築年数のせいじゃなかった。稲沢市の売れないマンション3つの共通点

手描き色鉛筆タッチのイラスト。左に窓に鉢植えを飾った5階建て分譲マンションの外観、右上に黄色マーカーで縁取った「築年数のせいじゃなかった」の大見出しと「売れないマンション3つの共通点」の小見出し、右下にチェックリストと虫めがねのアイコン、吹き出しに「原因を知れば、解決の糸口が見えてくる。」の文字。
佐藤高樹

執筆者:佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
宅地建物取引士・公認不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/業界28年・査定実績5,000件超
代表紹介を詳しく見るお客様の声(★5.0・15件)

こんにちは、稲沢あんしん不動産の佐藤です。

今、稲沢市内では中古マンションが42件売り出されています(2026年8月9日現在)。その中には、半年以上、中には1年以上売れずにいる物件も含まれています。

うちのマンション、もう半年も売れていない。何がいけないんだろう

こう感じている売主さんは、実は少なくありません。

そこで今回、当社が独自に稲沢市内の売り出し中マンションを継続観測しているデータをもとに、長期間売れていない中古マンション9件を実際に比較・分析してみました。

名前は特定されないよう、すべて伏せた形で扱っています。

結論から言うと、売れていない9件には共通する特徴が3つありました。①築年数が30年以上、②売主物件か一般媒介契約、③価格変更が2回以上、この3つです。

ただし、これらはあくまで「表に見えている結果」であって、「売れない原因」そのものではありません。

それぞれの裏には、別の理由が隠れています。

1つずつ見ていきましょう。

ここまでの内容以外にも、不動産売却・相続・空き家について動画で解説しています。

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結論:売れていない9件に共通する3つの特徴

手描き色鉛筆タッチのイラスト。木製デスクの上に観葉植物とコーヒーカップ、ノートと鉛筆が置かれ、中央に「3つの共通点」の見出し。右側に①マンション建物②契約書類③値札タグの3枚の角丸カードが並び、それぞれに手描きアイコンが描かれている。

今回ピックアップした稲沢市内の長期未成約マンション9件のうち、

  • 築年数30年以上:9件中6件
  • 売主物件・一般媒介契約:9件中5件
  • 価格変更2回以上:9件中6件

という結果になりました。

手描き風スライド画像。「長期間売れていないマンションの共通点、3つ」の見出しの下に、①築年数30年以上(時計アイコン)②売主物件・一般媒介契約(八方向矢印アイコン)③価格変更2回以上(右肩下がりグラフアイコン)の3項目が角丸バーで並ぶ。下部に「これは結果であって原因ではありません」の注記。

大事なのは、この3つを「だから売れない理由」だと思い込まないことです。

古いから売れない、一般媒介だから売れない、値下げしているから売れない、という単純な話ではありません。

それぞれの数字の裏側には、もう少し具体的な原因があります。

①築年数30年以上でも、「古さ」そのものが原因ではない

手描き色鉛筆タッチのイラスト。「さくら台マンション」という看板が立つ4階建て分譲マンションの外観。外壁にやや年季が感じられる質感で描かれ、駐輪場・植栽・エントランスの階段が正面に配置され、青空に雲が浮かんでいる。

築年数が古いと敬遠される、というのはある程度事実です。ですが、それ以上に見てほしいのが管理費と修繕積立金です。

毎月かかる管理費と、将来の大規模修繕工事に備えて積み立てる修繕積立金。この2つを合わせた金額が、今回の9件のうち3件で月3万円を超えていました

マンションは、だいたい15年に1回のペースで大規模修繕工事を行います。

築30年ということは、ちょうど2回目の大規模修繕が終わったか、これからやるかというタイミングです。

手描き風スライド画像。「大規模修繕は、15年に1回。築30年は、ちょうど2回目のタイミング」の見出し。0年・15年(1回目修繕)・30年(2回目修繕)の3時点で足場が組まれたマンションのイラストが並ぶタイムライン図。

このタイミングでお金が足りなくなり、管理費や修繕積立金が上がりやすくなります。

毎月かかる費用が高くなれば、購入をためらう人が増え、結果として販売期間が長くなってしまうわけです。

管理費・修繕積立金がどれくらいなら「高い」「安い」に当たるのか、稲沢市内のマンションを一覧で比較したランキングも作っていますので、気になる方は稲沢市の中古マンション管理費・修繕積立金ランキングもあわせてご覧ください。

とはいえ、古くても売れているマンションはたくさんあります。稲沢市内でも、築30年クラスで管理がしっかりしているマンションは、今も普通に売れています。

手描き風スライド画像。「古いから売れないのではなく、管理の差」の見出し。左に「SOLD」の札が付いたきれいな外観のマンション、右に外壁が傷んだマンションが並び、同じ築年数でも管理状態で見た目に差が出ることを示す比較イラスト。

つまり、「古いから売れない」のではなく、古くなったタイミングで、それまでの管理内容の積み重ねの差が表面化する、というのが実際のところです。同じ築30年でも、管理組合がきちんと運営されてきたマンションと、そうでないマンションでは、この段階で明確に差がつきます。

②売主物件・一般媒介契約は、窓口の数が多いほど有利とは限らない

手描き色鉛筆タッチのイラスト。紺色スーツの男性相談員が両手を広げて説明し、正面のピンクの服の女性が思案顔で聞いている。2人の間に、矢印が四方八方に伸びるカードと、矢印が一方向だけに伸びるカードが並んで浮かんでいる。左右背景に一戸建てとマンション街のシルエット。

2つ目の特徴、売主物件か一般媒介契約かどうか。これも9件中5件が当てはまりました。

不動産の売却を依頼するとき、契約の形は大きく分けて3種類あります。専属専任媒介契約・専任媒介契約・一般媒介契約です。媒介というのは、仲介という意味です。

手描き風スライド画像。「専任媒介と一般媒介、対応の違い」の比較表。依頼できる会社数・販売状況の管理・定期報告・販売戦略の設計・初動2週間の集中販売・広告改善・内覧後の分析・相続空き家の整理・向いている人の9項目を、一般媒介契約と専任媒介契約で並べて比較している。

ここで知っておいてほしいのが、レインズへの登録義務の違いです。

専属専任媒介契約・専任媒介契約を結ぶと、不動産会社には「レインズ」という、不動産会社どうしで物件情報を共有するデータベースへの登録が、法律で義務付けられています(専属専任媒介は契約から5営業日以内、専任媒介は7営業日以内)。

そのため専任系の契約であれば、他のどの不動産会社の担当者でもその物件を見つけて、条件に合うお客様に紹介できる状態になっています。

一方、一般媒介契約にはこのレインズ登録義務がありません。

登録するかどうかは、担当する不動産会社の判断次第です。

つまり、一般媒介だからといって、必ずしも他社にも情報が広く伝わっているとは限らないということです。

窓口の数で言うと、専任媒介は売り主さんが1社だけに絞って任せる形です。

窓口が1つに絞られるイメージです。

一般媒介は、売り主さんが同時にA社、B社、C社と複数の会社に頼んでいる形です。

手描き風スライド画像。「一般媒介=窓口は複数」の見出し。売主のイラストから、A社・B社・C社の3つの不動産会社へそれぞれ矢印が伸びているイラスト。

一見すると、依頼先が多いほうが売れる確率が高いように思えるかもしれません。

ですが、実際はそう単純ではありません。

もう1つ、売主物件についても触れておきます。

これは個人の売り主さんではなく、不動産会社さん自身が売主になっている物件のことです。

個人が複数の会社に頼んでいるか、会社自体が売主になっているかで成り立ちは違いますが、結局どちらも「複数の会社が窓口になれる」という点では同じです。

これがなぜ売れにくさにつながるかというと、力の入れ方に差が出るからです。

当社では、専任媒介の物件なら「一緒に伴走しながら進めていきましょう」、一般媒介の物件なら「売主さん主導で進めてください」と、最初にはっきりお伝えしています。

普通の不動産会社は、多くの物件を抱えて、確率的にどれか1つ当たればいいという考え方になりがちです。

担当者1人が20件、30件と物件を抱えていることも珍しくありません。

そうすると、専任媒介の中でも条件のいい物件に、どうしても力が集中しやすくなります。

一般媒介は「他社もやっているから、いつか売れたらいいや」という扱いになりやすいのが実情です。

手描き風スライド画像。「専任には力を入れる。一般はどうしても後回しに」の見出し。天秤のイラストで、左の「専任」の皿が重く下がり、右の「一般」の皿が軽く上がっている様子を表現。

高額な不動産ですから、安くても何百万円、何千万円という金額です。

担当者がしっかり力を入れなければ、良い条件では売れません。

正直に言うと、当社は一般媒介を、よほどの理由がない限りお受けしていません。

他の会社さんがすでに一般媒介で扱っている物件でも、多くはレインズや各社のホームページで情報が公開されています。

当社は、そうした公開されている情報の中からお客様の希望条件に合う物件を見つけて、ご紹介することができます。

だからこそ、わざわざ当社が売り主さんと重ねて一般媒介契約を結ぶ必要はないんです。

その分の力を、専任でお任せいただいている物件にしっかり注いでいます。

媒介契約の種類による違いについては、専任媒介と一般媒介、成約率まさかの3倍差|不動産屋が本音で解説でも詳しくお話ししていますので、よろしければご覧ください。

③価格変更2回以上、最初の値付けが販売期間を左右する

手描き色鉛筆タッチのイラスト。黄・ピンク・緑の3枚の値札タグが右肩上がりの順に並び、それぞれに斜めの取り消し線が引かれている。右端に鉛筆が値札に線を引く動作を添え、左に一戸建て、右にマンション群のイラストが配置されている。

3つ目、価格変更を2回以上している物件。

これは9件中6件が当てはまりました。

中には4回、5回という物件もありました。

これは、さきほどお話しした2つの理由とつながっています。管理費・修繕積立金が高い、売主物件や一般媒介で力を入れてもらえていない。もちろん駅から遠いなど、他にもマイナス要因はいろいろありますが、そういった総合的な理由を考慮したうえでの、最初の値段設定が間違っていたということになるわけです。

不動産は、売り出した瞬間が最も反響・注目度が高くなります。

探している人は新着物件から順番にチェックするため、出した瞬間が一番目にとまりやすいのです。

だからこそ、最初に適正な相場の範囲でなるべく高いところを狙う、という値付けの力が重要になります。

ただし、この相場の幅はだいたいプラスマイナス100万円程度です。

この範囲を超えると、探している人から見向きもされなくなってしまいます。

手描き風スライド画像。「相場の範囲、だいたい±100万円」の見出し。中央に「適正価格帯」と書かれた横長のバーがあり、両端に−100万円・+100万円の矢印が示されている。

今、不動産を買おうとしている人は、インターネットなどで簡単に情報を集められるため、売り主さんよりもはるかに詳しく調べていることが少なくありません。

相場より高いと分かった時点で、「待っていれば下がるだろう」と判断されてしまうのです。

現地案内をしていても、初めて会うお客様から「これ、いつから出ているんですか」と聞かれることがあります。

出たばかりなら自信を持って答えられますが、1ヶ月も経って同じことを聞かれると、こちらも「そうですね、なんででしょうね」としか言えなくなってきます。

相場より高い物件なら、私は「正直、値段が高いんですよ」とはっきりお伝えします。

明らかに相場から高ければ、そもそもご依頼をお受けしません。

価格を何度も変更しているということは、探している人から「ずっと売れていない物件」と見られてしまっているということでもあります。

何度も下げている物件は「また下がるかもしれない」と見られてしまい、悪循環に陥りやすくなります。

手描き風スライド画像。「価格変更を繰り返すと、反響はじわじわ下がる」の見出し。縦軸を反響・横軸を販売期間としたグラフで、売り出し直後・1ヶ月目・2ヶ月目と山が徐々に低くなっていく右肩下がりの折れ線を表現。下部に「一般的な傾向のイメージ図です(実測データではありません)」の注記。

価格変更は、売りに出したら基本1回までと考えています。

最初に適正な相場の中で一番高いところを目指し、試してダメだった場合の次の金額をあらかじめ決めておく。

それでも売れない場合の2回目は、もう最後のチャンスです。

手描き風スライド画像。「価格変更は、基本1回まで。2回目は、最後のチャンス」の見出し。中央に大きな数字の「1」が描かれ、下部に「基本1回まで」の注記。

細かく何度も刻んで下げていくやり方は、効果としてはほとんど意味がありません。

まとめ:3つの特徴は「結果」であって「原因」ではない

手描き色鉛筆タッチのイラスト。紺色スーツの男性と薄ベージュのカーディガンの女性が中央で握手をしている。左に一戸建てと間取り図、右に「ご相談・ご提案・サポート」と書かれたクリップボードとビル群のイラスト、吹き出しに「住まいの未来を、一緒に。」の文字。

売れていないマンションの特徴、3つでした。①築年数30年以上、②売主物件・一般媒介契約、③価格変更2回以上。

繰り返しになりますが、この3つはあくまで結果であって、原因ではありません。

古いから売れないのではなく、売主物件や一般媒介だから売れないのでもなく、価格変更をしているから売れないのでもありません。

それぞれに理由があって、結果としてこの3つに当てはまってくる、ということです。

この考え方は、私が不動産業界に入ってから今までずっと変わっていません。

もし今、ご自身の物件が長期化しているなら、この3つのどれかに当てはまっていないか、一度振り返ってみてください。

大体、当てはまると思います。

手描き風スライド画像。「今からでも、間に合います」の見出し。①築年数30年以上②売主物件・一般媒介契約③価格変更2回以上の3項目が角丸バーで並び、下部に電話とチェックリストのアイコンが添えられている。

もし当てはまっていても、今からでも間に合います。

専任媒介に切り替える、値段を見直す。

それだけで、反響は変わってくることが多いです。

大事なのは、売り出す前の準備と、売り出した最初の1〜2週間です。

「もう手遅れかも」と諦める前に、まずは今の状況を話してみてください。

売れにくいマンションの特徴は、他の切り口からも【稲沢市】売れにくいマンションの特徴5選と確実に売る方法でまとめていますので、あわせてご覧ください。

よくある質問

相談者と担当者がテーブルを挟んでQ&A形式のパネルを見ながら向き合い、疑問点を一つずつ確認しているイメージイラスト
長期間売れていないマンションは、値下げすれば必ず売れますか?

値下げだけで解決するとは限りません。

今回の分析でも、価格変更が2回以上に及んでいる物件の多くは、管理費・修繕積立金の高さや媒介契約の形といった別の要因も重なっていました。

値段を見直す前に、まず何が販売期間を長引かせているのかを整理することをおすすめします。

一般媒介契約を専任媒介契約に切り替えることはできますか?

はい、可能です。一般媒介契約には法律上の契約期間の定めがなく、専任媒介契約より切り替えやすいのが一般的です。

ただし契約書に定めた期間や告知ルールがある場合はそれに従う必要がありますので、今の契約状況とあわせてご相談ください。

管理費・修繕積立金が高いマンションは売却をあきらめたほうがいいですか?

あきらめる必要はありません。

管理費・修繕積立金が高いこと自体はマイナス材料になりますが、管理がしっかりしている証拠として説明できれば、購入検討者の安心材料にもなります。

伝え方次第で印象は変わります。

稲沢市のマンションの適正価格はどうやって調べればいいですか?

近隣の類似物件の成約事例と、現在売り出し中の競合物件を比較するのが基本です。

当社では無料査定の際に、こうした周辺相場のデータをもとに適正価格の範囲をお伝えしています。

不安に思われましたら、無料の売却相談をご利用ください。ご相談内容が外部に漏れることはありません。

宅建士×マンション管理士に、マンション売却の相談|稲沢あんしん不動産

お急ぎの方はお電話で: 0587-33-5620 (10:00〜18:00/火・水定休)

この記事を書いた人

佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)

マンション管理士・宅地建物取引士・公認 不動産コンサルティングマスター(相続対策専門士)/不動産業界28年・査定実績5,000件超
名古屋市内2つの管理組合(計156戸)で顧問を務め、管理の内側を知る立場から、マンション売却もサポートしています。

「まず話を聞きたい」からでも大歓迎。査定・相談は無料です。

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手描き色鉛筆タッチのイラスト。左に窓に鉢植えを飾った5階建て分譲マンションの外観、右上に黄色マーカーで縁取った「築年数のせいじゃなかった」の大見出しと「売れないマンション3つの共通点」の小見出し、右下にチェックリストと虫めがねのアイコン、吹き出しに「原因を知れば、解決の糸口が見えてくる。」の文字。

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