 第34条第11号の指定区域を確認する
- 道路・水路・排水・農地を調べる
- 境界と実測面積を確認する
- 古家付き・更地・更地渡しを比べる
- 相続登記と税金を整理する
- 売却価格と売り方を決める
市街化調整区域だから売れない、という話ではありません。ただ、家を建てられる見込みのある土地なのか、使い道が限られる土地なのかで、査定価格は大きく変わります。
大事なのは、安易に高い査定額を出すことでも、はじめから「売れない」と決めつけることでもありません。売れる根拠を一つずつ調べて、買う人へ説明できる状態にすること。ここに尽きます。
「何から始めればいいか分からない」段階で、ご相談ください
市街化調整区域の空き家を相続すると、分からないことが一度に押し寄せてきます。
- 既存宅地か新宅地か分からない
- 古い許可書が見つからない
- 相続登記が終わっていない
- 兄弟と話がまとまっていない
- 解体費用が分からない
- そもそも売れるのか知りたい
全部を決めてから相談する必要はありません。まずは、今の状況を整理するところからで大丈夫です。
当社では、業界28年・査定実績5,000件超の代表・佐藤高樹が、初回相談から引き渡しまで直接担当します。Googleクチコミは平均5.0・15件(2026年6月時点)。「何も分からない状態からでも、丁寧に説明してもらえた」「相続登記や解体まで、窓口になって進めてもらえた」。そう感じていただける対応を大切にしています。
不動産会社へ払う仲介手数料が同じくらいなら、どこへ頼んでも同じ、ではありません。市街化調整区域では、担当者がどこまで調べて、どこまで手をかけるかで、売却の進み方が変わります。
市街化調整区域の空き家だからこそ、最初の相談先で結果が変わります。
登記簿謄本(登記事項証明書)と、固定資産税の課税明細書があれば、私たちで確認を始められます。売るかどうか決まっていなくても構いません。まずは「この空き家をどうしたらいいか」を、一緒に整理するところからでも大歓迎です。
空き家売却の流れ
最初のご相談から引渡しまで、代表の佐藤が一緒に進めます。
④建物解体・⑤土地の測量は、状況により発生する工程です。
稲沢市の市街化調整区域・空き家の無料査定はこちら
電話:0587-33-5620(10:00〜18:00/火曜・水曜定休)

