【令和8年6月速報】愛知県不動産市況|売り物は、過去いちばん多いまま

2026年6月の愛知県の不動産市況が出ました。
今月の数字で目立つのは、売りに出ている物件の多さです。
戸建ての売れ残りは3年で約1.7倍に増えて、そのまま下がってきません。
毎月、最新の数字を開いて「いま家や土地が売れているのか」をお伝えしているシリーズの3回目です。
今日の数字は、レインズのものです。
レインズって、聞き慣れないですよね。
これは、全国の不動産屋さんだけが見られる、物件情報の共有の仕組みです。
国が指定した仕組みで、不動産屋さんは、売買が決まったら「いくらで売れたか」を必ずここに登録します。
つまり、チラシやネットに載っている「売りたい値段」ではなくて、実際にいくらで売れたか。
それが分かる、ほぼ唯一の資料なんです。
一般の方は見られません。
その中身を、今月も開いていきます。

※この記事の分析は2026年7月時点のものです。数字は、中部レインズ「月例速報マーケットウォッチ」2026年6月度に基づいています。
▶ この記事の内容は動画でも解説しています
先に、結論です

売りに出ている物件の数が、とても多い状態です。
ここ数年でいちばん多いところまで増えて、そのまま減っていません。
これ、売る側からすると、結構まずい状態です。
だから私は、売るなら早めに動いた方がいいと思っています。これはデータの予測ではなく、数字を見たうえでの私の結論です。
なんでそう言えるのか。マンション、土地、戸建ての順に、数字を見ていきます。
マンション|愛知県の数字は良くなっている
マンションの件数

最初に、グラフの見方だけ丁寧に説明させてください。この後、土地も戸建ても同じ形が出てきます。
これは、2023年1月から2026年6月まで、3年半を1ヶ月ごとに並べたグラフです。
横軸が時間で、左端が3年前、いちばん右が今年の6月です。
- ピンクの棒=その月に実際に売れた数(成約)
- 緑の棒=その月に新しく売りに出た数
- 青い線=売れ残っている数(在庫)
在庫というのは、売りに出ているけれど、まだ売れていない物件のことです。
お店で言うと、棚に並んだままの商品ですね。
売れた数より、新しく出てくる数が多いと、棚に商品がたまっていく。
それで青い線が上がります。

この在庫、売る側からしたら少ない方がいいんです。物が少なければ、欲しい人で取り合いになりますから。
逆に多いと、買う人は選び放題。売る側は、選ばれるのを待つ立場になります。

これを頭に置いて、マンションを見てください。
まずピンクの棒。
売れた数は477件で、3年前の6月の332件より増えています。
ちゃんと売れているんですよ。
そして青い線。右の方を見てください。去年の夏から、下がり始めているでしょう。
マンションは、在庫が減り始めているんです。売る側には、いい流れです。
マンションの値段

値段のグラフも、最初なので見方から説明します。
- 赤い線=実際に売れた値段
- 緑=売り出しの値段
- 青=売れ残っている物件の値段
いちばん大事なのは、赤。実際に売れた値段です。
ギザギザしていますが、ならして見ると、右肩上がりでしょう。
3年前は2,300万円ぐらいだったのが、いまは2,600万円前後。3年で、1割以上上がっています。
在庫が減って、値段は上がっている。マンションは、愛知県の数字では、そうなっています。
ただ。
でも、稲沢は違います

ここから先は、データの話ではありません。私が毎日見ている感覚です。
稲沢のマンションは、こうなっていないんですよ。
正直、動きは弱いです。結構、売れ残っています。
なんでかというと、愛知県って、広いんです。名古屋も入っています。豊田も、稲沢も入っている。全部足して、割った数字なんです。
さっきの「マンションは上がった」は、たぶん名古屋に引っ張られています。
同じ愛知県でも、動き方が違うんですよね。
だから、「マンションは上がってるらしいよ」を、稲沢やこの周辺の話だと思わない方がいいです。
土地|売れてはいる。でも、この3年半でいちばん多い
土地の件数

グラフの見方は、マンションと同じです。
ピンクの棒。
売れた数は243件で、3年前の6月の142件より増えています。
土地も、ちゃんと売れているんです。
でも、緑の棒を見てください。
新しく売りに出た数が918件。
売れた数の何倍もあるでしょう。
だから青い線。在庫はずっと増えてきて、4,045件。この3年半で、いちばん多い数です。
在庫が多いと、買う人は選び放題です。土地は、その選び放題がいちばん進んでいる状態です。

土地の値段

赤い線、実際に売れた値段は、行ったり来たりです。6月の平均は2,146万円でした。
土地は月ごとの振れが大きいので、1ヶ月だけでは判断しません。
売り出しの値段、緑は強気なんですけどね。売れた値段の方は、横ばいです。
戸建て|売り物は3年で約1.7倍
戸建ての件数

ピンクの棒。売れた数は317件で、3年前の6月の198件より増えています。
でも、緑の棒。
新しく売りに出た数は1,232件。
売れた数の、何倍もあるでしょう。
これが3年間、ずっとです。
だから青い線。在庫は5,467件で、3年前の3,505件から約1.7倍。ここ半年は、上がりきったところで止まったまま、下がってこないんですよ。
戸建てを買う人は、いま、選び放題です。売る側は、その中から選ばれないといけない。

戸建ての値段

値段は、行ったり来たりです。
直近は、ちょっと上がって見えます。
ただ、土地の広い家が売れた月が混ざると、平均は上がるんですよ。
なので、ここは読みすぎません。
3年でならして見ると、大きくは動いていません。
まとめ|私の結論

まとめます。
- マンション:在庫が減って、値段も上がっていました。正直、良い数字です。ただ、稲沢の動きは鈍い。これは私の感覚です。
- 土地と戸建て:売れている数は増えています。でも、それ以上に新しく売りに出てくるから、売れ残りは積み上がったまま。ここ数年でいちばん多いところのままです。
これが、6月の状況です。
売り物がこれだけ多いということは、買う人から見たら、選び放題ということです。
あなたの家も、その並んだ中の1軒になります。 その中から、選ばれないといけない。
場所が良ければ、強いです。でも、そうじゃなければ、値段の勝負に巻き込まれやすい。
だから私は、何か理由があって売るのを待っているのでなければ、早めに動いた方がいいと思います。
売り出しまでの段取りを先に知っておきたい方は、不動産売却の流れと期間に8ステップでまとめてあります。
ちなみに、稲沢市・一宮市あたりの実際の数字は、この記事では出せません。
レインズの数字をネットに載せるのは、業界のルールで禁止されているからです。
ご相談いただいた方には、査定の根拠としてお見せするのは、いいんです。だから、聞いてください。お見せします。
まだ売ると決めていなくても大丈夫です。
出典:公益社団法人 中部圏不動産流通機構「月例速報 マーケットウォッチ」愛知県・2026年6月度
これまでの市況レポート

この速報は、毎月出しています。前の月からの流れで見ると、変化が分かりやすくなります。
- 愛知県不動産市況の令和8年5月速報|日銀1%利上げで売り時はどう変わったか
- 愛知県不動産市況の令和8年4月速報|ナフサショック・ホルムズ海峡を読み解く
- 2025年10〜12月期(四半期):土地編/中古戸建て編
- 2025年11月の愛知県マンション相場|価格回復の裏に潜む危険信号
よくある質問

- 2026年6月時点で、愛知県の家や土地は売れていますか?
-
売れています。実際に売れた数は、マンション477件・戸建て317件・土地243件で、どれも3年前の同じ月より増えています。
ただ、それ以上のペースで新しく売りに出てくるので、売れ残りは多いままです。
- 売り物が多いと、売る側は何が困るのですか?
-
買う人が選び放題になるからです。
似た物件がたくさん並ぶほど比べられて、強気の値段のままだと売れ残りやすくなります。
- マンションは値上がりしていると聞きました。稲沢も同じですか?
-
愛知県の平均では、実際に売れた値段が3年で1割以上上がっています。
ただ、これは名古屋も含めて全部足して割った数字です。私が毎日見ている範囲では、稲沢のマンションの動きは鈍めです。
- これから値段は下がりますか?
-
正直、読めません。
分かっているのは「売り物が増えたまま、下がってこなかった」という、これまでの事実だけです。
予測に賭けるより、今の状態を見て動くかどうかを決める方がいいと思います。
物件ごとの事情で判断は変わります。個別のことは、状況を伺ったうえでお答えします。

