【2026年4月施行】区分所有法改正を徹底解説|決議要件緩和・建替え要件・実務への影響
2025年5月23日、「建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第47号)」が国会で可決・成立しました。この改正区分所有法は、2026年4月1日から施行されます。
本改正は、老朽化マンションの管理と再生の円滑化を目的とした大規模な法改正で、決議要件の緩和、再生手法の多様化、管理計画認定制度の拡充を3本柱としています。
- 施行日:2026年4月1日
- 所管:法務省・国土交通省
- 根拠法令:令和7年法律第47号
- 関連法改正:マンション管理適正化法、被災マンション法

こんなお悩みありませんか?
「共用部分の修繕工事がなかなか管理組合の総会で話がまとまらない…」
「古いマンションだけど、このまま住み続けても大丈夫かな?」
「この先建て替えの話が出た場合だいじょうぶかな…」
区分所有法改正(2026年4月施行)の全体像
2025年5月23日、「建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第47号)」が国会で可決・成立しました。この改正区分所有法は、2026年4月1日から施行されます。
本改正は、老朽化マンションの管理と再生の円滑化を目的とした、平成14年以来約24年ぶりの大規模な法改正です。
本改正の詳細は、法務省および国土交通省の公式サイトで公開されています。
- 法務省:老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00375.html - 国土交通省:マンション関係法改正の概要(令和7年9月)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001909545.pdf - 国土交通省:マンション政策
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000001.html
改正のポイント
- 決議要件の緩和(出席者多数決への転換)
- 再生手法の多様化(建替え以外の選択肢を追加)
- 管理計画認定制度の拡充(新築時からの認定制度)
- 所在不明区分所有者の除外制度(新設)
- 全国のマンション戸数:約694万戸
- マンション居住人口:約1,500万人(人口の12%)
- 築40年超のマンション:137万戸(20年後には467万戸に増加)
- 世帯主70歳以上の割合:築40年超マンションで50%超
現在分譲マンションにお住まいの方、これからマンション購入を検討されている方、マンションの将来のこと少し気になりませんか?
実は、こうした課題を解決するために、2025年5月に区分所有法の改正が可決・成立し、2026年4月から施行されることが決まりました。
今回は、この改正がマンション居住者の皆さんにどのような影響を与えるのか、28年の不動産業界経験をもとに、わかりやすく解説いたします。

佐藤高樹(稲沢あんしん不動産 代表)
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区分所有法とは|基本概念と改正の背景
建物の区分所有等に関する法律(区分所有法)の基本
区分所有法は、正式には「建物の区分所有等に関する法律(昭和37年法律第69号)」といい、分譲マンションのような区分所有建物の管理・使用に関する基本ルールを定めた法律です。
マンションでは、各住戸(専有部分)は個人の所有ですが、廊下・階段・エレベーター(共用部分)はすべての区分所有者の共有となります。この複雑な権利関係を法的に整理し、管理組合の運営ルールを定めているのが区分所有法です。
区分所有法の基本情報
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 建物の区分所有等に関する法律 |
| 法令番号 | 昭和37年法律第69号 |
| 制定年 | 1962年(昭和37年) |
| 前回改正 | 2002年(平成14年) |
| 今回改正 | 2025年(令和7年法律第47号) |
| 施行日 | 2026年4月1日 |
| 所管省庁 | 法務省・国土交通省 |
改正の背景|マンションの「二つの老い」問題
なぜ今、区分所有法の改正が必要だったのでしょうか?
日本全国で約694万戸のマンションがあり、約1,500万人(人口の約12%)がマンションに居住しています。このうち築40年超の高経年マンションは137万戸に達し、20年後には約467万戸(現在の3.4倍)まで増加する見込みです。
改正の背景|マンションの「二つの老い」と管理の課題

全国で1,500万人以上の方がマンションにお住まいで、日本の人口の約1割、10人に1人はマンションに住んでいる状況です。
そのうち築40年を超える高経年マンションが137万戸もあり、さらに20年後には3.4倍まで増える見込みです。
全国で1,500万人以上の方がマンションにお住まいで、日本の人口の約1割がマンション居住者という状況です。そのうち築40年を超える高経年マンションが137万戸もあり、さらに20年後には3.4倍の467万戸まで増える見込みです。
高経年マンションが抱える2つの大きな課題があります。

出典:国土交通省作成資料
1. 建物の老朽化
築40年を超えるマンションでは、設備の劣化や修繕の必要性が高まっています。
2. 住民の高齢化
築40年を超えるマンションでは、世帯主が70歳以上という世帯が半数を超えている状況です。
この2つの課題が重なると、以下のような問題が発生します:
- 役員の成り手がない
- 集会を開いても話がまとまらない
- 修繕積立金が足りない
実際に私が顧問として関わっているマンションでも、高齢化率の高いマンションでは、総会の際に聞こえづらい方がいらっしゃったり、足が不自由で会場への出席が困難な方もいらっしゃいます。
マンション購入時の注意点
中古マンション購入を検討されている方は、管理状況をしっかり確認することが重要です。
管理組合の運営がうまくいっていないマンションや、修繕計画が立てられていないマンションは、将来的に資産価値が大きく下がるリスクがあります。
詳しくは、「マンション管理士が教える買ってはいけないマンション5つの特徴」の記事もご参照ください。
改正区分所有法の3つの柱|条文解説と実務への影響

今回の法改正では、これらの課題を解決するために以下の3つの主要な改正が行われました。
1. 【改正の柱①】決議要件の大幅緩和|出席者多数決への転換

「出席」の定義とは?
「集会に出席した区分所有者」には、以下のすべてが含まれます:
1. 実際に総会会場に来た人
2. 書面による議決権行使をした人(書面投票)
3. 代理人を通じて議決権行使した人
4. 委任状を提出した人 つまり、何らかの形で意思表示をした区分所有者が「出席者」となります。
【重要】欠席者・無回答者は分母に含まれません。
これにより、無関心層や連絡が取れない所有者が意思決定を妨げる状況が解消されます。
所在不明区分所有者の除外制度(新設)

改正区分所有法では、裁判所の認定を受けることで、所在不明の区分所有者を決議の分母から除外できる制度が新設されました。
除外の要件
- 相当な努力を払っても所在が判明しない
- 管理費等の滞納がある、または連絡が取れない状態が1年以上継続
- 裁判所に申立て、認定を受ける
この制度により、実質的に管理に参加していない区分所有者が意思決定を妨げる状況が解消されます。
現状の問題
これまでマンションの管理に無関心な人や所在不明な人も含めて、全区分所有者を分母にして多数決を行っていました。
そのため、理事会の皆さんは
「総会に参加してください」
「せめて委任状だけでも出してください」と
お願いし続ける状況でした。
改正後の変更点 改正区分所有法 第39条・第61条・第62条|決議要件の条文比較
今回の改正では、主に以下の条文が変更されました:
- 第39条(集会の議事):普通決議の要件
- 第17条(共用部分の変更):特別決議の要件
- 第61条(建物の価格の2分の1超の滅失):大規模滅失時の決議
- 第62条(建替え決議):建替えの要件
- 第70条の2(建物の一括売却決議):新設
- 第70条の3(建物取壊し敷地売却決議):新設
- 第70条の4(建物の全部改良決議):新設
今回の改正により、区分所有法の条文が具体的にどう変わったのか、表で比較してみましょう。
主要な決議事項の条文比較
| 決議事項 | 条文 | 改正前(現行法) | 改正後(2026年4月~) | 備考 |
|---|---|---|---|---|
| 普通決議 (通常の管理行為) | 第39条 | 区分所有者及び議決権の各過半数 | 集会に出席した区分所有者の議決権の過半数 | 出席者を分母に変更 |
| 特別決議 (大規模修繕、 共用部分の変更等) | 第17条 | 区分所有者及び議決権の各3/4以上 | 集会に出席した区分所有者の議決権の3/4以上 | 同上 |
| 建替え決議 | 第62条 | 区分所有者及び議決権の各4/5以上 | 集会に出席した区分所有者の議決権の4/5以上 | 耐震不足時は3/4、 被災時は2/3に緩和 |
| 一括売却決議 | 第70条の2 | なし(制度なし) | 集会に出席した区分所有者の議決権の4/5以上 | 2026年から新設 |
| 敷地売却決議 | 第70条の3 | なし(制度なし) | 集会に出席した区分所有者の議決権の4/5以上 | 建物取壊し後 |
| 全部改良決議 | 第70条の4 | なし(制度なし) | 集会に出席した区分所有者の議決権の4/5以上 | 一括リノベーション |

改正区分所有法の決議要件緩和に関する詳細比較表
出典:国土交通省「マンション関係法改正の概要」(令和7年9月)
詳細はこちら:https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001909545.pdf
- 修繕などの決議が、集会に出席した人の議決権の多数決で決められるようになります
- ここでいう出席には、書面による委任状や代理による議決権行使も含まれます
- 欠席・無関心な人は分母に入らないため、参加した人の意思で前に進める設計になります
- 所在不明の区分所有者については、裁判所の認定を受けることで全ての決議の分母から除外可能
ただし、建て替えや区分所有権の処分を伴う重要な議題については、従来通り重い要件が適用されます。
2.【改正の柱②】マンション再生手法の多様化|建替え以外の4つの選択肢

これまで 古くなったマンションは基本的に建て替えが法律上の主役でした。
改正後の選択肢 以下の4つの選択肢が追加され、原則4/5の多数決で実行できます:
- 建物と敷地をまとめて売却(第70条の2:一括売却決議)
- 建物全体を一括リノベーション(第70条の4:全部改良決議)
- 建物を取り壊して敷地を売却(第70条の3:敷地売却決議)
- 建物を取り壊すのみ(第70条の5:建物取壊し決議)
状況に応じた決議要件の緩和制度

原則として4/5以上の賛成が必要ですが、マンションの状況に応じて要件がさらに緩和されます。
- 耐震性能不足などがある場合:3/4まで緩和
- 大規模災害で被災した場合:2/3まで緩和
- 所在不明の区分所有者:裁判所認定により分母から除外可能
3. 【改正の柱③】管理計画認定制度の拡充|新築時からの認定が可能に

管理計画認定制度とは、市町村が「きちんと管理されているマンション」として認定してくれる制度です。
改正前 既存マンションで希望する管理組合が市町村に申請して認定される仕組みでした。
改正後 新築マンションでも認定が可能になります。新築時にあらかじめ管理計画認定を受けて分譲されれば、購入者はより安心してマンションを購入できるようになります。
中古マンションを検討される際は、この認定を受けているかどうかも判断材料の一つになるでしょう。
マンション売却をお考えの方へ

今回の法改正により、マンションの管理運営は大きく変わります。特に高経年マンションでは、今後の方向性を決める重要な時期を迎えることになるでしょう。
「うちのマンション、将来的に大丈夫かな?」
「今のうちに売却を検討した方がいいのかしら?」
このようなご不安をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
売却のタイミングを逃さないために
管理状況が悪化したマンションや、今回の法改正に対応できていないマンションは、今後ますます売却が困難になる可能性があります。特に以下のような特徴を持つマンションは要注意です。
• 管理組合の総会が開催されていない
• 長期修繕計画が作成されていない
• 修繕積立金が著しく不足している
• 管理費の滞納が多い
• 築年数が古く、耐震性に問題がある
詳しくは、「売れにくいマンションの特徴5選と確実に売る方法」をご覧ください。
私たちは、マンションの管理状況や将来性についても詳しく調査し、適切な価格査定を行います。
過去には売れにくいマンションの特徴についても詳しく解説しており、お客様の不安解消に努めています。
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改正法の注意点・参考資料・関連リンク
今回の改正で意思決定は確かに早くなりますが、売却や建て替えなど大きな決断の場面では、多様な背景を持つ所有者の意見をまとめていく合意形成プロセスがこれまで以上に重要になります。
管理組合としては、決議の前にしっかりと情報を区分所有者の皆さんに共有し、総会に参加できない所有者の方にも十分説明する責任が今まで以上に重くなります。
参考資料・関連リンク
本記事の執筆にあたり、以下の公式資料を参照しています。より詳細な情報をお求めの方は、これらの資料もご確認ください。
法務省・国土交通省の公式資料
- 法務省「老朽化マンション等の管理及び再生の円滑化等を図るための建物の区分所有等に関する法律等の一部を改正する法律」
https://www.moj.go.jp/MINJI/minji07_00375.html - 国土交通省「マンション関係法改正の概要」(令和7年9月)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001909545.pdf - 国土交通省「マンション標準管理規約」(令和7年10月改正)
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000052.html - 国土交通省「マンション政策について」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk5_000001.html
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まとめ

今回の改正区分所有法の主なポイントは以下の通りです
- 管理組合の決議要件緩和:出席者の多数決で決議可能、所在不明者除外など
- 再生の選択肢拡大:建て替え以外にも売却やリノベーションなど多様な選択肢
- 管理計画認定制度拡充:新築マンションでも認定制度利用可能
今回の改正は、高経年マンションの2つの老い(建物の老朽化と住民の高齢化)という深刻な課題に対して、かなり踏み込んだ改正内容だと思います。
ただし、どんなに法律が改正されても、最終的な責任と判断は区分所有者である皆さん自身にあります。
今回の法改正を受けて、お住まいのマンションの今後について考える良い機会になるかもしれませんね。
改正区分所有法と標準管理規約の関係|実務での対応
法律が改正されても、実際の管理組合運営では「管理規約」に基づいて運営されます。そのため、改正区分所有法と標準管理規約の関係を理解しておくことが重要です。
【改正区分所有法(この記事)】 • 性質:国の法律(強行規定)
• 内容:基本的な枠組み・決議要件 • 施行日:2026年4月1日
• 適用:全マンションに自動適用
【標準管理規約改正】
• 性質:国が示すひな形(参考)
• 内容:具体的な運用ルール
• 公表日:2025年10月17日
• 適用:各マンションが総会決議で改正
つまり、2026年4月1日以降、改正区分所有法はすべてのマンションに自動的に適用されますが、各マンションの管理規約は総会決議で改正する必要があります
この法改正を受けて、2025年10月に国土交通省はマンション標準管理規約を改正しました。実務上、管理組合がどう対応すべきかについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「【2025年10月改正】マンション標準管理規約とは?購入・売却時の重要ポイントを完全解説」
こちらの記事では、以下の内容を実務視点で詳しく解説しています:
- 2026年3月31日までと4月1日以降で異なる規約改正手続き
- 役員就任時の本人確認の重要性(なりすまし問題への対応)
- 修繕積立金の使途拡大(改良工事にも使用可能に)
- マンション再生の4つの選択肢の詳細
- 管理不全マンションへの対処方法
よくある質問
- 改正区分所有法と標準管理規約の改正は、どちらが先に適用されるの?
-
標準管理規約の改正公表(2025年10月)が先で、改正区分所有法の施行(2026年4月1日)が後です。 ただし、標準管理規約はあくまで「ひな形」なので、各マンションが総会で決議して初めて自分のマンションの規約が変わります。一方、改正区分所有法は2026年4月1日に自動的に全マンションに適用されます。 詳しい対応タイミングや手続きの違いは、「マンション標準管理規約の解説記事」をご覧ください。
- うちのマンションの管理規約は、いつまでに改正すべき?
-
法律上の義務ではありませんが、2026年4月1日の改正区分所有法施行までに改正しておくことが望ましいです。 2026年3月31日までに総会招集手続きを開始する場合と、4月1日以降に開始する場合では、決議の手続きが異なります。具体的な対応スケジュールは、「標準管理規約の記事」で詳しく解説しています。
- 所在不明者の除外手続きは具体的にどうやるの?
-
所在不明区分所有者の除外手続きは、以下の流れで行います:
- 管理組合が相当な努力を払って所在を調査(住民票照会、登記簿確認、郵便物の転送先調査など)
- 1年以上連絡が取れない状態が継続していることを記録
- 管理費等の滞納状況を整理
- 裁判所に「所在不明区分所有者認定」の申立てを行う
- 裁判所の認定を受ける
- 認定後は、その区分所有者を決議の分母から除外できる
この手続きには弁護士や司法書士の協力が推奨されます。私もマンション管理士として、こうした手続きのサポートを行っています。
- 決議要件の緩和は、既存の管理規約にも自動的に適用される?
-
いいえ、自動的には適用されません。
改正区分所有法は2026年4月1日から自動的にすべてのマンションに適用されますが、各マンションの管理規約は総会決議で改正する必要があります。
つまり:
- 法律:2026年4月1日から自動適用
- 管理規約:各マンションが総会で決議して改正
管理規約を改正しない場合でも、法律の規定が優先されるため、改正法に沿った運営は可能です。ただし、管理組合の運営を明確にするため、管理規約も合わせて改正することが推奨されます。
詳しくは、「マンション標準管理規約の改正記事」をご覧ください。
- 一括売却と建替えの税制上の違いは?
-
一括売却と建替えでは、税制上の取り扱いが大きく異なります。
【一括売却の場合】
- 区分所有権の売却として、譲渡所得税が課税される
- 所有期間5年超なら長期譲渡所得(税率約20%)
- 居住用財産の3,000万円特別控除が適用できる可能性あり
- 売却代金が直接区分所有者に分配される
【建替えの場合】
- 建替え後の新マンションを取得する形
- 従前資産の評価により、追加負担金が発生する可能性
- 税制上の特例措置がある場合も
どちらが有利かは、個別の状況により異なります。税理士への相談をお勧めします。
- 耐震性不足による決議要件緩和の「耐震性不足」は誰が判定する?
-
耐震性の判定は、建築士などの専門家による「耐震診断」によって行います。
具体的には:
- 管理組合が耐震診断を実施(建築士に依頼)
- 診断結果が「Is値0.6未満」など、一定の基準を下回る場合に「耐震性不足」と判定
- この診断結果をもとに、決議要件が4/5から3/4に緩和される
耐震診断には費用がかかりますが、自治体によっては補助金制度がある場合もあります。まずは市町村の建築指導課などに相談することをお勧めします。
- 管理組合に顧問弁護士は必要?
-
必須ではありませんが、以下の場合は専門家のサポートが有効です。
【弁護士・司法書士が必要なケース】
- 所在不明者の除外手続き(裁判所への申立て)
- 一括売却や建替えなどの重要決議
- 区分所有者間のトラブル
- 管理費滞納者への法的対応
【マンション管理士が有効なケース】
- 日常的な管理組合運営のアドバイス
- 総会・理事会の運営サポート
- 管理規約の改正案作成
- 長期修繕計画の見直し
私は不動産コンサルティングマスター・マンション管理士として、複数のマンション管理組合の顧問を務めています。法的な手続きが必要な場合は、提携している弁護士をご紹介することも可能です。
- 2026年4月より前に建替え決議をした場合はどうなる?
-
2026年3月31日までに決議された内容は、旧法(改正前の区分所有法)の要件で有効です。
ただし、2026年4月1日以降に総会を開催する場合は、新しい決議要件が適用されます。
【タイミング別の取り扱い】
- 2026年3月31日までに総会招集通知を発送:旧法適用
- 2026年4月1日以降に総会招集通知を発送:新法適用
そのため、2026年3月中に総会を予定している管理組合は、新法・旧法のどちらで進めるか、タイミングを慎重に検討する必要があります。
- 賃貸に出しているマンションも改正法の対象?
-
はい、対象です。
改正区分所有法は、すべての区分所有建物(分譲マンション)に適用されます。現在賃貸に出しているかどうかは関係ありません。
【賃貸オーナーの注意点】
- 総会の通知は区分所有者(オーナー)に届く
- 議決権は区分所有者(オーナー)が持つ
- 賃借人(入居者)には議決権はない
- ただし、賃借人の居住権は保護される
賃貸に出している場合でも、管理組合の一員として総会に参加する責任があります。
- 投資用マンションの所有者も決議に参加できる?
-
はい、もちろん参加できます。
投資用であっても、区分所有者である以上、管理組合の構成員であり、議決権を持ちます。
むしろ、一括売却や建替えなどの重要決議では、投資用マンションの所有者の意向が大きく影響することもあります。
【投資家の方へ】
今回の法改正により、一括売却という選択肢が加わりました。築古マンションを投資用で保有している方にとっては、出口戦略の選択肢が増えたことになります。 - 「所在不明」の具体的な定義は?
-
法律上の明確な定義はありませんが、一般的には以下の状態を指します。
【所在不明と判断される状態】
- 登記上の住所に居住しておらず、転居先も不明
- 管理組合からの郵便物が宛先不明で返送される
- 管理費等の支払いが長期間滞納されている
- 電話やメールなど、あらゆる手段で連絡が取れない
- 住民票の調査を行っても所在が判明しない
重要なのは、「相当な努力を払って調査したが、それでも所在が判明しない」ことを証明できる記録を残すことです。
- 修繕積立金が足りない場合、どうすればいい?
-
修繕積立金が不足している場合、以下の選択肢があります。
【対処方法】
- 修繕積立金の値上げ(総会決議が必要)
- 一時金の徴収(総会決議が必要)
- 金融機関からの借入
- 修繕工事の優先順位を見直し、先送り
- 一括売却や建替えを検討(今回の改正で選択肢に)
今回の法改正により、修繕積立金が大幅に不足している場合は、建替えや一括売却という選択肢も現実的になりました。
詳しくは、「マンション修繕積立金が高い理由と対策」の記事をご覧ください。
- 管理会社は改正法への対応をサポートしてくれる?
-
管理会社によって対応は異なりますが、基本的にはサポートが期待できます。
【管理会社が行う主なサポート】
- 管理規約改正案の作成
- 総会資料の準備
- 決議要件に関する説明
- 標準管理規約に基づく改正提案
ただし、管理会社はあくまで「管理業務の委託先」であり、最終的な判断は管理組合(区分所有者)が行います。
【注意点】
管理会社によっては、法改正への対応が遅れているケースもあります。心配な場合は、マンション管理士などの第三者専門家に相談することも有効です。私は複数のマンション管理組合の顧問として、管理会社とは独立した立場でアドバイスを行っています。
- 既存の管理規約に建替え決議の規定がある場合、改正は必要?
-
はい、改正が推奨されます。
既存の管理規約に建替え決議の規定があっても、今回の法改正により決議要件が変更されているため、管理規約も合わせて改正することが望ましいです。
【改正すべき主な点】
- 決議要件の分母(全体→出席者)
- 一括売却決議の追加(第70条の2)
- 全部改良決議の追加(第70条の4)
- 敷地売却決議の追加(第70条の3)
- 所在不明者除外制度の追加
2025年10月に改正された標準管理規約を参考に、自分のマンションの管理規約を見直すことをお勧めします。
- 一括売却や建替えに反対する区分所有者への対応は?
-
改正法でも、反対する区分所有者の権利は保護されています。
【重要な原則】
決議要件が緩和されても、一括売却や建替えには依然として高いハードル(4/5以上の賛成)があります。つまり、5分の1以上が反対すれば決議は成立しません。【反対派への対応方法】
- 十分な情報提供と説明会の開催
- 複数の選択肢を提示(建替え、売却、大規模修繕など)
- 専門家(建築士、不動産鑑定士、税理士)の意見も参考に
- 時間をかけた合意形成プロセス
28年の経験から言えることは、「急いで決議を進めようとすると失敗する」ということです。じっくりと時間をかけて、区分所有者全員が納得できる方向性を探ることが重要です。
- 築浅マンションにも改正法は関係ある?
-
はい、すべてのマンションに関係があります。
今回の改正法は、築40年超の高経年マンションを主なターゲットにしていますが、法律自体はすべての区分所有建物に適用されます。
【築浅マンションでも重要なポイント】
- 決議要件の緩和(総会運営がスムーズに)
- 管理計画認定制度の拡充(新築時から認定可能)
- 所在不明者除外制度(投資用物件が多いマンションで有効)
- 管理規約の改正(2026年4月までに対応推奨)
特に、新築時から管理計画認定を受けることで、将来の資産価値維持につながります。これから中古マンションを購入される方は、「管理計画認定を受けているかどうか」も判断材料の一つにすると良いでしょう。
- マンション居住者として、今すぐやるべきことは?
-
以下の3つを確認・実行することをお勧めします。
【今すぐできること】
- 管理組合の総会・理事会の議事録を確認
→ 法改正への対応が議題に上がっているか確認 - 管理規約の改正スケジュールを確認
→ 2026年4月までに改正予定があるか確認 - 自分のマンションの管理状況をチェック
→ 長期修繕計画はあるか
→ 修繕積立金は十分か
→ 総会の出席率はどうか
【理事会メンバーの方へ】
管理会社や専門家(マンション管理士、弁護士)と相談しながら、2026年4月の施行に向けた準備を進めることをお勧めします。【売却を検討されている方へ】
法改正により管理組合の運営が変わる可能性があります。売却のタイミングについても、専門家に相談されることをお勧めします。稲沢市、一宮市、清須市、あま市でマンション売却をお考えの方は、ぜひ当社にご相談ください。
- 管理組合の総会・理事会の議事録を確認
令和7年10月標準管理規約が改正
今回の改正を受けて標準管理規約も改正されたました。こちらの動画で詳しく解説しています
マンション売却や管理に関するご相談は稲沢あんしん不動産まで
私たちは28年の不動産業界経験を活かし、マンション管理組合サポートも務めています。
マンション管理士の資格も保有しており、管理運営から売却まで幅広くサポートいたします。
マンションの査定をご希望の場合は、訪問査定でのチェックポイントも事前にご確認いただけます。
稲沢市、一宮市周辺でマンション売却をお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
保有資格:宅地建物取引士/マンション管理士/FP2級 得意分野:不動産売却、相続、空き家対策、マンション管理 など


